第4話「魔都」
第4話あらすじ
上海派遣憲兵隊に配属となった軍曹・本間英司(CV:土田大)は上海に来て3ヶ月が経ったある日、
上司である大尉・及川政幸(CV:藤原啓治)に呼び出しを受ける。
内容は日本の情報が上海で漏洩しているというものだった。
漏洩されているのが確認されたのは少なくとも本間軍曹が上海にやってくる以前から。
そのため、犯人ではないことが確定している本間軍曹に調査の任務が与えられた。
今は亡き前任の伍長・宮田伸照(CV:大西弘祐)から役目を引き継ぎ、
早速任務に取り掛かることになった本間軍曹だったが、
突如起こった爆発によって及川大尉の家が爆破されてしまう。
明らかに及川大尉を狙った爆弾テロだと確信した本間軍曹は一刻も早く真相を暴こうと動き出す。
そんな彼の前に現れたのは記者の塩塚朔(CV:中井和哉)だった。
ネタバレ含みます。
第4話となる今回のエピソードは時系列的に
設立から数年間の中で一番最後に確認された任務となります。
その後は太平洋戦争が勃発してしまったので、D機関の活動はやっぱりストップしたのでしょうかね??
さて、アニメだと声で誰の回なのかが分かるようになっています。
それもD機関の声優陣をちゃんと把握してたら気づけるレベルなので、
気づかない人は気づかない方がきっと作品を純粋に楽しめるとも思いました。
ちなみに今回は福本(CV:中井和哉)回。
ラストがちょっと思いがけない展開で驚かされたエピソードでもありますが、
彼自身はあまり活躍という活躍はしていません。
活躍していないと言っても表立って活躍していないだけで
裏では事が上手くいくように動いていました。
そういった意味ではちゃんと活躍という活躍はしています。
今回のメインというか、語り部的なポジションになったのは上海派遣憲兵隊の本間軍曹。
3ヶ月前に配属されたばかりなので、2年前に確認された情報漏洩には関わっていません。
そのため、及川大尉が彼に情報漏洩の犯人を突き止める任務を与えたわけですね。
一応、以前から情報漏洩について調べていたらしいですが
つい最近、その担当だった宮田伍長が何者かに射殺されたらしい。
それってある意味ではかなり危険な任務を任せようとしているってことなのでは…??
ま、これ以上被害が大きくならないようにするためにも誰かが調べないといけないわけですが。
早速調査のために動き出そうとした本間軍曹ですが、
その前に及川大尉の家が爆破されるというまさかの展開。
調査云々よりもまず先にそっちに向かうことの方が先になっちゃいましたね。
というか、及川大尉も随分と冷静に「あれは俺の家だ」とか言いましたな。
冷静に見えて内心、動揺しているのを隠しているだけなのか
それとも自分が狙われる可能性を重々承知していたのか。
何にせよ、その爆破によって罪のない人たちが犠牲になってしまいました。
もし本間軍曹を呼び出していなかったら及川大尉も
爆破に巻き込まれて命を落としていたかもしれません。
しかもこの頃は、結構頻繁に抗日テロが行われていたらしく
向こうの警察があまり詳しい調査をしないのは
日本人をあまり快く思っていないことも原因だったのかもしれません。
死体に対する扱いもタバコを捨てたり、踏みつけたりと酷いものでした。
しかし、記者をしている塩塚との接触によって事は大きく動き出すことになります。
塩塚に左翼雑誌を押し付た"草薙"という男が抗日活動に参加しているという情報を入手した
本間軍曹は最初こそあまりくい付いてこなかったですが、
亡き宮田伍長と接触していた形跡があるという情報で彼を調べることに。
そこまではいいとして、重要なのは塩塚の言うように
思っていたよりも早く今回の一件が片付きそうだってことでしょうか。
情報を受け取ってから草薙を見つけるまでが思っていたよりも早かった。
最初こそすれ違いざまに金掏られたんじゃない??とか
まんまと誘き出されて本間軍曹消されそうだなとか思いましたが
どうやら草薙の登場は今回の事件の真相へ本間軍曹を誘導するためだけのものだったらしいです。
こっそりポケットに裏カジノへの許可証を入れるとは…
なかなかやりますな!!
