草津国際音楽祭に出かけた際、ホールの前庭で、音楽祭の開幕を告げるアルプスホルンの合奏がありました。穏やかな響きで、あたりに溶け込んでいました。クラシックの楽器が用いられた穏やかな演奏を。
DOUG WATKINS (ダグ・ワトキンス)
SOULNIK (NEW JAZZ 1960年録音)
ダグ・ワトキンス(b, 1934~1962年)は、地元のデトロイトで活動後、1954年にニューヨークに出、ホレス・シルヴァー、ソニー・ロリンズ、ハンク・モブレーなどと共演し活躍していましたが、1962年、27歳で交通事故で亡くなりました。ロリンズの「Saxophone Colossus」のベーシストとして知られています。
ダグ・ワトキンスのリーダー作はわずか2枚しかなく、本作は2枚目です。メンバーは、ダグ・ワトキンス(cello)、ユーゼフ・ラティーフ(fl. obe)、ヒュー・ローソン(p)、ハーマン・ライト(b)、レックス・ハンフリーズ(ds)。ワトキンスは、チェロを弾いています。
(英文表記)Doug Watkins(Cello)、 Yusef Lateef(fl, oboe)、Hugh Lawson(p)、Herman Wright(b)、Lex Humphries(ds)。
曲目は次のとおり。
1 One Guy (Yusef Lateef)
2 Confessin' (Don Daugherty, Al J. Neiburg, Ellis Reynolds)
3 Soulnik (Yusef Lateef)
4 Andre's Bag (Doug Watkins)
5 I Remember You (Johnny Mercer, Victor Schertzinger)
6 Imagination (Johnny Burke, James Van Heusen)
参加メンバーのユーゼフ・ラティーフ作が2曲、ダグ・ワトキンス作が1曲。あとの3曲は、スタンダードでよく知られた曲です。
ダグ・ワトキンスは、ベース奏者としてセッションに引っ張りだこでしたが、ここでは、チェロに専念しています。チェロによるソロでは旋律がくっきりと浮き出ていて、多分、こういう演奏をしたかったのでしょう。ユーゼフ・ラティーフのフルートとオーボエもあって、室内楽的な趣もあります。ラティーフがオーボエを吹く「Soulnik」は、全体にブルージーで、ワトキンス(Cello)やローソン(p)のプレイも黒っぽい。ジプシー風の曲調の「Andre's Bag」、フルートによるテーマが美しい「Imagination」などと、かなり楽しい。
(参考)本作から「Soullnik」が聴けます。
(安曇野市宅で聴いているところ)
飾ってあるレコードは、右からダグ・ワトキンス「Watkins at Large」(Transition 国内盤)、本作「Soulnik」(New Jazz 国内盤)、ポール・チェンバース「Bass On Top」(Blue Note 東芝盤)。ポール・チェンバースは、ワトキンスの義理の従兄弟です。
【草津音楽の森国際コンサートホール】
住所:群馬県吾妻郡草津町大字草津字白根国有林音楽の森内
ホームページ:音楽祭会場へのアクセス | 草津夏期国際音楽アカデミー&フェスティヴァル (kusa2.jp)
今回のフェスティヴァルの看板がありました。
駐車場から向かう際に「草津音楽の森国際コンサートホール」を撮影。緑に囲まれたホールです。
アルプスホルンの演奏。少し横から撮影しています。
ホールの入口あたりから撮影。穏やかでのんびりとした感じが、景色に相応しかった。
ホール内。演奏開始前の様子です。
西村朗さん作曲の「オルガンのための幻想曲(2017)」に使用されたリードオルガン。