札幌旅行中の12月8日に、TOHOシネマズで、映画「HARGROVE」を観ました。まだ長野県内では上映がないものなので、よい機会でした。

 

   

パンフレットの表紙

 

(あらすじ)

2018年に49歳で急逝したジャズ・トランペッター、ロイ・ハーグローヴの人生最期の夏に密着したドキュメンタリー。1969年にテキサス州で生まれたロイ・ハーグローヴは、10代でプロデビューし、ジャズの伝統を受け継いだ演奏で瞬く間にシーンの寵児となり、その後、ジャズの伝統を守りつつ、R&Bやヒップホップにも影響を与えた。

華やかなキャリアの裏で病と隣り合わせの生涯を送った彼の、人生最期となった2018年夏のヨーロッパツアーに密着。ステージで命を燃やすようにトランペットを演奏する姿を映し出すとともに、ロイ本人や彼の音楽仲間たちによる証言を収録。

 

(監督、主な出演者など)

監督:エリアン・アンリ

出演:ロイ・ハーグローヴ、エリカ・バドゥ、ハービー・ハンコック、クエストラヴ、ソニー・ロリンズ、ウィントン・マルサリス、ヤシーン・ベイ。
ロイ・ハーグローヴ・クインテット:アミーン・サリーム、ジャスティン・ロビンソン、エヴァン・シャーマン、海野雅威

 

(感想など)

素晴らしい映画で感動しました。それは、主人公であるロイ・ハーグローヴ本人のインタビューや密着した映像により、彼の音楽、生活、仕事、趣味(ファッションなど)が赤裸々に描かれているからです。監督のエリアン・アンリが、ロイと親密な仲だったので、撮れたものに違いありません。

 

最も感激したのは、ロイが若手に教えて、スタンダード・ナンバーの演奏については、歌詞を知ることが大切だと語っている場面です。海野雅威さんも『ロイは歌詞を知らない曲は、いくらコードやメロディを知っていても演奏することはありませんでした」とパンフレット中で述べています。ロイの演奏するスタンダード曲をたくさん聴きたくなりました。

 

残念だったのは、ロイのマネージャーや関連団体からの横やりが入ったようで、ヨーロッパツアーのライブを全て撮影禁止にするなど、グループでの演奏場面がほとんどなかったことです。映画にも登場していますが、マネージャーは悪辣の方のように見受けました。

 

(参考)映画『ロイ・ハーグローヴ 人生最期の音楽の旅』予告編:11/17(金)公開 (youtube.com)

 

(パンフレットから)

   

窓際に座って吹いている場面。最後に流れたのは、「Say It」でした。

   

ロイ・ハーグローヴ・グループのレギュラー・ピアニストだった海野雅威さんが、パンフレット内でインタビューを受けていて、その中で、『(ロイのバンドは)リハーサルも譜面もセットリストも一切ないバンド』と述べています。初めて僕は知りましたが、これはすごい。本当に有能な人しかついていけないですね。

紹介されているロイ・ハーグローヴのアルバム。

こちらも紹介されているロイ・ハーグローヴのアルバム。「ディレクションズ・イン・ミュージック」と「エマ―ジェンス」は持っています。スタンダード曲が入っているものを探して聴いてみたいと思います。