遼一です
以下ネタバレです
(遼一さんと行くけど・・・あえて、ちょっといじめてみよう)
遼一さんをじっと見つめてから、ふっと笑って答える。
主人公「じゃあ・・・ノエルさんと」
遼一 「・・・ほう?」
遼一さんは明らかに不機嫌そうな表情になる。
遼一 「お前、オレの目の前で堂々と浮気するつもりか」
主人公「だって、いつもいじめられてるんですもん。ちょっとはいじめ返させてください」
遼一 「お前・・・オレのモノだって今ここで見せつけてやろうか」
主人公「そんな脅しには絶対屈しませんから」
遼一 「おどしじゃねーよ。オレはやる時はやるぞ」
主人公「やるって何をですか?って、きゃあ!?ちょっと!どこさわっ・・・」
視線を感じて見上げると、ノエルくんが、じたばたしている私達を睨みつけている。
主人公「あ、あの・・・?」
ノエル「オレをケンカのダシにするの、やめて」
だよね、だよね ('-'*)(,_,*)('-'*)(,_,*)
悠月 「ノエル、それくらい許してやれよ。きっとコイツもいろんなウップンが溜まってるんだ・・・」
千早 「遼一と付き合うなら、それなりにパワーもいるだろうからね」
未来 「やっぱり○○ちゃん、僕と一緒にいこっ!絶対楽しい時間にするから!」
(し、しまった。なんだか大事になってしまった・・・)
主人公「ノエルさん、ごめんね」
遼一 「ノエルには謝って、オレには謝らねーの?」
主人公「遼一さんのどこに謝るんですか。なんで私がこんな態度をとってるか、自分の胸に手を当ててよーく考えてみてください」
遼一さんは神妙な面持ちで、そっと自分の胸に手を当てて目を閉じる。
しばらくたってから、ふっと息を吐いて頭を横に振った。
遼一 「ダメだ、まったく見当もつかない。お前の勘違いじゃないのか」
主人公「・・・遼一さん、いつか刺されますよ」
遼一 「誰から」
主人公「さあ誰でしょうね」
私からなんて言ったらまた絶対いじめられると思って、あえて言わないでおく。
遼一さんは私の肩をぐいと引き寄せて、ニヤリと笑った。
遼一 「オレは、お前にだったら・・・」
(・・・?)
遼一さんが少し目をうるませて私を見つめてくる。
(な、なにを言うつもりなんだろう)
ドキドキしながら遼一さんの次の言葉を待つ。
遼一 「オレは、刺されるより・・・」
遼一さんが耳元で囁く言葉に耳を疑った。
(ちょっ、みんなもいる前でなんてこと言おうとしてるのよ!)
とっさに私は・・・
(く・・・女の武器は涙とかいうし、嘘泣きしてみようかな)
主人公「も、もう・・・いい加減、やめてくださいっ!・・・っく」
うずくまって泣きまねをしてみると、未来くんが叫んだ。
未来 「あー!遼くん、○○ちゃん泣かした!女の子を泣かせるなんてひどい!」
遼一 「・・・こんなので泣くわけなかろうよ」
遼一さんが私の顔をあげさせる。
もちろん泣いてない。
遼一 「○○さーん、なに泣き真似してんのさ」
主人公「もしホントに泣いてたらどうするんですか?」
遼一 「そんときは抱きしめてやるよ」
主人公「・・・もうっ、先に行きます!」
遼一 「オイ、○○!」
遼一さんを置き去りに、私はダッシュでカジノを後にした。
(・・・抱きしめてやるって・・ちょっとうれしかったかも)
後日、私達は神保町で待ち合わせ。
遼一 「ったく、この前はひどかったよな。オレを残して走って逃げるってどういうことよ」
主人公「そんなに急いで逃げてないですよ。ただの運動不足じゃないですか?」
遼一 「ほう。お前、いい度胸だな。夜と言わず、今ココでやるか?」
主人公「警察につかまりますよ」
遼一 「ああ、お互いな」
遼一 「さーて、そろそろ休戦だな。お前仕事しに来たんだろ」
主人公「あ、はい」
私達はあっさりと戦闘モードから切り替わる。
最近、こういうやりとりがちょっと楽しい。
本人にいったらどうなるかわからないから絶対に言えないけど。
遼一 「お前、こういうところには来るのか」
