母は強烈なファザコン、いや多分半分はASDの特性 | マイノリティのお話

マイノリティのお話

ずっと人前で自分を出せない、自分でいてはいけないのだと思ってました。カウンセリングを受けたら、育った環境に原因がある事がわかりました。

私以外全員ASDだった。

ASDについて勉強したら、今まで見えてなかった事が見え始めた、そんなブログです。

私以外家族の全員がASDです。

 

子供の頃から違和感を感じていました。ずっと自分がおかしいのだと思って、心療内科に通ったしてきました。最近になって、ある人のブログを見ているときに「これ、母だ!」と思ったのが、アスペルガー症候群でした。そして、ASD・発達障害に関する本や文献を読み漁りました。そして、ふと思い出したのです。親戚に、母をよく知る発達障害の専門家がいる事に。その親戚に連絡を取ったら、確定でした。私以外、家族全員ASD。その親戚と相談をし、実際に診断をし、本人達に告知する事に意味があるかを考えると、それは意味がない、という結論に至っています。つまり、無自覚のASD家族です。

 

ASDの母。ものっっっっっっっっすごいファザコンです。母の父(私の祖父)がもう、唯一の男性の指針であり、世の男性はすべて自分の父親のようであるべき、と思い込んでいます。

 

男性はある意味、みんなマザコン。女性はある意味、みんなファザコン。少なかれ多かれ、そういう事もあると思います。私も、結果父のような、あんまりしゃべらないタイプが好きです。妹にも調査(?聞いただけ)した所、「私も、よくしゃべる人苦手」との事でした。母は、ファザコンを拗らせています。すんごい拗らせ方です。

 

母の父(私の祖父)もASDだったようです。発達障害の専門家である親戚と初めて母のASDについて話をしたとき、家族の中にいると気が付かないのか「え?うそ・・・。違うと思う・・・。あっ。そうか!そうだ!」と最初は、まったく気が付いていなかったようです。そう気が付いてからは、出るわ出るわ、アスペルガー症候群エピソード。そして、「ああ、彼女のお父さんもアスペルガー症候群だ。盲点だった」。親戚自身にも気づきの瞬間だったのです。

 

母と(私の)祖父のASDの特性は、ほぼ一致していると思います。育ってきた環境や時代背景(戦前・戦中育ちと、戦後育ちでは大きな差があります)に違いがあるため、後天的な要素で性格は多少違っていますが、基本的には同じASDの特徴です。積極奇異・受動・尊大型の特性が多く出ているタイプのアスペルガー症候群です。それにそれぞれの、後天的な要素が加わり、ASD拗らせ型、と私が勝手に呼びたいタイプです。

 

  • 大きな声でよく話し、わかりやすく面白い事(子供受けするわかりやすい冗談やギャグなど)をいい、人が大好きで恋しくてしょうがなくて、周囲が困惑するほど、みんなの輪の中心に居たいタイプ。
  • 二人とも、リーダーシップを発揮するタイプ。母も祖父も、通常の人間レベルではないほどの記憶力で、勉強もべらぼうによくできて、ダメな事を指摘するのが得意な優等生・学級委員長タイプ運動も人並み外れてよくできる。
  • こう!と思い込んだら、融通は一切利かず。得意のリーダーシップでそれをごり押しするタイプ。周りがリーダーシップのキラキラ感にやられて、納得してしまう感じ。
  • 感情の起伏が激しく、まるでジェットコースターのようです。機嫌のよいときには、もう、それはそれは機嫌よく、みんなに優しく、気前よく、大盤振る舞いをし。機嫌の悪いときには、人を批判し、さげずみ、下に見て、毒を吐きまくります。表情にすごくよく表れます。
  • 自分目線の解釈が非常に強く、自分の周囲は自分の思った通りに動くはずという思い込みが強いため、そうじゃなかった場合には、過大解釈して、自分を嫌っていると思い込んだり、自分に復讐するためだと思い込んだりして、自分の思った通りに動かそうと躍起になるため、支配的・コントロールしたがっているように見える
  • 敵意のない批判や否定を、敏感に感じ取り、個人的に自分に攻撃を与えていると感じます。自己防衛機能・自己弁護機能が、すごく早く・大きく・深く作動します。
  • 過去のいやな出来事をものすごくよく覚えています。引きずります。もう、引きずった時のやさぐれ具合や落ち込み具合は、この世の底かと思うぐらいです。

 

私の母は、「男性とは、私の父親ようにあるべきだ。じゃないと、何かがおかしい!」と思い込んでいます。これは、発達障害の専門家である親戚も「全くその通りだ」と同意した部分です。この親戚でさえ「でも、あなたのお父さんとあなたの夫は別の人物だよ」と何度も言っているそうです。母は「それはそうだけど」というものの、最終的にはやっぱり「おかしい」という結論に戻るそうです。

 

私の父もASDです。母や祖父とは、全く正反対の孤独型の特性が強い、寡黙で、集団より一人を好む、話下手タイプ。時々、娘の私にも、それはそれは丁寧に会社の部下に諭すような感じで、私にアドバイスをくれようとします。父のルーティンを邪魔しない限り、尊大とは無縁の、みんなに丁寧に接するタイプのASD特性が多く出ています。

 

つまり、祖父と父は、正反対のタイプなのです。

 

