前にブログに書きましたが

私はものすごい晴れ女で

下の妹は対象的に

ものすごい雨女です。



妹と旅行すると

いつでも初日は

土砂降りです。



妹の最初の結婚の時は

挙式中

突然雷鳴が轟き、


ザアーッと音がして

スコールのように雨が

降りましたが、


外に出た時は

嘘のように

晴れていました。



私達は屋内で

無事でしたが、


ホテルのお庭で

写真撮影をしていた方々は

一瞬の雷雨で

ずぶ濡れになってしまい、

非常に気の毒でした。



さて、昨年の

母の引っ越しの日は

台風でした。



今日のログハウスの引き渡しも

一日中本降りの

大雨でした。笑い泣き



一年ぶりに私が

ログハウスに入ると、


見たことのない

小さい文机が

置いてありました。



正座して墨をすって

書道をする時に使うような

かなり古そうな

長四角の机で、


漆は剥げて

傷だらけでした。



左右にそれぞれある

三段の引き出しが

脚がわりになっていました。



「これ、

どうしたの?」と

私は妹に聞きました。



「この机、

○ちゃんの家に

ずっと昔から

あったものなの。



○ちゃんはこの机を

ものすごく

気に入っていて、


独身の頃から

下宿に運びこんで

ずっと使っていたの。



ほら、見て。



引き出しに名前が

書いてあるでしょ。」



妹は引き出しを

次々抜いて、

見せてくれました。



様々な筆跡で、

妹の前の夫と

同じ姓の

色々な人の名前と日付が

引き出しすべての

裏や横に

書かれていました。



一番古い日付は

明治2年でした。



一番新しい日付は

親がわりに彼を育ててくれた

彼の祖父母が

書いたものでした。



彼が二人に頼んで、

二人が元気な時に

書いてもらったのだそうです。



彼は自分の部屋の

陽当りのよい

一番よい場所に、


いつでもこれを置いて

使っていたのだと

いうことでした。



彼が亡くなって

婚家を出る時、


妹はこの文机を

持って出たものの、

特に使う事もないまま

今の家に

置いていたそうです。



「そしたらね、

今朝この机が

夢に出たのよ❗」ガーン



「え〜っ、

どんな夢なの!?ガーン



「夢の中で、

どこかよくわからない

場所なんだけど

私は畳の部屋の中に

入っていったの。



そしたら、

この机の前に

大人の●(元義弟)と

3、4歳くらいの

小さな男の子が

座っていて、


男の子は何か

お菓子を

食べていたの。



私が部屋に入ったら、

その男の子が

振り向いて

私を見たの。



そこで目が覚めた。」と

妹は言いました。



「何それ、

怖い〜!!ガーンタラー



「そうなの!ガーン



目が覚めて、

『わ〜っ、マズい!

この机は

うちにあっちゃ

駄目なんだ!



返さないと!』って思って、

慌てて今朝

車に積んで、

持って来たの。」ガーン



妹の前の夫の

昔の家は、

落雷による火事で

全焼したのです。



茅葺き屋根だった為に

火の回りが早く、


先祖の遺影と位牌を

運び出すのがやっとで

掛け軸や家財道具はおろか

アルバムなども

全部燃えてしまって、


彼の子供の頃の写真は

何も残っていません。



けれど、

妹は夢で見た

あの男の子は、


妹の前の夫の

子供の頃の姿だと

言うのです。



火事の難を逃れた文机は

彼がご先祖様から引き継いだ

たった一つのものでした。



「○子、

いつもながら、

本当にすごいよ…。


ちゃんとメッセージを

受け取れて、

ちゃんとこの家に

この机を

返す事が出来て、


本当に良かったね。



もし返さなかったら、

どうなっていたか…。」と

私は言いました。



「うん。

あるべき所に戻せて、

私も何だか

すごくほっとしてる。」と

妹も言いました。



私達の間では

不思議なことばかり

起こるので

滅多な事では

驚かないのですが、


今日は本当に

驚きました。



彼のお墓参りには

これからも

通うでしょうけれど、


今日限りで私達は

このログハウスにも

敷地にも

足を踏み入れる事は

ないのです。



今日に間に合って

ちゃんとあるべき所に

あるべき物を返せて、

本当に

良かったです。



不思議な話は

まだあるのです。



続きます。