正しい選択 or 喜ばれる選択。
この二つは、似ているようで
大きく違うんだと思います。

先日は横浜市会の常任委員会、
私が所属する健康福祉・医療委員会の
会議が開かれ意見を述べました。

まず、がんサバイバーの立場から
がんサバイバーの方々の就労支援を
もっと行うべきということ。

いまやがん生存率はがんの種類により
異なるものの、8、9割にもなります。

治療しながらでも仕事を続けられる
環境作りや、中小企業の理解促進が
必要ではないか? と質問しました。

また、中学生までの医療費完全無償化を
求める請願に対しては
自民党会派としては不採択であり
私としても、子どもと医療に関する
いくつかの意見を述べました。

横浜市では、これまで乳幼児〜小学低学年の
医療費無償化を進めてきて
その後小学高学年、中学生の
医療費については窓口負担¥500のみ
入院費用や薬代は市が全額助成する
ことになっています。

今回の請願は、この窓口負担もなくして
通院も全額無償化にしようというものです。


(右列 手前から3番目が東です)

もちろん、みんな無償化OK👌
と軽く同意できれば有権者には
喜ばれるかもしれません。
しかし、議員の私たちは
選挙でいい顔するためではなく
持続可能な未来のために、
必要なことを冷静に考え、選択する
義務を負うているのです。

中学生までの医療費完全無償化のためには
年間予算42億円が、追加で必要となります。
限られた財源を使うためには
優先順位を考えた施策が重要です。

過去のさまざまなデータ分析、学術論文からは
子どもの医療費無償化と健康維持には
乳幼児の場合を除き、
相関性がないことが示されています。

また無償化によって医療費が急増し
いわゆるコンビニ診療といわれる
安易な受診や、なんでもCT検査、
不必要な検査を要求する保護者が増えた
ことなども報告されています。
小児科医の過重労働や、人材不足も課題です。
必要な人に、必要な医療を提供できなく
なってしまったら本末転倒です。

もともと住民税非課税世帯には
無償化の補助があり
経済的理由から受診できないということは
ないように配慮されており、
その上でのワンコイン負担は
有意義な制度であると思います。

そして子どもたちの健康のために
必要な、予防策に重点を置いて
これからの未来に備えることも大切です。

しかし正直なところ
多くの署名とともに出された請願に
NOの答弁をするというのは、
一人ひとりの気持ちを思うと
胸が詰まる想いがしました。

この、胸の痛み。

私は市民に選ばれた一人として
正しく、続けていきたい。
けれどもこの痛みを
忘れてはいけないと思うのです。

政治家として、この感覚を忘れずに
未来を切り拓く覚悟でいようと思います。