自分が誘導されたとも知らず、ダンスホールの裏で行われていたカジノで
及川大尉の姿を見つけた本間軍曹は
今回の一件が彼の自作自演であったことを突き止めるに至りました。
そもそも冒頭の爆発で2発目、3発目の可能性を考えず、窓に向かったのはおかしなこと。
これまでの抗日テロであれば、数発の砲撃が必ず行われていました。
となると、もう二度、三度くらいは同じことが起こる可能性を想定しないといけない。
想定していれば、安易に窓に近づくということはしないでしょう。
予想外だったのは及川大尉があっさりと自分がやったことを認めたこと。
むしろ開き直ってたくらいです。
犠牲者を出したことについても彼は死んでもおかしくないような罪深い人間たちだったで済ませている。
でも、以前はそんな人物ではなかったようで、
真面目すぎるが故に上海での活動が上手くいかないことを気にするほどだったとか。
真面目すぎる人ほど脆く崩れやすいとは言ったものですが、
壊れた挙句に母国を売り渡すような真似をするとは…
彼には上海での任務は荷が重かったということなんでしょうね。
きっともっと別の場所だったらここまでならずに済んだかもしれません。
もしくはもう少し割り切ることができたら、こんなに追い込まれることはなかったかも。
トップというのはできないくらいがちょうどいいとも言うし、
あまり出来すぎるというのも考え物ですね。
もう少し気楽に考えるくらいがちょうどいいんだよ、きっと。
事の真相はぶっ壊れた及川大尉が自らがエンジョイするために保管していた阿片を流していたことが
宮田伍長にバレてしまったことから始まったようです。
実は保管庫から消えた阿片の行方を追っていた宮田伍長。
調査を進めれば、自然と及川大尉が犯人であることに行き着きます。
それが報告されたらもちろんまずいのは及川大尉であり、
事前に防ぐためにカジノで働かされていた少年を使って宮田伍長を始末させた。
けど、宮田伍長の死の真相も調べられれば少年に繋がり、ゆくゆくは及川大尉へと繋がる。
及川大尉は少年の遺体を隠すために抗日テロを偽装して自分の家を爆破させた。
事の真相に繋がる重要人物は消え、
自らが狙われたともなれば疑われることはないということでしょうか。
けど、さすがに本間軍曹が死ねば調査の記録を陸軍省に送られると言えば
及川大尉も降参せざるを得なかった模様。
ま、手紙が本当に送られるかどうかは微妙なところですがハッタリとも考えられるし。
おそらく及川大尉もその可能性は考えたのではないでしょうか。
それでも降参したのはたとえ軍法会議にかけられようとも
死ぬことはないって分かっているからでしょうね。
この上海において人の命は最も軽く扱われると及川大尉が語っていましたが
実際に彼の家が爆破された時の死者に対する扱いはそれをよく示していたと思います。
タバコと一緒に踏みつけるなんて死者を冒涜する行為そのものでしょ。
死ねば自分という存在の価値はないにも等しくなってしまう。
たとえ生前にどんなことを成し遂げていたとしても上海ではそんなことは関係ない。
だから彼はどんなことをしてでも生き続けることを願ったのかもしれません。
ま、結果的に上等兵・吉野豊(CV:拝真之介)に撃たれてしまったわけですが。
それも恋人の敵討ちですからね。
彼が爆破の現場に現れていたことから、及川大尉によって殺害された少年が恋人だったらしい。
まさかのそっち系だったことに驚きを隠せないわけですが、仇を討って自らも自害するとは…
結局、誰も救われなかったし、誰も救えなかった。
後始末を憲兵内で行っただけという感じでしょうか。
元々、憲兵隊の中で解決させるというのが今回の福本の任務でした。
そのために彼は本間軍曹を誘導し、真相にたどり着かせたわけですけど
結末としてはあまりスッキリしないものに変わりはないですね。
一番驚いたのは福本が塩塚と草薙の一人二役をやってのけたことですけど。
それと、憲兵内で解決させるように誘導したことで、憲兵のメンツはなんとか保つことができたわけで
結果としてそうさせるように働いたD機関は上海での活動を上に認めさせたってことになるようです。
福本の上海での活動はまだ続く模様。
あとは個人的に及川大尉の顔芸回だったなという印象です。
前半と後半でだいぶ人相変わりましたからね。
それは福本にも言えることですが。
一人二役ってだけでも凄いのに、目の感じがだいぶ違いましたからね。
印象をあれだけ変えるってどんなテクニックを使ってるんだ!?
寡黙な福本が陽気な態度を取るっていうのも今になって思うと新鮮です。
次回「ロビンソン」
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