千早さん2話目です


以下ほぼ完レポです (;^ω^A




千早 「大丈夫ですか!」

倒れたおばあさんに大声で話しかける千早さん。

でも、おばあさんは青ざめたまま返事をしない。

(どうしよう・・・!)

突然のことに驚いて、頭がうまく働かない。

(でも、とにかくなにか出来ることをきなくちゃ)

唇を引き結んで、千早さんに尋ねる。

主人公「千早さん、私に出来ることはありますか?」

千早さんは私を驚いたように見つめて、大きくひとつ頷いた。

千早 「○○さん、まず119番で救急車を呼んで。それから、AEDを持ってきてくれるかい。こういうところならあるはずだから」

主人公「はいっ!」

(AED・・・ありそうな場所、わからないな)

とにかくサービスセンターに行ってみようと思い、無我夢中で走った。


おばあさんは、向島百花園にひとりで来ていたらしい。

彼女を一人にしたくなくて、私達は病院まで付き添い、手術室の前のイスに腰掛けていた。

千早さんは私の右手をずっと握ってくれている。

おばあさんが心配で、病院に入った時からずっと、気持ちが落ち着かない。

千早 「○○さん」

主人公「はい」

千早 「もし大変だったら、先に帰るかい?」

千早さんが心配そうな表情で私に尋ねる。

主人公「ごめんね・・・心配かけちゃいました?」

千早 「君を心配するのは、僕にとって役得だからね」

(役得って・・・)

主人公「・・・千早さんって、本当に不思議な言葉を使いますよね」

千早 「ああ、笑ってくれたね」

千早さんはそう言って、私の頭を撫でる。

彼の大きな手が気持ちよくて、私は目を閉じる。

(もしかして、慰めようとしてくれたのかな・・・)

彼の優しさがうれしくて、私は微笑んでみせる。

主人公「ありがとう、千早さん」

彼はなにも言わず、やわらかな笑顔で返してくれる。

こういう千早さんの、やさしさをひけらかすことのないところが好きだなと思う。

その時、手術室から医師が出てきた。

医師 「搬送されてきた患者、助かりましたよ」

その言葉に、千早さんも私も、ほっとして息を吐く。

千早 「それはよかった・・・」

主人公「本当に・・・」

おばあさんの家族がこちらに向かっている。

お礼を言いたいと言われているがどうしますかと尋ねられた。

千早 「いえ。すみません、ちょっと急いでいるものですから。デートの途中だったんです」

医師 「そうだったんですか。かなり長い時間お待ちいただいてしまった」

千早 「いえ、私達も気になっていたので・・・そんなことは全く構いません。本当に無事でよかったです」

主人公「おばあさんとご家族に、よろしくお伝えください」


病院の外へ出ると、すっかり日が暮れていた。

真っ暗な夜空に浮かぶ月を眺めながら、手を繋いで歩き出す。

主人公「おばあさん、無事だったみたいで、よかったですね」

千早 「ああ」

主人公「千早さんがいなかったら、あのおばあさん・・・」

千早さんや、そうでなくても他に助けてくれるような人がそばにいなかったら。

あのおばあさんは、命を落としていたかもしれない。

主人公「千早さん、すごいです」

千早 「・・・え?」

ぎゅっと千早さんの手を握る。

千早 「・・・○○さん?」

主人公「落ち着いて対応していたでしょう?不謹慎かもしれないけど、今思い返すとカッコよかったなぁって・・・」

千早 「ふふ、ありがとう」

千早さんは私の首筋をなぞる。

くすぐったさに首を縮めると、彼はふっと笑った。

千早 「じゃあ、と言ってはなんだけれど・・・ご褒美をもらってもいいかな」

主人公「ご褒美、ですか?」

千早 「ああ。僕のわがままに付き合ってくれないか」

(千早さんがわがまま・・・?)

彼がそんなふうに言ってくれるのは珍しい。

私は笑顔で頷いて見せた。


千早さんが連れてきてくれたのは、隅田川にかかる橋の下にある屋形船乗り場。

主人公「千早さん、もしかして・・・屋形船に乗るんですか」

千早 「そうだよ」

先に船に乗った千早さんが、手を差し伸べてくれる。

千早 「お手をどうぞ、お姫様?」

主人公「・・・ありがとうございます」

その手をとって、屋形船に乗り移る。

船に寄せる波の音が心地よい。

赤い提灯の灯りがどこかノスタルジックに思えて、なんだかうっとりしてしまう。

千早 「屋形船は初めて?」

主人公「はい・・・。ちょっと緊張しますね」

千早 「大丈夫だよ。今日は僕達だけの貸切だからね」

(貸切!?)

