赤ちゃん連れフォトグラファーのAzusaです。 

ご覧いただきありがとうございます。 

 

 

投稿四百三十一回目は 

「「バンコク邦人被害 強盗致傷事件」

で夫が入院してから、

最も辛かったことと、最も大変だったこと。」 

について書きたいと思います。 

 

 

 

(初めてお越しの方は 

こちらの自己紹介をご覧いただけたら 

嬉しいです。)

 
 
 
 
 
 
 
「どんな人にも平等に明日はやって来る」
 
 
 
そんな気持ちで
今年のクリスマスの朝を迎えています。
 
 
 
 
 
夫は今日を

ICUの病室で迎えています
 
 
 
 
 
バンコクで迎える正月を楽しみに
日本からやって来た母も
 
 
まさか
 
着いて早々に
病院に連れて行かれ
 
 
 
夫の痛ましい姿に
涙する
ことになるとは
 
思いも寄らなかったはずです。

 
 
 
 
夫の父と妹は
 
 
今日の午前便で
バンコクに駆け付けることになっています。
 
 
 
 
 
義父と義妹には
 
事件が発生してから3日経った
昨日ようやく
 
 
夫の身に起こったことを
伝えることが出来ました
 
 
 
 
夫が
 
「回復に向かっている」と
実感出来るまでは
 
 
知らせることを
望まなかった
ためです。
 
 
 
 
 
義父と義妹のことは
さぞかし驚かせてしまったことかと
思います。
 
 
電話口からでも
動揺が手に取るように分かりました。
 
 
 
 
彼らもまさか
 
クリスマスの日に
バンコクに飛ぶ
ことになるとは
 
夢にも思わなかったでしょう。
 
 
 
 
義妹はそのために
子どもたちを日本に置いて来ます
 
 
 
クリスマスを
お母さんと一緒に過ごすことが
出来なくなった

 
子どもたちのことを思うと
 
 
本当に胸が痛みます。
 
 
 
 
 
 
そして我が家の3人娘たちも
 
 
 
大好きなパパと一緒に
クリスマスを過ごすことが
出来ません
 
 
 
 
 

それでも
 
やはりクリスマスはやってきます。
 
 
 
 
 
 
 
 
長女は
我が家の3人娘の中でも
 
 
最も
クリスマスを楽しみにしていました

 
 
 
 
 
サンタさんのために
「ジンジャーブレッドハウスを作る」
と張り切り
 
 
 
クリスマスにもらうプレゼントを
あれこれ妄想
 
 
 
クリスマスに関するうんちくを
私にたくさん教えてくれました
 
 
 
 
 

そのうんちくの中の一つに
 
 
「クリスマスディナーは
25日ではなく24日にいただく」
 
というものがありました。
 
 
 
 
 
私はその信憑性に
疑いを持っていたのですが
 
 
 
「それなら両日とも
少し豪華な料理を作ってお祝いしよう」

 
 
ということにしました。
 
 
 
 

こんな時だからこそ
 
 
子どもたちには

何か楽しいことを
してあげたかった
のです。
 
 
 
 
 

そこで昨日イブの午後半日は
 
買い物と料理に
充てることに決めました。
 
 
 
 
 
 
ところがその日の午前
 
 
既に日常の一部と化しつつある
夫のお見舞いに来ていた病室で

 
 
夫の携帯にかかってきた
電話を取ると
 
 
 
その声の主は
タイ警察

 
 
 
 
そして
 
 
「午後に病院まで
話を聞きに行きたい」
と言います。
 
 
 
 
 

「出来れば夫と話をしたい」
という申し出を制し
 
 
 
その対応のために
 
予定を変更して
約束の時間まで病院に残ることに。
 
 
 
 
 
 
そうして迎えた約束の時間
 
 
 
現れたのは
 
 
何と総勢6名に及ぶ警官たち
 
 
 
 
 
 
うち2人は
仰々しい制服を身に纏っており
 
 
手には
 
お見舞い用の
花瓶に生けられた
 
立派な花束を携えています。
 
 
 
 
 
 
残念ながらICUの病棟には
花は持ち込めないとのことで
 
 
その場で記念撮影。
 
 
こんな時に笑えば良いのか否か
 
 
 
