セ・リーグが開幕した。中日対横浜は川上VS三浦の投手戦、巨人対広島は終盤にカープが大逆転、阪神対ヤクルトは井川を打ち込んだスワローズが勝利をつかんだ。開幕とはプロ野球のお正月。選手の誰もが期待感と緊張感を胸に試合に臨む。それはファンも同様である。春4月、このドキドキ感が毎年たまらない。遅咲きの桜も球春の声を聞けば、すぐに満開宣言をするだろう。

 この日は4月1日。エイプリルフールと重なった。ならば落合ドラゴンズはオレ竜采配でサプライズな開幕投手を披露するかもしれない。「9番ピッチャー小松! 背番号20」なんていうアナウンスを期待したが、それは無理というものだ。
 ガチガチの大本命・川上憲伸投手がナゴヤドームのマウンドに上がった。ヒットは打たれるものの要所を締めるエースらしいピッチング。対する三浦は絶好調。中日打線に安打をほとんど許さない。ウッズも沈黙だ。でもこういう流れの試合は得てして劣勢に立たされたチームが先取点をものにすることが多い。しかも1点獲ればそれが即決勝点にもなり得るのだ。観客の掌からジワリと汗が滲み出てくるようなゲームである。0-0なら勝利の女神はどちらに微笑んでもおかしくない。
 イニングは流れて9回。すごい場面が訪れた。無死から立浪の三塁打が飛び出し、ウッズと福留は敬遠。ノーアウト満塁の最大のチャンスに6番アレックスが100点満点の解答を提出した。サヨナラ満塁ホームラン! 開幕でこんな試合をするなんて。まさにこれがエイプリルフール?と思わず勘ぐってしまいそうな驚愕の結末だ。開幕、完封、サヨナラ、満塁ホームラン――こんなに見出しに相応しいキーワードが並ぶ試合など滅多にない。

 昨年の大逆転開幕勝利も劇的だったが、今年はさらに驚かされた。そんな試合を勝ち取った中日は悲願の日本一に向けてこれ以上ない幸先の良いスタートを切った。