屋形船を二人で貸切にするなんて、普通ならあり得ない事だからちょと驚いてしまう。

主人公「二人で貸切なんて、なんだかすごく贅沢ですね」

千早 「喜んでもらえたならよかった」

千早さんは私の髪にふれると、長い指でゆっくりと梳く。

その手つきが色っぽく見えて、頬が赤らんでしまう。

千早 「・・・ところで、さっきも言っていた『わがまま』の話なのだけれど、今でも充分キレイだけれど、もっと美しくなっておいで」

主人公「・・・え?」

その時、見知った顔の女性が千早さんの背後から現れる。

初美 「・・・コホン」

千早さんの取材時にメークを担当してくれている、初美ちゃんだった。

私達とあえて視線を合さないようにして、彼女は恥ずかしげに口を開く。

初美 「お邪魔してゴメンね・・・ホントに」

主人公「初美ちゃん、どうしてここに・・・?」

千早 「僕が呼んでおいたんだよ。君をもっと美しくしたくてね」

主人公「え・・・?」

初美 「じゃあ、○○ちゃんをキレイにしてきます!」

千早 「期待してるよ」

初美ちゃんは私の手をとって、屋形船の船室へと入った。


初美 「あー、ホンットにあの人、○○ちゃんのこと大好きなのね」

主人公「そ、そう・・・だね」

なんだか恥ずかしくなって、思わず俯いてしまう。

船室のテーブルには、初美ちゃんが用意してくれていたメーク道具一式。

初美 「いいね。お互い大切に思い合っていられるって、すごく素敵。そういう関係ってなかなかあるものじゃないって、この年齢になればわかってくるじゃない?だから、お互いを大切にしたいって思うのね。2人を見てて、そう思ったよ」

主人公「・・・うん。千早さんと出逢えてよかったなって思う」

初美ちゃんと鏡越しに微笑みあう。

初美 「○○ちゃんからもノロケられちゃった」

主人公「あっ、ご、ゴメン!」

初美 「謝ることなんてない。あーあ、私もそんなふうに思える相手に出会いたいなぁ」

初美 「ではっ!今夜は、○○ちゃんも驚くくらい、キレイに変身させていただきます」

主人公「よろしくお願いします」

初美 「おまかせくださいっ!」


それから1時間ほど経過。

初美ちゃんが私の唇に自然な色合いの紅を引いて、最後の仕上げをしてくれている。

初美 「うん、できたよ!」

鏡の中の自分を見ていると、自分じゃないみたい。

まさかこんな格好をさせてもらえるなんて思わなかった。

初美 「うん、我ながら素敵に仕上がったと思う!」

主人公「ありがと、初美ちゃん」

初美 「いえいえ。じゃあ、お披露目にいきましょうか。ふふっ、反応が楽しみね!」

(どんな反応、返してくれるかな・・・?)

ドキドキしながら、桟橋近くの喫茶店で待っているという千早さんが戻ってくるのを待った。

戻ってきた千早さんは、目を見開くようにして私を見る。

初美 「どうかな?今回のできばえにはちょっと自信あるんですけど」

アップにされた髪の毛は、かんざしを使って和風テイストにまとめられている。

衣装は薄紫色で、肩山から袖山にかけて大ぶりの桜が数輪染められたもの。

濃紺のシンプルな帯で、帯締めは淡い萌葱色。

千早 「ああ、美しいね。桜の精のようだ」

主人公「さ、桜の精、ですか・・・?」

(よくわかんないけど、桜って言われるのはちょっとうれしいかも)

初美 「そうなの!衣装もメークも桜の精をイメージしてたんです。もう散り始めてるけど、やっぱりこの時期に屋形船でデートするんだったら、桜がいいだろうと思って」

(えっ、そうだったの初美ちゃん!?)

(この二人、本当によく似た感性してるんだなぁ)

  だって・・・兄妹ですもの・・・ (^~^)

