松本城下七夕人形 | 安曇野の四季 宮下 鉃 写真ブログ

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信州安曇野の風景写真を中心に信州の櫻・信州の祭りなどを撮影しているカメラマンです。
四季を通じ安曇野の空気感をお届けできればと思っています。
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松本城下七夕人形

 

 今日、甲信越地方にも、梅雨明け宣言がでた。この季節、松本城下の一部の地区だけに伝わる七夕人形がある。紙製のものもよくみかけるけれど、やはり板状の七夕人形に浴衣を着せ掛けたものの方が情緒があってよいと思う。古き良き伝統というか城下町に伝わる伝統行事である。

 

 

≪七夕人形の系譜≫
  七夕に人形を飾るという習俗は、現在では非常に珍しく、松本地方のほかには兵庫県姫路市の沿海地域でおこわれていることが知られているにすぎません。松本の七夕人形は大きく四つに分類されていますが、これは二つの系譜に分けて整理することができます。具体的には着物掛け形式と、それ以外の人がた形式、流しびな形式、紙びな形式という分け方です。前者は七夕行事のうち、中国から伝わった乞巧奠(きこうでん)に属するもので、後者は盆行事のはじめの祓(はらえ)の習俗に属するものと考えられます。
  七夕に着物を飾る習俗は、昭和30年代には東日本を中心にほぼ全国的に分布していました。着物掛け形式の七夕人形は、現在も京都の冷泉家に伝わる平安貴族の七夕行事にその起源を求めることができます。いっぽう、盆に祖先の霊を迎えるという習俗は現在でも広く全国的におこなわれています。祖先を迎えるにあたり身を清める禊(みそぎ)は、京都の上加茂神社の夏越(なごし)神事があげられます。小さな人がたに氏子の名前を記し、川に流す行事が現在もおこなわれており、流しびな形式の七夕人形は、まさにこの人がたそのものです。また、毎年紙を切って作った人がたを貼り重ねていく、人がた形式の七夕人形も同様な意味をもつと考えられます。 (松本市文化財HPから引用しました)