今月(2024年7月)号のジャズ批評誌は、「銀幕の歌姫」を特集。海外・日本で活躍した総勢65人の歌うヒロインを一挙紹介という内容です。ヴォーカルのアルバムが数多く紹介されていて、楽しめました。
演技ができて、歌も歌えるという人は、豊かな才能があるごく限られた人だと改めて思いました。紹介されている中から何人か取り上げていきますが、まず、アナ・マリア・アルパゲッティを。
ジャズ批評2024年7月号表紙
アナ(アンナ)・マリア・アルパゲッティの紹介ページ。
ANNA MARIA ALBERGHETTI (アナ・マリア・アルバゲッティ)
I CAN'T RESIST YOU (CAPITOL 1957年録音)
アナ・マリア・アルバゲッティ(女優、歌手 1936年生)は、イタリアのペーザロ生まれ。ブロードウェイでスターとなり、1962年に『カーニバル!』でトニー賞主演女優賞(ミュージカル)を受賞。映画では、『底抜けシンデレラ野郎』が知られていると思います。
このアルバムの伴奏は、ヴァン・アレキサンダー楽団が担当。編曲が良くできていて、弦を入れてしっとりなところもあり、ややクラシカルなアルバゲッティの歌をポピュラー寄りにしています。
曲目は。次のとおり。
1 I'm Glad There Is You (Jimmy Dorsey, Paul Merz)
2 They Didn't Believe Me (Jerome Kern, Hebert Reynolds)
3 Tenderly (Walter Gross, Jack Lawrence)
4 I Only Have Eyes for You (Al Dubin, Harry Warren)
5 My One and Only Love (Rovert Mellin, Guy Wood)
6 I Can't Resist You (Will Donaldson, Ned Wever)
7 I've Got a Crush on You (Geroge Gershwin, Ira Gershwin)
8 I Concentrate on You (Cole Porter)
9 Don't Blame Me (Dorothy Fields, Jimmy McHugh)
10 With Every Breath I Take (Ralph Rainger, Leo Robin)
11 Too Young (Sylvia Dee, Sidney Lippman)
12 I'll See You in My Dreams (Isham Jones, Gus Kahn)
よく知られたスタンダード曲特集です。最後が「I'll See You in My Dreams」で、後をひくように聴き終わりました。
父親がオペラ歌手、母親がピアニストで、アナ・マリアは才能に恵まれて12歳でヨーロッパ各地で歌い、14歳ではカーネギーホールでデューしています。歌の方は、基本的にクラシカルのソプラノで、ミュージカルで活躍しています。リーダー作は、4枚と思われ、他に、ミュージカル「CARNIVAL」のオリジナル・キャスト盤があります。音源は全部持っていますが、ヴォーカルファン向けの一番は、この「I Can't Resist You」です。気品のある歌声に、ストリングスが絡んで夢の世界に連れて行ってくれます。「I Only Have Eyes for You」をはじめどれも良し。
当時のキャピトルのアルバムは、ジャケットの裏面にもイラストが描かれていて、豪華です。
(参考)本作から「I Only Have Eyes For You」が聴けます。
I Only Have Eyes For You - Anna Maria Alberghetti - YouTube
(出演映画から)
(安曇野市宅で聴いているところ)
飾ってあるレコードは、アナ・マリア・アルバゲッティのアルバムで、右から「Love Makes The World Go Round」(MGM オリジナル盤)、本作「I Can't Resist You」(Cpitol 東芝盤)、「Warm and Willing」(Capitol オリジナル盤)、「Songs by Anna Maria Alberghetti」(Mercury オリジナル盤)。