母が亡くなる前後に
書けなかった事が、

今になると
後から後から
どんどん書くことが
出て来るのは、

あの頃は実は
自分がいっぱいいっぱいで、

全部のものごとや感情を
受け止めきれなかったから
なのでしょうね。


上の妹夫婦は
葬儀が終わるとサッサと
精進落としには出ずに
帰って行きました。


私の家族と下の妹家族は
葬儀の準備の為に
開始2時間前に
母の実家のお寺に行きました。


上の妹の夫は
葬儀前日の打ち合わせにも
葬儀当日の準備にも
来てくれて、
一緒に動いてくれました。


上の妹は
どちらも来ずに、

一般の参列者が来る時間に
サッとやって来ると、

みんなとの挨拶もそこそこに
夫と2人して
控室の隅に座って、

葬儀の開始時間になって
家族が葬儀屋さんから
呼ばれるまで、

石のように黙って
固まっていました。


私と妹は
参列者にご挨拶したり
お茶を出したり
話しかけられたりと
忙しかったので、

2人には声をかけずに
動き回っていました。


久しぶりに集まった
いとこ達は、

異様な雰囲気を感じ取って
2人を遠巻きに見て
様子をうかがっていました。


前日の打ち合わせで
上の妹の夫が、

「御香典のお返しを受け取る事を
固辞する方が
もしいらっしゃったら、

芳名帳にその事を
メモしておいて下されば
お返しは無理して
渡さなくてもいいですから。」と
葬儀屋さんに
声をかけていました。


その時は私は
「ほう。この人、
意外と行き届いてるなキョロキョロ」と
思いながら、
やり取りを黙って
聞いていました。


葬儀と精進落としが
すべて終わってから、

予想よりかなり余ってしまった
御香典返しを見た後、

私達が芳名帳を見ると
姪っ子2人と
上の妹の夫の親戚が
御香典返しを
辞退していた事が
わかりましたびっくり


だからあの時
上の妹の夫は
あんな風に言っていたのか…と
思いました。


上の妹達の
意図はよくわかりませんが、

上の妹の夫の親戚からの
御香典は
一般参列者と同じような
金額だったので、

追いかけてのお返しは
もうしませんでした。


姪っ子達の御香典は
母の孫としては
過分過ぎるくらいに
包んでくれていたので、

多く包んで下さった方々と一緒に
それぞれ半返しで
カタログギフトを送りました。


カタログギフトの
挨拶状の名前には
喪主の私の名前だけでなく、
下の妹を連名にして
送りました。


母の葬儀に参列して
過分に包んで下さるような
間柄の方は、

私と下の妹が
二人三脚で母を看取った事を
みなさんご存知だし、

私は下の妹が
いてくれたお陰で
大団円の葬儀までを
やり遂げられたので、

皆さんには
私と下の妹で2人並んで
手厚く御礼が言いたかったのです。


でも、
カタログギフトの送り主に
上の妹の名前だけが
入っていなかったせいか、

たくさんの方々から
お礼の電話やメッセージが
届いたにもかかわらず、

姪っ子達からは2人とも
届いたという連絡は
来ませんでした。


2人を傷つけたとしたら
申し訳なかったとは
思うのですが、

私は喪主ではあるけれど
葬儀の挨拶のどこかに
母に対して大恩のある
下の妹の名前も、
最後に入れたかったのです。


母は連名の挨拶状を
なんと思ったかしら❔


もしも母に聞いたら、

きっと母は私達に、

「それでいいよ。


だって、あなた達、
最後まで
すごく頑張ってくれたもん。


●●、◯◯、

2人とも
本当にありがとうね。」と
あの優しい声で
言ってくれたと
思います。