先日、アビと出会った事をちょろっと書いた。その時の会話をちょっとご紹介。
アビは基本的に、誰からも好かれる。みんなから好かれている。会社の中では、トップランクのエグゼクティブなのに、ちっとも偉そうではなく、むしろ、誰ともフレンドリーでカジュアルに接する。服装も、あんまりジャケットを着るタイプではなく、ポロシャツだったり、パーカーだったり、で、デニムにスニーカーである。年はもちろん、おじさんなんだけれども。服装と雰囲気は「お兄さん」のままである。
基本誰からも好かれているのだけれど・・・。実際にアビと対峙した中間管理職ランクは、こう言う。
成長株くん:アビと話してると、何もかも見透かされてるみたいで怖い。
老眼の友くん: あー、僕もそれすっごく思う。話す一言一言を全部分析されて、見透かされてるみたい。
エキゾチックちゃん: それは、ある。めっちゃある。
同じくエグゼクティブレベルで、アビの部下に当たる人達は・・・。
セシル本部長:時々、アビが何を意図してるのか、わからない事があるわ。すごく難解。方向性がわからない事がある。
ニコール本部長: 確かに、何がしたいのかわからない事が多いわね・・・。
でも、これを私や、リンジー、マリア本部長など、アビの事を多分、本当に理解している人はこういう。
リンジー:あんまり、何も考えてないと思うけど。
私: 考えてへんな。考えるより先に、言葉が出てもーてる事もあるな。流石に、ここ2年ぐらいは自分のランクを理解し始めて、ちょっと考えてから、言葉選ぶようになったけど。もともとは、ペロッと言うたらいかん事、言うてしまうタイプや(笑)。
リンジー: そうそう。聞いてるのかと思ったら、聞いてない事多いし(笑)。
私: あるある!全然聞いてへんやんけ!今、私がしゃべっとる間、全然関係ない事考えてたやろ!みたいなのね!
リンジー:あるある!!!
私: アビが何を言ってるんだかわかんない時は、多分、自分でもよくわかってない時やな(笑)。
マリア: そうそう。多分、考えながら話してるか、思いついた事を口にしてるだけだから。
私: 方向性も定まってない時やな。そういう時は、こっちでいくつか考えて「こんなん、どう?」って提示すると、アビも考えてくれるねん。
マリア: そうね。
私: 結果、私の提示した案は全却下される事あるけども(笑)。
マリア: 爆笑。アルアル!
私: アレ、ひどいよね~。しかも、こっちが「えー!ひどい!」って言っても、「おかげで、解決策が浮かんだよ、ありがとう!」とかお礼言われるしね。
マリア: あるわね!!!!
つまり・・・根が、ADHD寄りの脳なんやと思う。そして、HSPもあり。そして、基本的に、アビを嫌う人はいない。そんな話題。
私: みんなアビの事、大好きやねんから。
アビ: みんな、そういうけどさ。そんな事ないよ。僕の亊を嫌いな人もいる。
私: いないと思うなぁ。
アビ: 例えばさ、アンジー知ってる?
私: うん。A部署のアンジーね。
アビ: 彼女は、僕の事を嫌いだと思う。
私: 何で、そう思うの?そういわれたの?
アビ: そういう態度なんだ。彼女は仕事が出来るからね、僕としては「仕事が丁寧だし、出来る」という高評価を査定で出してさ、「あとは、こういう部分をもっと改善すれば、さらに良い」ってフィードバックしたんだけど。
私: うん?
アビ: 「アビは、私の事を嫌ってるのね」って言うんだよ。
私: 高評価査定なのに?
