痛い。
痛い、痛い、痛い、痛い、痛い、痛い、痛い、痛い、痛い。

彼女に拒絶された。
どうすればいいのかわからない。
全部終わった。
もう二度と戻らない。

気持ちを伝える。なんて意気込んでた自分が阿呆みたいだ。
もしかすると。なんて考えを一瞬以上持ってた俺は何も見えていなかった。

からっぽ。

胸を掻きむしるような後悔があるわけじゃない。
溢れ出る涙もなければ、
恨むなんて問題外だ。

ただ、からっぽ。
胸の真ん中に大きな無気力がドンと居座っている。
全部どうだっていい。
自暴自棄じゃないけど、
笑わなければいけないのは分かってるけど、
身体が重くて動かない。

この痛みさえ、
いつか乗り越えられるんだろうか?
村上さんを想って、この痛みを感じることが無くなるんだろうか?
だとすれば、俺は、それが怖い。

自分が嫌になる。
こんな日でさえ、気が付けば彼女の事を考えてる。
笑っていればいいな、なんて。

彼女の隣に他人が見えたとき、

もうそこを望んではいけないんだと思った。

唐突に別れが決まったとき、

心が張り裂ける音がした。


どちらもただの杞憂に終わるが、

それは、ただ運がよかっただけ。


僕は薄氷の上に立っている。

今にも砕けそうな薄い氷の下で僕を待つのは

底なしに暗く冷たい絶望。


俺がどれだけ強く永遠を望もうとも、

彼女が「おしまい」とつげれば

抗う術もなく、この関係は終わる。


だって、俺は何もしていないから。


明日も彼女の隣が空いていることを願うだけ。

明日も彼女の気まぐれが続くことを望むだけ。

せめて、嫌わないでほしいと想うだけ。


自分自身は何一つその対価を払わず、

根拠のない幸せだけを明日に求める。

彼女に会えなくなる恐怖に目を背け、

ただ、明日も今日と変わらないことを祈っていただけ。


だけど。

だから。

もう嫌だ。

決めた。


俺はもうそんな自分の弱さを許さない。

決めた。

この気持ち、彼女に伝える。


たとえ、それで全てが終わるとしても、

「いつの間にか終わっていた」なんて、

嫌だ。


俺は、村上さんが、好きだ。

全ての想いに答えたい。
そう思った。

もう一年。
ここが自分の居場所になってからもう一年がたつ。
退屈や平凡とはほど遠い一年だった。
自分の非力もいやと言うほど思い知った。
子供たちに救われたこともあった。
だからこそ、俺はここで何をしてたんだろう。と思う。

「失敗した」とは言わないし、言えない。
だけど、振り返ると取りこぼしたものも
あったのかもしれないと考える。

大切なものだったはずなのに、
目の前の慌ただしさに気をとられて
いつの間にか指の隙間からこぼれ落ちていた。

貰ったものはたくさんある。
でも、俺は何を返せたんだろう?
向けられた想い全てに答えられたんだろうか?
知らないうちに傷つけていたものはなかったのだろうか?
つけたことさえ知らない傷がどこかに残ってるんじゃないか?

一つも落としたくない。
全てが終わった後で「知らなかった」なんて
無責任な言葉を吐くのだけは嫌だ。


「学童に感謝している」と言ってくださった
父母の涙を見てそう思った。
じゃんけんで勝ち取った自分のおやつを
「半分こにしよ」と分けてくれた
一年生の男の子の言葉にそう思った。

過去には戻れない。
でも、まだ何も終わっていない。
ここで終わりになんかしない。

だから、今、覚悟を決める。