日航アリビラさん、本当にお世話になりました。
快適な滞在でした。


$★究極の旅行代理店と呼ばれて ~高萩徳宗の毎日が旅人~
スタッフさんと記念撮影。


さて、欠航が決定してからの続きの話。

オリオンビールで乾杯したあと、

紆余曲折あり(今回は紆余曲折ばかり)、
さてとまずはJALホームページを確認。

私は油断していましたが、JALは朝早い段階で
早々と沖縄便、夕方まで全便の欠航を決めていたようです。

良く言えば決断が早い。
逆の言い方をすれば、
「可能な限り動かすぞ」の意欲は感じない。

まあ、混乱回避もやむを得ないところです。

お客様に「帰れない可能性が高いです。」とまずはひと事。

お客様は「んん?もう1泊かー。」と興奮しながら
ちょっと嬉しそうです。

今日の夜の飛行機はキャンセル待ちすらつかない状態。

さすがに明日も帰れなくなってはいけないので、
取り急ぎ、明日のいちばん早い便
(24時間後しか空きなし)を予約。

明日帰れないとさすがに洒落になりません。

次にJAL予約センターへ電話。

台風の時は電話がなかなか繋がらないのは仕方ありません。
それでも3回目のトライでオペレーターさんに繋がりました。


私「予約していた便が欠航になったようですが。」
オペ「えーっと、そうですね、欠航のようです。」
私「なにか代案をご呈示頂けないでしょうか。」
オペ「明日の○○便でしたら空きがありますが。」
私「あー、その便なら先ほど念のため押さえました。」
オペ「では予約の振替をしましょうか。」

いやいや、今日帰ることを諦めた訳ではありませんので。

キャンセル待ちは空港へ行くしかないこと、
乗れない可能性が高いが、ここでは判断できかねること、

と、素っ気ないやりとりにちょっとイラッと来ました。
この程度のやりとりをするために電話しているのでは
なーい、と頼りにならない予約電話の受話器を置きました。

私は聖人君子ではないので(ごめんなさい)
あまりにひとごとっぽい対応に、

「何万と言う予約を扱っているあなたにとっては、
 所詮人ごとかもしれませんが、台風で欠航が決まって
 さあ、困ったと思っている人間にとっては、欠航は
 大変なことなんですよ。
 あなたには関係ないことだと思うけど。」

と久しぶりの「嫌み」を言ってしまった私は嫌なやつ。

ああ、
汗して働く人に対して嫌みは言わないと心に決めていたのに。

でも、嫌みを言った瞬間、先方はさすがに不味いと思ったのか
慌てて態度を豹変させ、

「大変申し訳ございません、お気をつけてお帰りください」

とかおっしゃっていましたが、
プロっぽくないなあ、こう言うの。

すみません、読んでて気持ちよくないですね。
先に進みます。(愚痴はここまで)

台風で羽田がアウトじゃあ、どうしようもないなあと思いながら
念のためANAのホームページを見ると、な、なんと
今日の昼から夕方以降の便は通常運行となっていて、空席もあるでは
ありませんか!

おお、と慌てて予約を入れてお客様にその旨ご案内し、
権利を確保せねばとクレジットカードで決済し、
やったー帰れると荷造りを本格化させました。

(ホテルのご好意で出発が決まるまでお部屋を使わせて
 頂くことが出来ました。
 ありがとうございました、助かりました。)

タクシーをお願いし、
那覇空港へ向かい、


$★究極の旅行代理店と呼ばれて ~高萩徳宗の毎日が旅人~
那覇到着前に夕陽が!