アビ: そう。で、何故そう思うか聞いたら「私の事をディナーにも誘わないし」、「プライベートで連絡を取ろうともしない」って。
私: ・・・ほぅ・・・。
アビ: なんていうかな・・・。彼女を女性として扱わない・・・みたいな事だと思うんだけど。
私: あー、なるほどね・・・。うーん。私、アンジーと仕事した亊ないねんけど。スペシャリストな人?ジェネラリストではなく。
アビ: そうだね。A部署の分野で、ものすごく長けた人だね。
私: なるほどね。まぁ、実際に話した亊もないし、会った亊もないから、私の勝手な想像だけれども。多分、アンジーはアビの事を嫌ってるわけではないなー。
アビ: ええ?でも、毎回、ミーティングでごねたり、その後不貞腐れたみたいな態度を取ったり、無視したり。あーいえば、こーいうし・・・。まぁ、仕事は出来るからいいんだけど。
私: 多分ねぇ・・・それはねぇ、逆やわ。アビの事が、好きすぎるねん。ちょっと、もはや、仕事関係とプライベートの関係とが、ごっちゃになってわからんぐらいに。もともと、そういう、絶妙に曖昧な関係性とか苦手なタイプの人やと、私は想像するねんけど。で、アビに仕事の評価をこれだけもらってるのだから、私の事を個人的にも好いているはず!って思ってるんちゃう?
アビ: ・・・。
私: で、アビがそういうそぶりを見せないから、躍起になって、アビをコントロールしようとしたり。で、アビがそれでも、自分の思い通りにならないから、不貞腐れたり、キレたり。あーいえば、こーいうのは、多分、そういう性分やと思うけど。目の前の事にフォーカスしすぎて、そもそもの会話の意義みたいなのを見逃しちゃうタイプっていうかー。
アビ: ・・・。君、アンジーと仕事したの?
私: いや、してへんて。でも、やっぱりか(笑)。
アビ: なんで、わかるの?
私: 脳の傾向。こういうタイプの人って、脳がこういう風に働く傾向にある・・・という事を知ってると、そうやろなぁ・・・と想定がつくねん。
アビ: いつそんな事学んだの。
私: えー?・・・あー!ジョージーやわ!ジョージーの時に、めっちゃ学ぶ羽目になってん!!!!!
アビ: ・・・(気まずそう)。
私: なんやってん!あれ、マジ、なんやってん!アビ!(笑)
アビ: ・・・(下を向いて、グラスをくるくる)。
私: あれは、マジひどかった。
アビ: 彼女、まだあの部署にいるの?
私: いるよ!でも、チームは空中分解して、残ってるのは、昇進させてもらったライアンだけ。ジョージーは管理が出来ない仕事が多すぎて、カーネル部長やメガネ兄さん部長が受け取らざるを得ない仕事が多数できて、ジョージーがやらなあかん仕事はエキゾチックちゃんがやる羽目になり、チーム自体に仕事が減って、縮小したわ。
アビ: ・・・あー・・・そう。
私: マジ、なんやってん、あれ(笑)。今やから笑えるけど。私、あれ地獄やったで。あの人、アビとおじい本部長が面接したんやんな。二人とも、面接下手すぎるやろ(笑)。
アビ: ・・・そうかも・・・(苦笑)。
私: ポテンシャルに頼りすぎて採用すると、あんな事になるねんで。マジ、もうつらかったわぁ。
アビ: 君、今はいいの?
私: ウン。いいよ。
アビ: リズは、どっちかいうと、セシル本部長みたいなタイプだと思うけど。
私: せやな。深入りしたら、あかんタイプやから、線引きして、上手い亊距離感保てるようにしてる。
アビ: そうか。
私: アビと仲良い事も、リズにはひとっことも言うてへん。
アビ: その方がいい。彼女も、僕が彼女に時間を作らないと、ずっと文句を言うタイプだから。
私: まぁね。でも、アビ、リズには時間を割いた方がええと思うで。リズは、実際に時間を費やした分コミュニケーションが伝わるタイプやと思うで。話せんでも、通じとる・・・と思ったら、大間違いなタイプやで、多分。
アビ: ・・・そうだろうね。
私: 言わんでも通じるタイプは、この会社には少ないと思う。マイノリティーやと思うで。
アビ: 確かにね。
アビ: じゃあ、君は今の自分の仕事は好きなの?
私: うん、好き。でも、出来れば、アビのチーフオブスタッフに返り咲きたいけど。もっといろいろできるから。
アビ: 出来るだろうね、君なら。
私: そういえば、あのテレサ部長って、何やねん。なんで、雇ったん?テレサとSさん二人でアビのチーフオブスタッフって、なんで、そういう仕事が苦手な二人がやっとるん?
アビ: テレサと仕事した事あるの?
