先日、
自分の姉と我が子に
オランザピンを投与して
◯害した疑いがある犯人夫婦が
逮捕された事件が
報道されました。


母も闘病の途中から
オランザピンを
服用していましたが、

ひどい不穏になった事が
あったので、
私は報道を見て
ドキッとしましたキョロキョロ



下の写真は
緩和ケア病棟で
母に処方されていた
薬の一覧です。



麻薬性のものと
そうでないものと
ありますが、
母に処方されていたのは
ほとんどが
痛みや不安などを
緩和する薬です。


がん性疼痛に効くものや
筋肉の痛みを緩和するものや
神経の痛みを緩和するものなど、
それぞれ効能が違う為
複数組み合わせて
処方されていました。


オランザピンは
統合失調症や
双極性障害(いわゆる躁鬱病)の
うつ症状の改善薬として
主に使用される
保険が使える向精神薬ですが、

母の場合は
オランザピンは
吐き気や食欲不振の治療薬として
使われていました。


私と妹は母の生前
薬の商品情報を
詳しく調べる事はなくて、

お医者様が処方するものを
母に飲ませていました。


母が11月になって
思うように食べられないと
お医者様に言った時、
初めてオランザピンが
処方されました。


ところが、
オランザピンを飲んだ母は
食欲は出たけれど
今度は眠れなくて辛いと
訴え始めました。


食べられない辛さと
眠れない辛さでは
眠れない方が辛いから
オランザピンは
どうしても飲みたくないと
母が言った為、

私達はお医者様に相談して
オランザピンの服用を
いったんやめました。


すると、
「◯にたい」
「生きていても仕方ないから
このまま◯んでしまいたい」という
母の強い希◯念慮が
始まったのです。


母が生きていた時は
オランザピンの作用を
よく知らなかったので、

オランザピンの服用中止と
母の希◯念慮とを
結びつけて考える事が
出来ませんでした。


だから、母の不穏は
脳転移によるものだろうと
私達は考えていました。


この度の報道を受けて
オランザピンの商品情報を
調べてみると、

「うつ病性障害等の
精神疾患を持つ患者で
抗うつ剤を投与している場合は
24歳以下の患者に
自◯企図の発現が
増加するリスクがある」
効能に対する副作用が
はっきり書いてあったので
私達はびっくりしましたびっくり



また、
商品情報をさらに読むと、

「本剤は強い悪心、嘔吐が生じる抗悪性腫瘍剤
(シスプラチン)投与に伴う消化器症状がある場合に限り、使用すること」

はっきり書かれているのですが、
母は抗がん剤は
一切使用していませんでした。


しかし実際には
訪問診療でも
緩和ケア病棟でも
医療の現場では、

抗がん剤を投与していなくても
オランザピンは吐き気止めとして
普通に処方される
薬のようでした。


母は、
商品情報にあるような
「うつ病性障害」もなく
「精神疾患を持つ患者」でもなく、

「抗うつ剤を投与」もなく
「24歳以下の患者」でも
なかったのですが、

今から思えば
オランザピンの服用を止めた途端
強い希◯念慮が
発現してしまいました。


結局、
お医者様からも
ケアマネさんからも
オランザピンの服用を
再開した方が良いと
アドバイスされた為、

母はオランザピンの服用を
再開して、
その後は希◯念慮はなくなり、

亡くなる直前になって
すべての飲食を
受け付けなくなるまで、

お医者様の指示の元で
母はオランザピンを
飲み続けていました。


オランザピンは
気持ちを安定させて
患者の生活の質を
高める効果がある
良いお薬のようですが、

良く効く強い薬だけに
副作用もあるので、

服用をやめる時や減らす時は
顕著な反動が来るおそれがあり、
怖いのだということを
学びました。


なんでもそうですけれど、

お医者様の指示であっても
患者も患者の家族も
自分自身でしっかりと
治療について調べて、

その作用と副作用とを
ちゃんと把握した上で
薬を飲む時もやめる時も
慎重に行わなくてはと、
母のケースを通じて
感じました。


今となっては
母とその事について
話す事は叶いませんが、

私達が体験した事を
このブログに書き残します。


いつかどなたかの
お役に立てば
幸いです。