それから屋形船は出航。

初美ちゃんは次の仕事があるからとお見送りをしてくれた。


千早 「○○さん、僕の隣に座るかい」

主人公「はい」

私達は隣り合って座る。

開かれている障子の向こうはガラス窓になっていて、美しい夜景が見える。

千早 「着物、苦しかったりはしない?」

主人公「はい。初美ちゃんが加減してくれたので」

千早 「そう、ならいけれど。・・・それにしても、本当に美しいな」

やさしく頬に手を添えられる。

なんだか恥ずかしくなって俯くと、千早さんに笑われてしまった。

やがて板前さんがやってきて、彼は威勢よく張った声で言う。

板前 「では、料理の準備をさせて頂きます」

千早 「お願いします」

板前さんが少し離れたところでてんぷらを揚げてくれている。

給仕の女性が前菜の3点盛りを目の前に運んできてくれる。

春をイメージしたようなお料理。

私達はゆったりとお話ししながら飲んで食べて。

おだやかに流れる時間がいとおしくて、ずっと笑顔でいられた。

食事を終えると、板前と給仕は近くの船へと移って行った。

船には私達二人だけが残される。

提灯の灯りがぼんやり灯っている。

波の音を聞きながら、千早さんの肩に頭をのせて目を閉じる。

千早 「ねえ、○○さん」

主人公「・・・はい」

千早 「窓の外を見てごらん」

千早さんに促されて窓の外を見ると、スカイツリーが紫色の上品な光に包まれている。

主人公「キレイ・・・」

(あれ・・・?)

主人公「まだライトアップされてないはずでしたよね?」

千早 「ああ。ちょっとお願いしてね」

主人公「えっ!」

私の驚いた顔を見て、千早さんが楽しそうに笑う。

主人公「ありがと、千早さん」

どうやってこの気持ちを返していいのかわからない。

こんなことは私には真似できないし、同じくらいのことっていうのも難しいし。

千早 「どうしたの?」

主人公「どうやってこの気持ちを返したらいいのかなぁって・・・」

千早 「ふふ、そんな心配は必要ないよ。君が気づいてないうちに、たくさんもらってるから気にしないで。たとえ何ももらってなくても、全然構わないんだから」

  愛だね・・・うん、愛

(千早さん・・・)

立ち上がると、私は窓の枠に手をかけて、スカイツリーを眺める。

散りゆく桜と、隅田川と、スカイツリー。

贅沢なこの景色に、思わずため息をつく。

千早 「・・・美しいな」

主人公「はい。本当に」

千早 「ああ、僕が言っているのはスカイツリーじゃなくて」

千早さんは私を背中から抱きしめる。

うなじに彼の吐息がかかって、くすぐったい。

千早 「本当に桜の精のようだね」

主人公「桜の精なら、春が終わったらきっと消えちゃいますね」

千早 「ああ、それは困るな。それじゃあ、つかまえておかなくてはね」

耳元に口を近づけながら、千早さんは言う。

主人公「・・・っ!」

千早 「可愛いね。君はお酒を飲むと感じやすくなるから」

主人公「そういうこと、恥ずかしいから言わないでください・・・」

千早さんは私の首元に優しく口づけをする。

そして私を優しく押し倒した。

主人公「あ、あの・・・」

千早 「うん?」

主人公「まさかここでなんて・・・しませんよね」

千早さんはにっこりとほほ笑むだけだった。

主人公「ちょっ、ダメですってば!」

千早 「どうして?」

主人公「外から見えちゃいますもん!」

障子をていねいに全部閉めると、障子から漏れる光のほかに、私達を照らすものはなくなった。

千早 「○○さん、おいで」

やわらかい声が、船内によく響く。

外から、他の屋形船の騒ぎ声が聞こえてくる。

(いつもより、緊張する・・・)

千早さんのそばにそっと近づいて、彼を抱きしめる。

千早 「今日の君は本当にきれいだね・・・」

主人公「・・・そういうの・・・言うのダメです」

千早 「どうして?」

主人公「・・・っ、恥ずかしくて・・・困るからです」

千早 「本当に君は可愛いね」

千早さんは私の唇に軽くキスをしてから、私のかんざしを抜いて、髪をほどいてくれる。

千早 「スカイツリーが完成したら、また一緒に来ようか」

主人公「・・・はい」

私達は深くて長いキスをする。

波の音と、周囲の騒ぎ声に紛れて、私達はひっそりとやさしい時間を過ごした。






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きゃーきゃーきゃー!!! о(ж>▽<)y ☆

やっぱり千早さんですってば!!

誰になんと言われようと!

大人の色香にやられてますо(ж>▽<)y ☆

演出が庶民には決して真似できない事だけど・・・ (^_^;)

今回の千早さん積極的で・・・ドキドキしちゃう!!


千早さんって、常に笑顔を絶やさないで、その人の立場になって物事を考えて行動する

そして、正しい事を躊躇なく行える・・・って

なかなか出来ないことだもんね


うわぁ・・・ほんとこんな人いないかな・・・

千早さんみたいな人のそばにいたら自分も人に対してすごく優しくなれそうな気がする・・・

今更遅いか・・( ̄Д ̄;;