こうした何とも言えない緩さが
タイのタイたる所以です。

 
 
 
 
 
 
その後

 
病院のラウンジを占領しての
聴取の開始
 
 
 
 

事故の経緯や取られたものの詳細
現在の夫の状態など
 
 
聞かれたことに対し
 
 
私の知り得る限りのことを
1つ1つお話していきます。

 
 
 
 
 
 
一通り説明が終わった後
 
 
私も逆に

事件の進展について
伺ってみる
 
 
 
 
やはりこれまでに
記者さんたちから聞いていた通り
 
 
 
男性2人はどちらも
フルフェイスのヘルメットを被っており
 
 
バイクのナンバープレートは外され
 
 
現場は暗く
目撃者も顔は見えておらず
 
 
防犯カメラの映像も
鮮明では無いために
 
 
 
 
犯人に繋がるような情報は

未だ得られていない
とのことでした。
 
 
 
 
 
改めて
事件の悪質さに身震いがします。
 
 
 
 

 
そうこうして
聴取を終えられた頃には
 
 
既に夕方に。
 
 
 
 
 
いつもであれば
 
「もう買い物は明日にするか」
となるところですが

 
 
 
 
昨日の私には

 
どうしてもその日のうちに
行っておかねばならないところ
ありました。
 
 
 
 
 
 
それは
 
 
近所で一番大きいデパートの
おもちゃ売り場
 
 
ペットショップ
 
 
 
 
子どもたちのクリスマスプレゼントが
手に入れられると考えられる場所です。
 
 
 

 
 
 
先週末に準備をしようと思っていた
プレゼントでしたが
 
 
 
しかしその週末に
事件は起こってしまったのです
 
 
 
 
 
 
それからというもの
 
プレゼントを買いに行く余裕は
とてもではないけれども無く

 
 
 
それどころか
 
 
欲しいものすらも
完全に聞き出すことが
出来ていなかった
ため
 
 
 
 
 
「今からプレゼントを見付けるのは
かなり難しいかもしれない」
 
 
諦めてしまいたくなる気持ちも
あったのですが

 
 
 
 
それでも私には
 
 
諦めてはいけない理由
がありました。
 
 
 
 
 
 
それは
 
 
クリスマスを楽しみにしていた長女から
発せられた
という
 
 
 
 
彼女が
今回の事件で負った
心の傷の大きさを物語る
 
 
衝撃的な言葉でした。

 
 
 
 
 
 
これは私が直接聞いたのではなく
私の母が聞いた言葉で
 
 
 
もしかしたら選んだ言葉や
 
使った言葉のニュアンスが
違ったかもしれないことは
 
 
お断りしておきますが
 
 
 
 
 
長女は母に
 
 
「もし犯人が見付かったら
私が犯人を殺したい」
 
 
と言ったそうなのです。
 
 
 
 
物騒な表現ですみません。
 
 
 
 
 
 
しかし
 
母の私が言うのも
おかしいかもしれませんが
 
 
 
長女は以下の投稿

 

「「子育てって難しい!」とつくづく感じた、

長女の親友との初めてのケンカ!」

 
にも書いたような
 
 
 
とても心の優しい子です。
 
 
 
 
 
 
その長女が
 
 
そんなことを言う程
幼い心が追い詰められていたこと
 
 
そして
 
 
それを私の前では決して見せない
長女の気遣い
を知り
 
 
 
 
 
私はこの事件が起こってから
 
初めて泣きました。
 
 
 
 
 
 
ベッドに横たわる夫の姿を見ながら
 
 
「かわいそうに...」と横で泣く母を見ても
こぼれなかった涙が
 
 
 
目からぼろぼろ溢れました。

 
 
 
 
 
そして
 
 
「何としてでも
クリスマスプレゼントだけは
準備する」
 
 
 
そう心に誓ったのです。

 
 
 
 
 
 
まず向かうは
 
デパートのおもちゃ売り場。
 
 
 
 
お目当ては次女が欲しがっていた
人形のセット。
 
 
 
 
念のためにと
携帯に商品の写真を
忍ばせていったのですが
 
 
 
早速
 
売り場から商品を発見してきた
長女と次女。
 
 
 
 
「これは探す手間が省けてラッキー」
 
と思いながら
 
 
「どれどれ...」
 
と値段をチェックしてみると

 
 
