入れ歯を隠し通していた母

現在の話を書いて

元気を出してから、

母の事を少しずつ

書くようにしております

家族でスノボ旅行に

行っている妹とは、

２９日もラインで

やり取りしました。

「今日は昼も夜も

完食したせいか

声が大きくなった。

認知症っぽい事も

言わなかったし

普通の会話が出来た🎵

昨日は『お腹空いた』って

言うんだけど

食べられなかったせいか

反応が薄くて、

ぼんやりしてるし話さないし

声も聞こえないくらい

小さいから

口元に耳を近づけてたのに。

やっぱり、食べるって

大事だなって思った。

『あ〜、

外に出たいなぁ〜』って

ママが言うから、

ママは骨折してるから

家には戻れないけど、

外出は出来るから

お正月は家に帰るからねって

話したよ。

ベッドはこっちに

持って来ちゃったから

外泊は出来ないけど、

みんなでお正月は

ママの家でおせち食べて

ゆっくり過ごそうね、

でも車椅子だと

眠れないだろうから

眠くなったら

ホームに帰るからねって

言っといたよ。」

「ありがとう。

お腹がすくんなら、

ママ、

まだ大丈夫だね。

ほんとに最期になると

お腹もすかなくなるから…。」と

妹が言いました。

「うん。

そうだと思う。

食事が取れている間は

大丈夫。

ただね、

薬を飲ませるのに

スプーンで潰して粉にするのが

結構力が要って、

毎食大変なの。

看護師さんに薬を粉で

処方してもらえないか

聞いたら、

この間処方してもらったばかりで

薬局は２週間に一度しか

来ないから、

もう少し我慢して下さいって

言われちゃった」

「そうなんだ…。

不便だけど

仕方ないね…。

ねえ、

ママってさ、

がんが発覚するまで

総入れ歯だって事を

私にもお姉ちゃんにも

隠してたじゃない❔」

「そう❗

ＭＲＩ検査の時

金属を全部外さないと

いけなかったんだけど、

ママが口の中に手を入れて

カポッて歯を全部

急に外した時は

もうほんっとうに

びっくりした❗

今まで全然

気づかなかったよ…。」

「娘にも隠し通すって

ほんと凄いよね。

私ならすぐに

子供に言っちゃうよ。

バレちゃってからも

顔が痩せちゃうし

喋りにくくなるって言って、

入れ歯を外す所は

絶対誰にも見せなかったし

寝る時も入れ歯を

ずっと嵌めてたから、

この間ママから

入れ歯を洗ってくれって

初めて言われた時、

私正直

来るところまで来たなと

思った。

入れ歯外したところを

見られるのを

あれだけ嫌がってたのに、

もうママは

色々どうでも

良くなったんだな…って。」

「そうだね…。

あんなに、

人からどう見られるか

気にする人だったのにね…。

あのね、

その入れ歯なんだけど、

食べてる時とか

カポッて時々

外れるようになったの。

顔が痩せちゃった

せいかもしれない。」

「この間はそんな事は

なかったな。」

「あと、

マグマグが吸えなくなった。

ストローを吸う力が

足りなくて、

いくら吸っても

飲み物が上に行かないの…

コップを持つ力も

もうあんまりないから、

コップを持つ手に

手を添えてあげて

それで飲ませた。

今日、

カテーテルが詰まっちゃって

看護師さんが

交換してくれたんだけど、

食べないと口が乾くし

脱水症状になるし

尿管も詰まっちゃうんだって。

だからお茶飲みたくないって

本人が言っても

ちゃんと飲ませて下さいって

言われた。」

「マグマグは

吸い込む力が

必要だからね…。

やっぱり、

もうあんまり

長くないのかなぁ…」

「わからない。

でも、

ガクンガクンと

状態が悪くなってるから、

思ったより早く

逝ってしまうかもしれない。」

「春までもつかどうかって

感じだよね。」

「春までもてばいいけど…。

もしかして、

栄養を点滴で入れたら

もつかもしれないけど、

ママは経管栄養は

しなくていいって

言ってたよね❔」

「言ってた。」

「食べ物が飲み込めなくて

喉に詰まっちゃうから

誤嚥性肺炎が怖くて

今日からソフト食にしたけど、

それでも食べさせていて

怖い感じがする。

明日またやってみて

どんな感じか報告するね。」

「わかった。

それにしても、

ママの羞恥心がなくなったのは

私にはわりと

衝撃だったなぁ…。

とうとう私に

入れ歯を外した顔を

見せたか…って。」

「もうママは

そんな事に構ってる

余裕なんてないのよ。

ママがね、

『足が動かない』って

言うの。」

「足は動いてない。

おとといも全く

動いてなかった。」

「入院した時は

足を左右に動かせたのに

もう動かせなくなったって。」

「力が入らないんだよね。

手の力も

入らなくなってるから

そのうち手も

動かなくなるかも。」

「うん。

今日はマグマグ吸えないし

コップを自分で持てないから

お茶も水も全部

コップ持ってあげて

それで飲ませた。」

「おとといはそんな事

なかったのに…。」

「『足動いてる❔』って

今日ママに聞かれたから、

『ピクピクして動いてるよ』って

教えてあげた。」

「足が動いてる感覚が

わからなくなってるんだね…。」

「あと、

今日はお風呂入りたくないって

言ったから、

ベッドの上で清拭だけ

してもらった。

オムツの上でお湯をかけて

おしもは洗ってもらった。」

「この間は１時間くらい

入浴に行ってたのに…。

でも仕方ないね。」

「うん。

疲れるんだと思う。

無理して入らせなくても

いいと思ってる。」

「じゃあ明日は帰るから、

午前中は

ポーちゃんの引き取り

よろしくね。」

「わかった。

気をつけて帰ってね。

おやすみ。」

「ありがとう。

おやすみ。」

続きます。