アスペルガー症候群で調べると、５タイプに分かれるとよく書かれている。もちろん、人それぞれの特性や後天的な要因もあるから・・・と注釈はあるものの。私の家族を含めた周囲のASDさん達にこの５タイプの特徴をあてはめてみるも、いや、またがってるし、所により、時により・・・が多すぎる。
父：基本孤独型だけど、人に誘われると交われる受動型ではあるけれど、よく書かれている受動型の受け身と違って行動力・決断力ある
母：人が大好きでみんなの役に立ちたくて立ちたくてしょうがないし、しゃべりだすと止まる気配のない積極奇異型だけど、大きな事は人に決めてもらうのを待つ受動型、そして後天的にごね勝ちを学んだ尊大型
妹：人に物事を決めてもらうし、自分の事を分析したがらない受動型で、友達はたくさんいて、子供の頃から泣き喚いたりキレたもん勝ちを学んだ尊大型
そんな５タイプには分けられないよー！と私は思う。所により、時により。本当に、もともとのASD（脳のどの部分に発達障害があるか）にもよるのだろうけれど、それ以上に、育った環境因子やいろいろ学んだ結果の今があるような気がする。この５タイプは、多分、まだ子供の頃の環境因子があまり大きく影響していないときに、対策を立てるための指針になる５タイプ分けなのではないだろうか。
大人の発達障害で、ASDとわかったとして、５タイプに分けたところで、本人の性格や環境が大きく影響していて、とてもではないが５タイプにはわけられない。加えて言うなら、乙女型とか、サバサバ型とか、ネチネチ型とか、かまってちゃん型とか、察してちゃん型とか、そんな型を足して、積極奇異かまって察して乙女受動尊大型とかにしたい。
絶対、乙女要素がすんごく大きく影響していると思う。母と妹は、そりゃー乙女だからだ。乙女が多分、ASD因子よりも上に来ている気がするので、余計にややこしいのだ。母は「太ったよね。分厚いよ」とか平気で言うくせに「うん。お母さんも太ったよね。かなり分厚いよ」というと、ふてくされてそのあと半日口きいてもらえない。乙女すぎるASDさんなのだ。「お母さん、サバサバしてるから！」って言うくせに、半年以上引きずって私を無視し続けるぐらいのネチネチは持ち合わせているのだ。「私、サバサバ系だから」って言いたい乙女なASDさん。めっちゃ傷ついて、ずっと引きずっとるやないかい！どっこもサバサバちゃうわ！（笑）
なんなら、私は、定型発達こじらせアダルトチルドレンネチネチチマチマかまってほしくないけど時々人恋しい批判好きなあまのじゃくADHD要素がありすぎる型だ。いや、もっといろいろつけ足せる。
結論。私の親戚一同の中の半数を占めるASDさん達を見ても、大人になると５タイプになんか分けられない。みんな、生きづらさを何十年も体験して、コミュニケーションが取れなくて傷ついて、怒って、疲れて、二次障害併発して、そしてまた立ち上がって、また傷ついて・・・を繰り返しているのだ。私なんかが想像つかないほど。だから、５タイプなんかではなく、１００人いたら１００通りのASDさんがいて。特性もうまい回避方法見つけてたり、見つけられなくて拗らせたり、それはそれはみーんな違うのだ。
ASD発現の８０％の要因が遺伝である（ASDの8割が遺伝するという意味ではない）とする文献をいくつか読んだ。その場合、もちろん、似たタイプのASDが発現する可能性もあると思う。実際に、我が家の家系図をたどっていくと「はっはーん・・・ここからか」と、察しがつくレベルでベースが似ている。
例えば、私の母は、母の父親（私のおじい）にすごく特性がよく似ているし、似ているが故に母もおじいが大好きでしょうがないのですが。「ファザコン」の一言で終わらせようと思えばできる。母と妹もベースは似ているような気もするが、育った時代も環境も全然違うので、妹はもっと複雑で繊細で、かつ世の中をうまく渡れている事も多い。
なので！5タイプに分けて、受動型だからこう！孤立型だからこう！とは私は、あんまり言いたくない。確かに、世間に知れ渡っている5タイプなので、ASDを知らない人に説明するにはわかりやすいけれど。もとはそういうタイプかもね・・・ぐらいにしておきたい。
一通りいろんな本を読んで、ASDをある程度理解した（つもり）私には、大人の発達障害のアスペルガー症候群5タイプは動物占いレベルのタイプ分けです。そして、さらにそれを『アスペ』と、まとめて同じと思うのは絶対にやめる事を強く推奨したい。
あくまでも、個人の意見です。