火葬式の帰り、

私の家族と下の妹家族は
一緒に母の部屋に立ち寄り、

白木のお位牌と
骨壺と遺影と花を
後飾りの祭壇に飾って、

母を囲んでお茶を飲み
みんなで談笑しました。


そうして、
少し和やかな気持ちを
取り戻してから、

それぞれの家へと
帰りました。


この日は朝早くから
夕方まで
本当にあちこちに行って
本当に色んな事が
あったので、

私達はみんな
とてもくたびれていました。


長男を最寄り駅でおろした後
夫と次男と3人で
車で家に帰る途中、

次男が私に
「人の話に横から
口を挟んだAが悪いのは
もちろんだけど、

やっぱり、
一番悪いのは
◯子ちゃんだったと思う。


おばあちゃんのお見舞いに

全然来なかったのに
勝手な文句を言ってきた
●子ちゃんに対して
ママと◯子ちゃんが怒るのは
もっともだけど、

Aが何を言っても
受け流すのが
正解だったと思う。


食事の前、

□(下の妹の長女)が
『Aに声かけたのに
無視された…』って
◯子ちゃんにコソッと言ったら、

◯子ちゃんが
『えーっ!?
あり得ない…』って
大きな声で言ったんだよ。


それでそれからも、
2人でコソコソ
ずっと話してた。


全部聞こえてたし
それでAもEも
急に黙っちゃって、

こっち(のテーブル)の雰囲気が
マジで最悪になったから、

俺と◯ーくんと
◎(甥っ子)達と男4人で
必死で盛り上げようとして、
すごい疲れた。


勘弁してほしい。」と
言ったのです。


私は料理屋さんに着くと
飲み物の注文を取って
店員さんに頼みに行ったり、

写真を撮ったりしていて
最初の頃はほとんど
席に座っていなかったので、

下の妹と姪っ子の
食事前のやり取りは
全然知りませんでした。


「そうだったんだ…。


◯子は声が大きいけど
確かにそれは
良くなかったね…。


ただ、

◯子と●子は
家が近かったし
◎とAも
ずっと同じ学校で
同級生だったから、

ママにもわからない事が
長年のつきあいで
ものすご〜く
色々あったのよ。


■(次男)達には今後も
言うつもりはないけど、

●子に対しては
◯子ほどじゃないけど、
ママにもそういう事は
たくさんある。


おばあちゃんの事でも
●子には本当は
言いたい事が
たくさんあるけど、

言っても仕方ないから
言わないだけ。



おばあちゃんと
ずっと離れて暮らしていた
ママでさえそうだから、

おばあちゃんと
ずっと一緒に暮らして来て
おばあちゃんの気持ちが
一番わかっている◯子には
もっと色んな思いがあるから、

だから、
どうしても我慢出来なくて
つい言っちゃったんだと
思うんだよね…」と
私は次男に言いました。


「その気持ちは
よくわかるけど、

ママ達が諍うと、
俺達いとこ同士の関係にも
影響が出るんだよ。


やっぱり、
自分の親のことは
一番好きなんだから。」と
次男はなおも言いました。


「そうだよね…。


迷惑かけて
本当にごめん。


でもね、

◯子も私も本当に
我慢して来たんだよ。


おばあちゃんが
生きている間は
おばあちゃんを悲しませないように
これまでずっと
おばあちゃんの願いを聞いて
つきあって来たけれど、

もう本当に
我慢の限界なの。


自分にとって必要で
大切な存在なら、

あなた達みんな
いとこ同士も友達も
どんなに離れても
また必ず繋がるから、

ママ達の今回の事は
どうか、
許してほしい。」と
私は次男に言って、

それから車の中はしばらく
静かになりましたが、

次男が全然別の話題を
話し始めて、

私達はその後は
賑やかにおしゃべりして
家に帰りました。