主人公「いえ。こういうところの古書はあまり読まないんですよね。あ、ブックオンにはいきますけど」
遼一 「まぁブックオンもいいけどな、こういうところの古書は味があっていいんだぜ?掘り出し物を探すのも楽しいしな」
遼一 「今日はオレが特別にオレの行きつけの店を教えるから」
主人公「え、いいんですか?」
主人公「遼一さんにとって、行きつけの書店を教えるってすごく大変なことなんじゃ・・・」
遼一 「別に構わねえよ。オレが欲しいと思ってる本をお前んとこの読者が欲しいと思ってるとは思えないし」
こういうとき、遼一さんってなんだかんだ私の仕事を応援してくれてるんだなって思う。
主人公「ありがと、遼一さん」
遼一 「借りは返せよ?カラダで」
ええ、ご要望とあらば・・・♪(*^ ・^)ノ⌒☆
主人公「・・・が、がんばります」
遼一 「楽しみだ」
遼一さんおススメの古書店へ連れて行ってもらう。
遼一さんは探してた本を見つけて手に取る。
それは明治時代の本。
主人公「世の中にたくさんある本の中から、たった1冊の本に出逢える確率って・・・すごですよね」
遼一 「お前、わかってるじゃねーか。やっと編集者の自覚が出てきたか」
遼一さんはぽんと私の頭を撫でてくれる。
なんだか認められたような気がして、うれしくなる。
遼一 「本っていうものは一期一会なところがあるけども、古書はよりその要素が高い。中には結構歴史的にも興味深いような資料もあったりするからさ。そういうのと出逢えると、やっぱり興奮するわけよ」
遼一さんは目をキラキラ輝かせながら、古書について語る。
遼一 「よし、あと何軒かめぐるか。次は洋書のアンティーク本があるところに行くぞ」
主人公「はい!」
私達はその後、遼一さんに連れられて数軒の書店を巡った。
最後に近くにあったブックオンに入った。
何気なく2人で小説コーナーに向かう。
注目作のところに遼一さんの出世作『天使のあしおと』が並んでいる。
遼一さんは一瞬驚いたような顔をしたけれど、頭をかきながら笑った。
遼一 「まあ、これでもベストセラーだからな。仕方ないだろ。発売して何年も経つしな」
主人公「・・・」
遼一さんはそんな風に言うけれど・・・
遼一さんの著作が大好きで、遼一さん自身のことも好きな私は、どうしても割りきれない。
遼一 「○○」
遼一さんが優しい声で私の名前を呼ぶ。
つん、と指先で軽く鼻をついて、笑って言った。
遼一 「なんだよ、そんな顔するな」
主人公「遼一さん・・・」
遼一 「お前がそんな顔しなくてもいいさ」
遼一さんは本当に気にしていないのかもしれない。
主人公「・・・ありがと。遼一さん」
遼一 「ああ。ほら、そろそろ2時だぜ?お前の好きなモンでも食うか」
遼一さんが私を慰めてくれるような言葉をかけてくれるから、嬉しくなって微笑んでみせる。
主人公「じゃあ、私カレーがいいです」
遼一 「・・・調子がいいな。お前、アレだろ。美味いメシが食えたらそれだけで幸せなんだろ」
主人公「それは・・・幸せです」
遼一 「ホント、単純なヤツ」
主人公「うるさいですよ。おいしいものには素直に喜ぶべきですよ」
遼一さんがよく来ているという、カレーの美味しいお店。
店内に入ると、店主が声をかけてくれる。
店主 「いらっしゃい・・・おー、廣瀬さん!」
遼一 「どうも」
店主 「奥のボックス席、空いてますよ」
店主から勧められた奥のボックス席に腰掛けると、遼一さんが言った。
遼一 「今日は平日だし、中途半端な時間だから人いねーけど、この店、土日とか平日のランチタイムは超混むんだぜ?」
主人公「そうなんですか」
店主がやってきて、テーブルに水の入ったグラスを置いた。
店主 「廣瀬さん、デートですか」
遼一 「そうなんだよ」
店主 「へえー、そうなんですか」
店主は私のことをまじまじと見つめる。
遼一 「・・・コイツはオレにベタ惚れなので、ちょっかいかけるのはナシですよ?」
(えっ?遼一さんなに言ってるの!?)
