母はもう蚊の鳴くような声しか
出せないので、

私や妹はいつも
母が話し始めるとすぐに、

母の顔に顔を近づけて
母の口元を一生懸命見て、

母の言っている事を
聞き逃すまいとします。


昨日の元日に
妹が席を外していて
母の部屋で私だけが
母のそばにいる時、

母が急に
ものすごく不思議な事を
私に言ったのです。


「隣にある
あの槍は何なの❔」と。


「槍❔キョロキョロ」と
私が尋ねると、

「槍。
あるじゃない、
あそこに。」と、

母は
顔を少し右に動かして
目で横を見ながら
また私に言うのです。


「槍なんてないよ。」と
私が答えると、
母はそれきり
何も言いませんでした。



何だか怖い❗不安
思ったので、

その日はその事は
誰にも言いませんでした。


◯神の鎌だったら
どうしよう…と
内心思ったから
スルーしたのです。


(ちなみに、
家の中でも外でも
仮におかしなものを
見たり聞いたりした時は、

◯は露出狂のような
ものですから
誰かに気づかれたくて
仕方ないので、

スルーしていたら
どこかへ行きます。


リアルな世界でも
アンリアルな世界でも
向こうからグイグイ来るのは
基本良くないものが多く
疑ってかかった方がいいのは
同じです。


皆さんも
何でも鵜呑みにしないように
喰い物にされないように
どうかお気をつけ下さいね。)


今日になって突然
「槍って言ったら
毘沙門天様じゃない❗」と
思い当たりました。びっくり


母の実家のお寺は
毘沙門山の山頂に
毘沙門天様が
いらっしゃるのです。


母の実家のお寺は
お国替えでやってきた
成田家の勅願寺として
創建されました。


寺宝である
室町時代の毘沙門天像は
元は毘沙門堂に
鎮座していましたが、

戦後に銅葺の銅瓦を
2度も剥がされて
盗まれてしまった為、
今は防犯上
客殿に鎮座しています。


今のお葬式や法事は
葬祭場や料理屋さんで
する事が多く、
客殿はほとんど
利用される事がないので
毘沙門天様は
私も祖母の葬儀で
一度だけ見た事が
あるきりです。キョロキョロ


母がまだふるさとで
1人で暮らしている時、

何年か前伯父が
毘沙門山の山頂に
巨大な毘沙門天像を
建立するにあたり、

私は一万円ずつ寄進して
母と私の名前を
毘沙門天像の台座に
彫ってもらい、
開眼法要に母と夫と3人で
参列しました。


とても嬉しくて
晴れがましい思い出です❤おねがい


母のふるさとのお寺の
毘沙門天様が
母を守ってくれているから、

母は不思議に痛みも苦しみも
全くないのかしらと
私は嬉しくなりました。


どうか、

母のふるさとのお寺の
大日如来様もお不動様も
毘沙門天様も
弘法大師空海様も
興教大師覚鑁様も、

ご先祖様も
おじいちゃんおばあちゃんも
パパも、
みんなで母の事を
最後まで安らかでいられるよう
お守り下さい。


そしてどうか、

母がまっすぐに
正しい天の道を
上っていけますように、
お導き下さい。