去る人間がどの面を下げて行くんだ、という部分もありましたので、自粛致しましたが、当事者としてはとてもつまらなかった卒業式が、視点が変わるとここまで尊い機会と感じるのだな、と感慨に耽っています。
子ども達の成長は早い。
大人の価値観なんてゆうに飛び越えて、新しい時代を切り開いて行く。
音楽も、何十年も前から、『もう新しいものは生まれない』と叫ばれ、実際、新曲といってリリースされるものの中には、似たり寄ったりな歌詞や曲調が溢れているのも事実ですが、突如として、新しい音楽が生まれたりします。
これはもっと前からそうだったんだと思います。
いつの時代も、成長してきた人類は、無限の可能性を信じつつ、されど、そのアイデアは簡単には生まれず、良いとされるものの模倣をして引き延ばしてきた人がほとんどだと思います。
その中で、奇跡のようなオリジナリティーを生み出す先駆者が偶然なのか必然なのか突然現れて、それが時代に受け入れられると、途端に世界は新しい軸を持つようになる。
カテゴライズが増えた人類は、開かれたその道をさらに深めていこう、という人達によって、欲と利権をはらみながら成熟していく。
そういう大きなものの流れを掴む主人公でありたい、と人は思いつつ、でもそれは何億分の1の可能性であり、多くの人が、『自分は何者でもなく、世界の主人公ではない。』という現実に気付き、絶望する。
でも、それに抗う力が存在する。
若さ。
このエネルギーは、完全に未知数で、どんな可能性をも秘めている。
今ならまだ何にだってなれる。
子ども達の世界はまだまだ狭く、大海を知らない。
でも、知らないからこそ、自分の果てなき可能性を信じ、進むことも出来る。
そんな世代の子ども達と寄り添い、13年という人生の多くを、この仕事に尽くせたことは、本当に有難いことだと思う。
卒業おめでとう