夕陽を見ながら、
空港に着く直前、念のため「怖いものみたさ」で
ANAのホームページを確認したら、


「ANA○○便は台風の為、欠航。」と。


○○便は、私たちの便じゃないよなー、

○○便・・・。当たり。

あちゃー、ANAも欠航。

確かに東京は大変なことになっているようです。

「取りあえずカウンターへ行って見ましょう。」と
ANAのカウンターへ行き「すみません、欠航のようですが。」
と言うと


「少々お待ちください。」


とパソコンをカチャカチャと叩いています。

じーっと、その様子を見ていると、


じっと(スタッフさんの)手を見る
$★究極の旅行代理店と呼ばれて ~高萩徳宗の毎日が旅人~



「1便前に空席があります。遅れているので乗れると思います。
 間に合うかやってみます。」と頼もしいことば。

目の前に搭乗券が出て来たときは、カウンターのスタッフと
ハイタッチしたい気分でした。

が、電話でどこかとやりとりをして、時間が掛かっています。

暗雲立ちこめたかと、その様子を見ていたら、

「お客様、実はこの便はスポットから直接乗れない便で
 階段で飛行機にご案内となります。車椅子では都合が
 悪いので・・・。」

悪いので?

「更に1便前の飛行機が管制の指示待ちでまだ出発出来て
 おらず、こちらはすでに搭乗手続きは終了しているのですが、
 再度、関係各所と交渉してみます。」

と、カウンターのあちら側で色々な方がどこかへ電話したり、
無線で連絡を取ったりして下さっています。

そして、

「お客様、3名様搭乗オッケーになりました。
時間がありませんので、スタッフが搭乗口までご一緒します!」


$★究極の旅行代理店と呼ばれて ~高萩徳宗の毎日が旅人~


と何と2便前のフライトに滑り込みセーフ。
いや、セーフじゃないものを逆転満塁ホームラン。


ジャンボが輝いて見えます。

$★究極の旅行代理店と呼ばれて ~高萩徳宗の毎日が旅人~





今度こそハイタッチです。


凄い連携プレーでした。



それぞれの会社に方針があり、個別の事情があるので
単純な比較は出来ませんが、私は今回のJALの対応には
大震災の時の「JR」の対応が重なりました。

安全を理由に駅のシャッターをさっさと降ろした
JRのあの判断。

間違ってはいなかったのでしょうが、
「公共交通機関」として最善の対応だったかは
議論が残るところです。

混乱を避ける、ことも大切です。
ただ、
混乱を避けることが目的化してはいけないとも思いました。

那覇に取り残されている人は、
やはり「出来る事なら帰りたい。」

今回の事例に関してはJALは混乱を避けて早々と白旗を上げ、
ANAは最後の最後まで奮闘し、3時間以上遅れたものの、
乗客を羽田へ運んで来ました。

機内でも機長が「今、なぜ待機していて動けないのか。」
「台風の場合、どんなリスクがあるか。」
「最悪の場合、この飛行機の到着は更に大幅に遅れる。」
「しかし、私が責任をもって安全に着陸させる。」
「管制は待てと言っているが、ANAルートの独自情報では
 まもなく羽田は再開するのではないかと連絡が来ている。」
「少しでも早く羽田へ着けるよう、全力を尽くしている。」

と言った情報をどんどん機内へ伝えます。

駆け込んで来た私たちはラッキーですが、
当初からこの便に乗る筈だったお客様は、
恐らく3時間以上待たされた上に、
飛行機に乗り込んでから更に待たされています。

こんな時、謝られたり、言い訳されたりするより、
「今、全力を尽くしている」ことと、
それを阻害している要因について、
詳細に説明をすると言う姿勢は素晴らしいと思いました。

これだけの情報を受け取れば、
機内の乗客はおとなしく待つに決まっています。

羽田に着いたら22時を回っていましたが、
疲弊感、徒労感がまったくなかったのは、
ANAの連係プレーの賜物と思いました。


機内で、正真正銘の「かんぱーい」
$★究極の旅行代理店と呼ばれて ~高萩徳宗の毎日が旅人~



お疲れさまでした!

$★究極の旅行代理店と呼ばれて ~高萩徳宗の毎日が旅人~