私: ちょっとやり取りしただけやけど、わかるよ。いろいろズレまくっとるやん・・・。
アビ: 彼女は・・・行くところがなかったから、僕の所で雇ったんだよ・・・。本当は、彼女はビジネス経理をしたかったんだけど。彼女にその才はないって断ったんだ。
私: 今の仕事にも、才はないで・・・。
アビ: わかってる。
私: チーフオブスタッフって、思ったより、いろいろむずい仕事やねんで・・・。
アビ: 知ってる。エグゼクティブと仕事が出来るから、かっこいいと思って応募する人が多いけど。あれは、諸刃の剣だよ。あそこで、エグゼクティブに嫌われたら、もうこの会社で未来はない。
私: そうやなぁ。おじい本部長の新しいチーフオブスタッフ、あんまりうまくやってないみたい。この間、めっちゃ怒られたらしいい。なんや、おじいに仕事頼まれてやったら、全然違う事しとったらしくて。おじいの部下会議で、めっちゃ怒られたらしい。ほんで、セシル本部長がその仕事を受け取る事をオファーしたんやって。
アビ: 誰?それ。
私: アビ、知らんと思う。パティさん。
アビ: ふーん。
私: おじい本部長の部下たちも、上手い亊行ってへんねんな・・・。
アビ: なんで、そう思うの?
私: そもそも、チーフオブスタッフは週1でおじいとミーティングしてるはずやねん。おじいが直接頼んだ仕事なら、週1で方向性が合ってるか確認できるはず。それをせんかった上で、おかしいもんをプレゼンしたから、おじいも怒ったんやろ。
アビ: ・・・。
私: そして、チームと上手い亊言ってるんやったら、セシル本部長は、彼女の仕事を取り上げるようなオファーはせんと思う。多分、その場で「パティ、私がサポートするから、一緒にやりましょう。あとでミーティングしよう」って、パティをサポートすると思う。でも、セシル本部長は、パティからそのプロジェクトを取り上げた。つまり、「あなたには無理」って、おじいの部下全員の前で言うたも同然やん?
アビ: ・・・。
私: 多分、チームの信頼を得てへんまま、仕事しようとしたんかな。格好いい所ばかり。
アビ: なるほどね。
私: おじいと時々、メッセージやり取りするけど。時々、「そっちはどう?」って聞かれる。「帰りたい~」って言ったら、返してくれるかも(笑)。
アビ: おじいとやり取りしてるの?
私: うん、してるで。あんまり仕事に関係ない事も。
アビ: マジで?おじい本部長、君の事、相当高く評価してるんだな。
私: え、そう言うたやん(笑)。
アビ: びっくりだよ、おじい本部長が君と、メールで仕事外の内容でやり取りを・・・。
私: そうやで。あっ。でも、アビほどではないで。内容もうっすいし。ステフや、ジェシカともやで。私、意外と、いろんな人の信頼を得てるねん。どう見ても、アビ派閥に見えるねんけど。
アビ: へー・・・。
私: 実際に、アビ派閥やで。でも、情報は多い方がええやろ?(にやり)
アビ: ・・・。
私: ゴシップちゃうで。情報やで。
アビ: わかってるよ(笑)。じゃなかったら、君に、ここまで話さないし(笑)。
私: ウン。
アビ: あ、聞いてみたかったんだ。あのエグゼクティブのポジションに僕が応募したかどうか、聞かれない?
私: 聞かれるで。
アビ: どう答えてるの?
私: 「え!あんなエグゼクティブ・ポジションが空くの、数年に1度やで?!あそこに手が届きそうな人、全員と、無謀な人も数人、応募してるに決まってるんちゃう?おじい本部長も、ステフも、ジェイムス本部長も、あの同列の人達、全員、あのポジションを狙ってると思わん?!その中で、アビが応募してなかったら、むしろがっかりやと思わん?!知らんけど!」って言うてる。
アビ: ・・・笑。全部、質問返ししてる。
私: 本人の中で勝手に自分なりの意見に行きつくように。で、私の意見は「知らんけど」(笑)。
アビ: ・・・君、本当に、チーフオブスタッフ向いてるね。
私: 知っとる(笑)。