9月の読書メーター
読んだ本の数:13
読んだページ数:2720
ナイス数:216

父と私の桜尾通り商店街父と私の桜尾通り商店街感想
久々の今村さん。新作ではなく芥川賞受賞作(むらさきのスカートの女)の直前の2019年出版の作品。第4作?不穏なムード、不条理感は変わらずだが前作までに比べてちょっと毒気は抜けているか?怖いんだけど「せとのママの誕生日」で笑ってしまった。
読了日:09月02日 著者:今村 夏子


下町サイキック下町サイキック感想
あんまり普段自分は読まないばななさん。(TUGUMI、キッチンは読みました)本作は何気に手に取って結構いいなぁと思っていたのですが、あとがき読んでちょっとがっかり。10年後にわかるお話ですか。(そういうわけでもないか?)キャンディ・キャンディは原作でもアニメでも最後まで見たのでわかるのですが(要するにあしながおじさんですよね)ハチクロってそういうお話なんですか?三月のライオンは読んでるんですけど。(なんだこの感想?)
読了日:09月05日 著者:吉本 ばなな


さまよえる神剣さまよえる神剣感想
玉岡さん作品は2作目。序盤語り手が替わりつつ語られる話が少々冗長。ところが中盤にかかり実は安徳帝が草薙の剣をもって落ちのばれたのではないかとの話が出てきてから流れは一転。主人公有綱、刀鍛冶伊織、神がかりの少女奈岐のトリオで事の真偽を探り剣を求めるロードノベルへと変貌して読ませてくれました。結局、終盤また語り手は巡り巡って最初の方に戻ってお話は結末へ、という構成でした。面白かったですが、結構読み終えるの苦労しました。
読了日:09月12日 著者:玉岡 かおる


こびとづかん (cub label)こびとづかん (cub label)感想
幼稚園で大流行?Tシャツがなかなかないらしい。いろんな派生本があるらしいが当市の図書館にはこれしかなかった。(後で検索し直すともう数点ありました。)2006年初版なのだが、正直全く知らない作品だった。何度かブームになっているとの事。
読了日:09月13日 著者:なばた としたか

 


マリスアングルマリスアングル感想
久々の誉田さんは、なんと姫川玲子シリーズの新作!なつかしい十一係の面子に、前から言ってた「ドルチェ」の魚住さんも加わって、錚々たるメンバーで事件に挑む。一時のえげつないグロさは影をひそめ(まあ、多少はあるけど)意外と明るい展開、一人称の地の文の独白が面白く痛快。事件のテーマ自体は重い話だけど、業界のお偉い方たちのモデルが想像しやすく世界観がイメージ出来た。
読了日:09月15日 著者:誉田哲也


木挽町のあだ討ち木挽町のあだ討ち感想
作者初読み。第169回直木賞受賞作。(垣根涼介『極楽征夷大将軍』と同時受賞。) 図書館予約で待った待った。しかし筋立て、構成。これは何かあるなと匂わせながらもグイグイと引っ張って行ってくれる筆力。待った甲斐はありました。直木賞にふさわしい力作です。
読了日:09月19日 著者:永井 紗耶子


とんこつQ&AとんこつQ&A感想
2022年7月に刊行されているが、おそらく今村さんの現時点(2024年9月)最新作。不穏は不穏だが初期作に比べ大分毒気は抜けている。表題作「とんこつQ&A」などけっこう前向きの話と受け止めれなくもない。(おかしいか?「コンビニ人間」みたいだなとも思ったけど。)3作目「良夫婦」もタイトルそのままやんか、ほんとにいい夫婦関係。なんていい旦那さんだろう。(やっぱりこの感想おかしい?)タムのその後と本当の生活がどうだったか言及がないのがちょっと物足りないが。「嘘の道」が一番今村さんらしく感じました。
読了日:09月21日 著者:今村 夏子


みかんファミリーみかんファミリー感想
椰月美智子さんの2024年8月発行のジュブナイル。結構新刊である。最初はとんでもないお母さんだなと思ったが、読み進めるともっともな話であった。悲しい出来事も起こるけど心洗われる作品でした。
読了日:09月23日 著者:椰月 美智子

 


僕の帽子のお話僕の帽子のお話感想
話せば長い事ながら、この作品を青空文庫で検索したきっかけは、NINTENDO DS(昔の携帯ゲーム機です。)の「脳を鍛える大人のDSトレーニング(川島隆太教授監修)」というゲームの中の「名作音読」というトレーニングにいろんなそれこそ有名作から聞いた事もない様な古典とかが冒頭部分でてきてどれくらいの時間でそれを音読できるかというトレーニングなのだが、意外と興味深い作品がありその中の一作が本作であった。有島の童話の著作では「一房の葡萄」は読んだ事があるがこの掌編も興味深かった。
読了日:09月24日 著者:有島 武郎


踏切の幽霊踏切の幽霊感想
第169回直木賞候補作。(受賞は垣根涼介『極楽征夷大将軍』永井紗耶子『木挽町のあだ討ち』の同時受賞。)高野さんは「ジェノサイド」以来だった。(「ジェノサイド」を2011年に読んだ時の感想に「他の 作品も読んでみたい。」と書いているのだがそれが13年後になろうとは。)しかし面白かった。私は素直にホラー(もしくはホラーミステリー)と受け止め終盤は一気読みだった。作品としてのアラも確かにあるが三号踏切の情景と霊媒の女性のコメントには泣かされた。直木賞の選評で三浦しをんさんだけ推しているのも面白い。
読了日:09月26日 著者:高野 和明


雷と走る雷と走る感想
相変わらず千早さんは素晴らしい。それにしてもよくこんな話考えついたなあと思っていたら、実際アフリカで幼少期を過ごされていたんだ。お話自体けっこう怖くて(実は私は犬嫌いなのです。)その中でも白眉はご近所への一件。ローデシアン・リッジバックってドーベルマンより強いの?この一連のエピソードはきつかった。実際に強盗が入った時よりも。結末の首輪と指輪の皮肉(?)がまた効いてます。
読了日:09月27日 著者:千早 茜


新種発見!こびと大研究新種発見!こびと大研究感想
娘と孫の大のお気に入りと聞いて、大もと(?)の「こびとづかん」(2006年)を読んだ。その時はキモカワなキャラクターは出て来るけど、それでも普通の絵本だなーと思ったのだが、本作を読んで正直はまってしまった。この疑似フィルードワークは凄い。いろんな派生作品がある様で出来れば順番に当ってみたいのだが、正直タイトルが似ていて分かりにくい。出版社も変わったのか?とにかく図書館で読める物には当ろう。
読了日:09月28日 著者:なばた としたか


きこりとテーブルきこりとテーブル感想
原典はこちらの2011年のこどものとも年中向き12月号なのだろうが私が図書館で借りたのは2022年4月1日第1刷(特製版)でちゃんと製本された絵本だった。ところがこの本ISBNが無いのだ。で、検索しても出てこないのでこちらに記録させていただく。再話の八百板洋子さん、おそらくはじめてだが高名な翻訳家、児童文学研究家なのか。またお話もいいが吉實 恵さんの絵がいい。特に表紙の絵がなんともいい。お二人の他の作品にまた当たってみたい。
読了日:09月30日 著者:八百板洋子再話 /吉實恵絵