党大会の人事については、中北浩爾氏の「田村氏の委員長就任は歓迎しますが、過剰な期待ができないのも明らかです」という解説に同感だ。そして、以下の指摘についてもまったくそのとおりである。
 

……委員長になる人物が、多数の大会代議員がいるなかで、つるし上げのように批判を加えるのは、パワハラではないでしょうか。これでは、共産党内で自由に意見が出せるわけがない。大山県議は、松竹処分について「将来共産党が政権をとったら、国民をこんなふうに統制すると思えてしまう」と懸念を示しましたが、この発言に十分な根拠があることが、逆に示されました。

 

 大山代議員の発言は、党への攻撃だとされている松竹氏の主張が党に及ぼした否定的影響よりも、除名処分した党に対する国民の疑念が及ぼした否定的影響の方が大きかったと指摘したうえで、問題は松竹氏の出版よりも除名処分ではないかとして、希望の党の例をあげて、党の政治的判断が適切だったかどうかを問いかけたものだ。
 田村氏は討論の「結語」で、この発言に「党外の人が言っていることのみをもって処分が問題と断じる」ものだと言いがかりをつけ、「あまりにも党員としての主体性を欠き、誠実さを欠く発言」「全く節度を欠いた乱暴な発言」「問題のこの政治的本質をまったく理解していない」と断じた。実に勇ましい「結語」であるが、実は大山代議員の提起には何も答えていない。
 こうした党指導部のやり方は何十年も前から変わっていない。指導部に批判的な発言があると代議員・評議員は凍りつき、それに反論する発言には、たとえそれが言いがかりに近いものであっても、大きな拍手や威勢のいい掛け声(「そうだっ!」「そのとおりっ!」)がかかる。そうやって批判者を貶めることで多数派の団結を強めているつもりなのであろう。孤立させられる側の少数派はたまったものではない。まったく同志愛のカケラもないではないか。新指導部には、民主主義を基礎から実践的に学んでいってもらいたい。

管理人(2024/1/18)