ファザコン気質な上に、地上唯一の男性のロールモデルが自分の父親(私の祖父)のみの母。それと全く正反対の私の父。まぁ・・・結果は見えているわけです。母は、自分目線の「おかしい!夫とはこうあるべきはずなのに!子にとって父親とはこうあるべきはずなのに!」という絶対無二のこだわりを発動させているため、私の父は苦しんでいると思います。「お母さんは、支配しようとしたり、コントロールしようとしたりするんだよね」と私に漏らした事があります。まさに、そう感じるに違いないと思います。

 

そして、多くの人の憧れでリーダーシップ力を発揮し、地域のコミュニティーや、地域活動で多くの友人を作ってきた母ですが、心からの友達は一人もいなかったようです。子供の頃から、私は、母にとって、母の分身であり、期待を背負った長女であり、心を許せる友達であり、自分の教え子(母は教師でした)、あるいは姉妹のように、話題によって違う役割を担ってきたような感じです。

 

ですので、夫(私の父)への愚痴も覚えている限りは10歳になる前から聞かされてきました。それは、必ず、自分の父親(私の祖父)との比較で、「お父さん(私の父)、絶対何かおかしいよね」というものでした。まだ世の中が見えてない私は、「そうなんだ。お父さんっておかしいのか」とずいぶん長く刷り込まれていました。自分が母とは別の人間で、母と同じ考えでなくてもいいはずだ、と気が付くまで。

 

多分、それまでは、私はミニ母だったし、私の父も、私の事を苦手だったと思います。でも、ちゃんと自分の事を別の人間だと、母はちょっと特殊なんだと気が付いてからは、むしろ、私自身がややファザコンだな、と感じるぐらい、父が好きです。父との会話や仲も、そこから急激に回復しました。

 

私は祖父が大好きでした。祖父は孫に対してだと、積極奇異型の特性のよい所をいかんなく発揮するため、孫たちからは大好きな大好きな、おしゃべりで面白い祖父でした。多分、これは1年に数回、たまに会うからなんでしょう。

 

祖父は私の父を大変気にってました。時代背景もありますが、祖父は特に上下関係の厳しい職場にいたため、誰に対しても丁寧な言葉遣いで、思慮深く、他人行儀すぎるほどの誠意をもって接する私の父がお気に入りだったのです。逆に、家族として人間らしい、フランクなコミュニケーションをとろうとする親戚の事は好きではなかったのです(本人も周囲も言ってました)。

 

よく、ASD同士の相性、ASDと定型発達の相性、というのを見かけますが・・・。そんな単純なものじゃないんです。ASDの基本的な特性のみで出来上がった性格の人なんて、まずいません。大人の発達障害について言えば、その上に時代背景や、後天的に学んだ事、特に日本では相手に対する立場(上司部下同僚・家族・夫婦・兄弟姉妹・親戚・友達・先生生徒・・・など)も複雑に絡みます。大事なので、もう一度言う。ASD同士の相性・ASDと定型発達の相性、なんていう単純な枠では何かは語れない。もう、「お生まれは?」から話聞かないと、そんなのいえないレベルです。

 

もちろん、前に書いたように、私も苦手な同僚・上司・部下・母・妹・友人がいますが。絶対的に最初から相性が合わないかといったら、そうではない。所により、時により、そして、何かがずれ始めた後の生理的にもうだめになった時には、絶対的に相性が悪くなる、といった具合。特に私は、日本人の少ない環境で仕事をしているため、同僚や友人の育った環境・国の文化・宗教・教えなんかが複雑に絡み合っている事を、痛感しています。発達障害かどうか以前に「おう。この国の文化・教えが原因か」というズレが多くて、その度に自分の認識の修正をするのに大忙し。私には、発達障害っぽい特性は、逆に理解・対処しやすいです(例:ADHD特性強そうな人は優先順位つけるの苦手だな。パターン化して教えてみるか、とか。ASDの特性強めか、はっきり目に伝えてみようか、とか)。発達障害の特性は、私にとっては割と問題ではないのです。その上にかぶさる、もろもろの背景や後天的なものが、ややこしさを生む(母のASDの特性+乙女な性格=こじらせ女子、とか)、と私は考えています(あくまでも私の考えです)

 

あれ?母のファザコンについて書いたつもりが、相性の話になっちゃった。

 

とりあえず、さっき母に電話したら。

「もうさぁ、お父さんさぁ、全然友達もいないしさ!私なんて山桜会(65歳以上の地域コミュニティ)で、自分のリーダーシップを発揮してるおじいさんみると羨ましくなっちゃうよ。お父さんもああやって、みんなの前に立てるはずなのに!はぁ・・・なんでなんだろう。私のお父ちゃんはこんなじゃなかったのにな。もう、がっかり。あんたも、そう思うでしょう?」

 

でたーーーー。出ました!これです。これなんです!自分目線の理想以外は、すべて「こんな」だと断定してしまう母の拗らせファザコン。

 

私:うーん。お母さんにとっては、おじいちゃんが理想だもんね。でもさ、娘ってだいたいファザコンじゃん。お母さんにとってはおじいちゃんが理想だけど、私にとっては今のお父さんが割と理想よ

母;えーーー!うそーーー!ありえなーーーい!

私:多分、妹ちゃんもそうだと思うよ。娘はよっぽどの事がない限り、たいていファザコンと仮定するとね

母:はぁ。お母さん、もうがっかりなのよ。人生大がっかりよ。

 

だめですた。全然、聞く耳もたーずでした・・・。