里山辺のお船祭り
5月4日から5日にかけて、松本市里山辺の須々岐水神社のお船祭りが行われました。古代、大陸から渡って来た「高麗」氏がこの里山辺の地に土着しその山家氏の子孫たちがこの地を守ってきた歴史の背景の中で、続けられている祭りです。古代大陸から船で渡って来た古の祖先にちなみ、この内陸の地でお船を作り町内を曳きまわす里人たちの心意気です。
歴史的には、祭神の薄宮大明神の他、江戸時代に山家氏に諏訪大社から人が入り、祭神も諏訪大社系の建御名方命、素戔男尊を祭るようになり、諏訪大社と同じ梶の葉の神紋を用い、御柱祭も行われています。
お船は、9町で9台のお船が登場しますが、
①薄町(江戸末期、立川和四郎富重・立川専四郎富種とその娘の松代(湘蘭)の作
②湯之原(安政2~4年、立川和四郎富重、立川専四郎富種(琢斎)の作)
➂荒井(江戸後期、作者不明)
④下金井(安政四年(1857年)、立川富種の弟子・原田蒼渓の作)
⑤荒町(明治初期、立川富種の弟子・清水東渓(立川東渓) 東渓の子・清水湧水(大正15年)の作)
⑥西荒町(大正11年、清水湧水作)
⑦上金井(天保六年(1835年)前、立川東渓(明治中期)が補作)
⑧藤井(江戸末期、立川富保作)
⑨兎川寺(天保頃?、立川流?、立川東渓の次男・清水島太郎(昭和三年)の補作)
今年は、荒町のお船が2年間かけて修理をしていたものが完成し,ピカピカの状態で登場しました。