遼一さんは不敵に笑って店主を見据える。
店主 「僕もこんな女性、タイプなんですけどねぇ。イジメ甲斐がありそうで」
主人公「・・・え」
(い、今なんて言ったの。この店主・・・)
遼一 「お前、カレーだよな?」
主人公「あ、はい」
遼一 「じゃ、店主。カレー2皿お願いします」
店主 「かしこまりました」
店主が行ってしまってから、さっきのやりとりの意味が分からず遼一さんに尋ねる。
主人公「あの人、なんなんですか・・・?」
遼一 「いや・・・ちょっとオレの好みとかぶりやすいんだよな。あの店主。ま、浮気するならオレにヒドイ仕返しをされてもいいって思えるときだけにしておけよ」
主人公「浮気なんてしませんし、そんなヒドイ仕返しをされてもいいって思える時なんてありませんよ!」
遼一 「ハハッ!さっき言ったオレの言葉、あながち外れてはなさそうだ」
主人公「え?」
遼一 「わからないか?おまえがオレにベタ惚れってことだよ」
顔が真っ赤に染まる。
遼一 「図星だろ」
主人公「・・・そうです」
遼一 「素直だな。珍しい」
主人公「私はいつだって素直です。遼一さんがひねくれてるだけです」
遼一 「ハハッ!言うねえ」
遼一 「・・・ちょっと静かにさせてやろうか」
主人公「え?」
遼一さんはニヤリと笑って、席を立つ。
すると、遼一さんは急に」顔を近づけてきて、キスをする。
驚いて言葉に詰まる。
主人公「・・・ちょっ、なにしてるんですか!」
店主に聞かれないよう、小声で言う。
遼一さんは楽しげに笑う。
遼一 「今は誰もいないし、店主もカレー作りにいそしんでるんだから問題ないだろ」
主人公「そんな・・・っ」
遼一 「大人しく気持ちよくなってなさい」
主人公「そんなこと言われても・・・!」
遼一さんは、また私の口にキスをする。
今度はさっきよりも強く。
遼一 「・・・そう、その顔」
遼一さんを見つめると心底楽しそうに私の顔を見つめてる。
主人公「な、なんですか」
遼一 「オレはお前の、どうしようもなく気持ちいいって感じの顔が好きなのよ」
(・・・っ、!私、そんな顔してるの!?)
主人公「私、この上なく嫌がってるつもりなんですけど・・・」
遼一 「お前、カラダのほうが正直じゃない」
主人公「・・・そういうときも、確かにありますけど」
店主 「じゃあ僕とします?」
主人公「えっ」
店主がテーブルの上にカレーを置いて、私にウインクして見せた。
(ウインクって・・・!っていうか、この状態見られた!!)
遼一 「・・・店主。ウチのに手を出さないように」
店主 「そんなに心の狭い男の書いた小説なんて、そのうち売れなくなっちゃいますよ?」
(・・・えっ、そんな言い方って)
遼一 「あーうるせー」
遼一さんは慣れているのか、冗談ととって受け流している。
店主は肩をすくめてキッチンへと戻る。
その後ろ姿を見ながら、遼一さんはフンと鼻を鳴らした。
主人公「私・・・、あのひと苦手です」
思わず心からあふれ出た言葉に、遼一さんが目を見開く。
遼一 「なんだ、珍しいな○○。お前、めったにそんなこと言わねえのに」
(そうだよね、私らしくないこと言っちゃってるのはわかってるんだけど・・・なんだか気持ちを整理できない)
遼一 「・・・○○?」
主人公「あっ・・・はい」
遼一 「本当にどうした。気分でも悪いのか」
主人公「そんなこと、ないです。カレー、食べちゃいましょっか」
遼一 「・・・お前、なにかごまかしてないか?」
主人公「いえ。ほら、冷めちゃいますよ。いただきます!」
遼一さんは私の状態をうかがうように見つめている。
(心配かけないようにしなくっちゃ・・・)
美味しいはずなのに、カレーライスを食べる手はなかなか進まなかった。
つづく・・・