からっぽ。

彼女への思いが砕けた今、心の中には何も残っていない。

何も手につかず、無気力に過ごす日々が続く。

はずだった。


僕の手がないと歩けない子がいる。

意味もなく「ひぐ」と僕の名前を呼んでくれる。

「膝の上に座らせて」と頬をすりよせ甘えてくれる。

僕のために怒ってくれる。

憎まれ口を叩きながらも、いつも僕を必要としてくれる。


こんなバカな僕を「好き」だと思ってくれる子がいるんだ。

こうなることをずっと望んでた。

『孤独』なんて手のかかる感傷に目を向けてる暇はない。


空っぽのはずの心を

子ども達がはち切れそうなほどに埋めてくれる。

弱くなった心にはそれさえも痛い。


悲しいのかうれしいのかわからないけど、

不意に大声を上げて泣き出したくなる。


僕は不幸なほどに幸福すぎる。