タイトル通り、
1月4日の昼食時に
母ははじめて
誤嚥を起こしましたガーン


私は急いで看護師さんを
お呼びして、
ホームの吸引器を使用して
すぐに吸引していただいて
事なきを得ました。


今回は色んな偶然や幸運が
積み重なったお陰で
何事もありませんでしたが、

まかり間違えば
4日が母の命日になっても
おかしくなかったし、

この日の事が原因になり
後々母が
誤嚥性肺炎で亡くなっても
おかしくありませんでした。



この日のソフト食は

とろみがとても強く、

お茶さえも

コップをひっくり返しても

落ちて来ないほどでした。



ソフト食は日によって

ちょうど良かったり

カチカチだったり

する事がありました。



母が入所していた

ナーシングホームの母体は

私立病院です。



食事はグループ会社が

3食調理したものをお膳ごと

各ホームにトラックで運び、

ホームがそれをレンジで温めて

配膳する形式でした。



ソフト食は日によって

なぜかとろみの調子が

ちょうど良かったり

少し固めだったり

すごく固めだったり

する事がありました。



さらにホームで

レンジで温め過ぎて、

カチカチになっている時も

ありました。


(その時は流石に

ホームの方にお見せしました)



この日はとろみが

全体的に強すぎたので

私はお湯で食事をふやかしたり

お茶をお湯でのばしたりしてから

母に食事をあげていました。



すると食事中、

母がなんとなく

かすかに眉間に

シワを寄せたのです。



この頃の母は

体が動かせなくなって

表情に変化がなくなり

いつも真顔だったのと、


母はほとんど

喋らなくなっていて

かすかに頷いたり

顔を横に振る事で

意思表示する事が

増えていたので、


私達は絶えず

母の顔を覗きこんで

目の動きなどを見て、


一生懸命母の表情を

読み取っては

意思を組もうとしていました。



母はこの時

特段苦しそうでもなく

バタバタしたりもなく、

咳き込む事も

ありませんでした。



「どうしたの❔

苦しいの❔」と

声をかけても

反応がなかったので、

そのまま食事を続けました。



それでも母からは

かすかな眉間のシワが

消えないので、


私は念の為

ナースステーションに行って

看護師さんに声をかけました。



看護師さんに

「食事していたら母が急に

眉間にシワを寄せて…」と

私が言うと、


看護師さんはすぐに部屋に

一緒に来てくださいました。



看護師さんは

母に声をかけたり

様子を見た後

「念の為吸引します」と仰られ、


ナースステーションから

吸引器を持って来られました。



吸引器を見たのは

私ははじめてでした。



看護師さんがテキパキと

吸引器を段ボールから取り出して

セッティングする間は

本当は

そんなに長い時間では

なかったのですが、


その時の私には

とても長く感じられました。



看護師さんが

母ののどに管を入れて

吸引した後、


「鼻からも吸引しますね」と

母に声をかけて

吸引すると、


母がびっくりするほど

大きな声で

「痛い痛い痛い❗」と

叫んだのです。



思わず大声が出るほど

痛かったのでしょうから

本能から出た声で

本当にかわいそうだったのですが、


耳を口元に近づけないと

聞き取れないような

かすかなささやき声しか

母はこのところ

出せなくなっていたので、


ドキドキしながら

見守っていた私は

「ママ、

声が出せてる❗おねがい」と

一瞬嬉しくなって

しまいました。



親が生きるか死ぬかの

瀬戸際にいるというのに

大声が聞けて喜ぶなんて

子供って(私って)

残酷なものです。



結局この後は

母からはまた

蚊の鳴くような声しか

聞けなくなり、


元気な頃のように

ハッキリ大きな母の声が

聞ける事は

これ以来二度と

ありませんでした。



吸引を終えた看護師さんは

「◯◯さん、

誤嚥してました。」と仰り、

私に管を抜いて

見せてくれました。



管の中には

この日の献立にあった

トマトらしき赤いものが

見えました。



母は眉間に

シワを寄せながらも

食事を普通に続けて

ごっくん出来ていました。



お正月に妹が

吸い飲みで水を飲ませた時

母が激しくむせて

周囲が騒然とした事が

ありましたが、

この時は咳き込む様子は

全くありませんでした。



食事中、

こんなに普通に誤嚥って

してしまうんだ、


そして、

誤嚥していても

本人も咳き込む事もなく、


食事を続けたり

普通の様子なんだと、

私は驚愕しましたガーン



お年を召した方が

誤嚥性肺炎で

お亡くなりになるのを

新聞などで拝見しますが、


誤嚥って

こんなに普通に起こるし

苦しがらないんだ、


周囲から見ても

気づきにくいんだと

つくづく思いました。



私が在宅介護の時から

母の様子をずっと見続けていて

かすかな変化を見逃さないよう

食事中じっと目を

凝らしていなかったら、


おそらく、

かすかな眉間のシワに

気づけなかったと思います。



高齢になったり

病気で嚥下機能が

落ちている場合、

誤嚥ってとても簡単に

起こってしまうものなんだと

実感しました。



例えば、

普段あまり会えない

東北に住む夫の両親なり

知り合いなりが

もしも具合が悪くなって、


夫や私がお見舞いに

行ったとしたら、


私達は表情のかすかな変化に

果たして気づけるだろうか、


いや、気づけないだろうと

思いました。



そして、

運良く表情の変化に

気づけたとしても、


もしも在宅介護で

吸引器を持っていなければ

鼻や器官への吸引は

出来ない訳で、


看護師さんや医師を呼んだり

急いで吸引器を

届けてもらったりして、


それで間に合うのだろうか❔とも

思いました。



お正月に水で咳き込んだ時は

母は「◯ぬかと思った」と

妹に言って

「お正月が命日になる所だった」と

みんなで笑ったものですが、


あの時母に

咳き込む力がなければ

本当にお正月が命日になっても

おかしくなかったのです。



そして、

もしも私達が在宅で母を

介護していて

4日のような状態になったら、


訪問診療のO先生か

訪問看護の看護師さんに

連絡したとしても

すぐには来てもらえないし、


吸引器が手元にない状態なので

結局救急車を呼ぶしか

なかったのかなぁとも

考えました。



吸引器はレンタルはなく

買い取りのみなので

4日は緊急ということで

ホームのものを急遽

使いましたが、


すぐに購入するよう言われ

その日のうちに

業者さんに連絡して

同じ吸引器を購入して

届けていただきました。



管も使い捨てなので

スペアの管も一緒に

何本か購入しました。



定価は確か

5〜7万円で、

介護度3で

約1万円かかりました。


 

 


在宅介護だった時は

母のお金で費用を賄っていたので

吸引器をすぐに買い揃える事は

ありませんでした。



もしもあらかじめ購入して

家に置いていたとして、


組み立てと操作は

結構難しいので

家で自分で迅速に

適切に吸引出来たかというと、


かなりハードルが高いと

思いました。



一度誤嚥を起こした母は

その後1日1回は必ず

誤嚥性肺炎防止の為

看護師さんが吸引して下さる事に

なりました。



母は慣れたのか

それとも元気がなかったのか

その後痛いと言う事は

一度もありませんでした。



ナースステーションが

目の前にある事といい

すぐに処置していただけた

事といい、


この日は

ナーシングホームに母を入所させて

本当に良かったと

心の底から思ったし、


あの時私が声をかけたら

すぐに部屋に来て下さって

吸引して下さった看護師さんに

本当に感謝しています。