妹と
赤坂プリンスクラシックハウスに
ランチに行って、

バスクチーズケーキを待ちながら
喫煙室という名の
素晴らしい中庭を
眺めている時、

妹がアイコスを吸いながら
私に打ち明けたのです。


「ママね、
●ちゃん(妹の亡くなった前の夫)に
頼まれて、
お金渡してたんだって。」


私は
きっとそうだろうなと
前から思っていたので、
別に驚きませんでした。


「そうなんだ。」


「うん。
そうなんだって。」


「いつ聞いたの❔」


「ママのがんが分かって
少ししてから。」


「そうなんだ。


いくら❔」


「借金の支払いが滞る度
100万円ずつ、
合計3回。


だから300万だって。」


「ふうん…。」


「焼け石に水だったのにね…。」


「そうだね…。」


昔、

妹の前の夫のことを
助けてあげた方がいいか、

母から聞かれた事が
何度かありました。


その度に
私も妹本人も、

「母の老後の為に必要な
なけなしのお金なんだから
貯めておいて❗」
「焼け石に水だから
絶対にやめて」と
強く止めていました。


きっとあの事を私達に
聞いた時だったのでしょう。


返ってこないのは
百も承知で。


妹の前の夫から
思い詰めた様子で
相談されて、

それで断りかねて、
渡してしまっていたんだな…と
私は思いました。


お金に困っている事が
1度ではなく
2度3度と続く時には、

ずるずると何度も
借金を重ねるのではなく、

お金に困る根本的な原因を
なくすというのが、

唯一の正解です。


でも、

妹がどんなに懇願しても
妹の夫は会社を
畳もうとはせず、
悪手を続けて、

そして破滅しました。


「まぁ、

ママのお金がなくなったのは
その300万円だけが
原因じゃないから(笑)


それにしても、
なんで今まで
黙ってたんだろうね…。」


「そうなんだけどね(笑)


●ちゃんから
『この事は絶対に
◯子に言わないで下さい。』って
口止めされてたんだって。」


「そうだったんだ…。


まぁ、

ママも返ってくるとは
思ってなかっただろうから、
別にいいんじゃない。


ママには無駄になるから
渡しちゃ駄目って
言ったけど、

そう言いながらも、

私はお金がなくて
どうにも◯子達を
助けてあげられなくて、

すごく辛かった。


あの頃の◯子達は
もう見ていられないくらい
だったから。


●ちゃんには
ママを引き取ってもらって
すごく有り難かったし、
今も恩を感じてる。


あのプライドの高い●ちゃんが
頭を下げるなんて、
余程の事だよ。



それがわかっているから、
ママも渡したんだと思うよ。


●ちゃんからは
それ以上の事を私達は
してもらったしね。


でも、
黙ってくれって
頼まれてたのに、
なんで今になって
告白したんだろうね❔キョロキョロ


「多分、
私が聞いたら
ものすごく怒ると思って、
言えなかったんだと思う。


でも、ママって
喋っちゃ駄目って事も
黙ってられない人だし、

秘密を抱えるのが
重荷だったんじゃない❔


それでさ、

ママってお人好しだから、
実は他にも2回くらい
人にお金を貸して、
踏み倒されてるんだよ。」


「えっ、そうなの!?びっくり


いつ!?


「どっちもまだ
勤めてる時。


1人は上司。


その人、
会社の女性と
不倫してた人らしいんだけど、

何かでお金に困って
泣きつかれて、
30万貸したんだって。」


「それでどうなったの❔」


「返す返すって
言われてるうちに
会社辞めちゃって、
連絡つかなくなって
それっきり。


昔は携帯も
なかったからね…。」


「へぇ〜キョロキョロ


で、あと1人は❔」


「あと1人は
同僚の女の人。


なんか、学費だか
当座の生活費だか
忘れたけど、

頼まれて10万くらい
融通したらしい。


そしたら◯百貨店が
倒産して、
みんな会社を
解雇されたでしょ❔


その頃はもう
携帯もあったから
何回か連絡はした
らしいんだけど、

電話に出なくなって
諦めたみたい。」


「ママ、昔から、
お金に執着が
なかったからね…。」


「そうそう。


ママって自分の夫からも
友達からも
結構ひどい目に
遭ってるのに、

過去は振り返らないし
恨み言とか
言わなかったもんね。」


「それは私達も
そうだけどね。


私さ、
◯◯会(ボランティア活動)の事で
市からの補助金の行方が
わからなくなってるから
ママの目が黒いうちに
調べてほしいって
ママから頼まれて、

去年調査してたじゃない❔」


「うん。
してたね。」


「あの時は
ソレ、
なんで今言うの!?ガーン

あと、なんで私が!?ガーン
思ったけど、

一応長として
ママが名前を貸してたから
後で不正が発覚したら
晩節を汚すというか
ママにとってものすごく
不名誉な事だし、

ママもちゃんと解決しないと
◯んでも◯に切れないって
気持ちだったんだろうね。


それで、その時も
そういうような事を
ママから言われたの。


私、それまでそんな概念が
自分の中になかったから
すごくハッとしたし、

最後の最後に
すごくいい教えが受けられたと
思ってる。」


「え、
どんな事を
ママから言われたの❔びっくり


「それはね…。」


続きます。