 
何と約3万円なり...。
 
 
 
 
 
 
「いやいや、さすがにそれは...」
 
と母サンタは
動揺を隠し切れないまま
 
 
 
「サンタさんには、
ちょっと高過ぎるんじゃないかな...」

 
 
と半ば強制的に
他の商品を見るように促します。
 
 
 
 
 

そして
 
別の商品への妥協が見られたところで

 
 
 
娘たちの目を盗み
 
お会計へ。
 
 
 
 
 
但し
 
 
大きな紙袋を持って帰ったら
やはり
どう考えたって怪しい

 
 
 
 
仕方なく
商品を預かっていてもらい
 
 
後程
取りに伺えるように
 
店員さんにお願いします。
 
 
 
 
 
 
非常に快く
私の願いを聞き入れてくれた

 
心優しい店員さんに
 
 
 
温かい気持ちにさせてもらいつつ
 
 
 
 
 
お次は
 
ペットショップへ。
 
 
 
 
長女のお目当ての
ハムスターを探すため
です。
 
 
 
 
 
もちろん建前は
 
 
長女が既に飼っている一匹のハムスターに
クリスマスプレゼントを買ってあげよう
 
というものです。
 
 
 
 
 
 
これは長女の発案だったため
 
 
おそらく
怪しまれてはいないはず
 
でした。
 
 
 
 
 
しかしペットショップに着いて
 
 
大問題が発覚したのです。
 
 
 
 
 

何と
 
 
ハムスターケージに
ハムスターが一匹もいない
 
 
 
 

店員さんに確認してみても
やはり「品切れ」
 
 
しかも
 
「次回入荷の見込みも分からない」
とのことなのです。
 
 
 
 
 

「これは終わったか...」
 
とまたまた
母サンタは動揺を隠しきれないまま
 
 
 
 
頭の中で
 
 
もう1つのプレゼント候補であった

アップルウォッチ
(これももちろん強制的に他の選択肢に促され済)
を買いに行かねばならないか
 

とぐるぐる考えます。
 
 
 
 
 
しかし
 
諦めるのはまだ早いはず。
 
 
 
 
 
 
娘たちが
ハムスターへのプレゼントを探しに
二階へ上がったところを見計らって
 
 
 

店員さんに
 
 
娘へのクリスマスプレゼントとして
ハムスターを購入したいのだけれども

この辺りに他に売っていそうなところを
知らないか」
 
 
と尋ねてみます。
 
 
 
 
 

すると
 
 
奇跡のようなことが
起こった
のです。
 
 
 
 
 
これまた親切な店員さんが
 
 
「そういうことなら…」
 
 
最後に残っていた一匹を
取り出して来てくれた
のです。
 
 
 
 
 
 
その一匹は
 
 
長女が希望していた
真っ白のものではなかったのですが
 
 
 
 
今現在飼っているハムスターに
そっくりな縞柄で
 
 
 
店員さんもお墨付きの
 
目がくりくりとした
とてもかわいい子。
 
 
 
 
 
これなら
間違いなく気に入ってくれるはずです。
 
 
 
 
 
 
そしてこれまた
 
後程
取りに伺わせていただくことをお願い
 
 
 
ひとまずは家路に着きます。

 
 
 
 
 
 
本当は帰り道に
 
 
肉屋さんで長女の好きな
骨付きのスモーク鴨肉を
買って帰りたかったのですが
 
 
 
 
私の足をどうしても

最後までその店に向けることは
出来ませんでした
 
 
 
 
 
 
何故なら
 
 
そこへ行くためには
 
 
 
事件の現場近くを
通らねばならなかったから
です。
 
 
 
 
 
 
もうすっかり暗くなってしまった
その時間に
 
そこへ行くことは
 
 
 
どうしても憚られました
 
 
 
 
 

それこそが
 
 
夫が経験したことから得た学びが
 
 
自分にしっかりと根付いたとも
言えるのかもしれませんが

 
 
 
 
しかしその結果として
 
その日
 
 
「少し豪華なディナー」
実現させることは
 
出来ませんでした
 
 
 
 
 

それどころか
 
「チーズケーキを一緒に作ろう」
と言っていた約束も守れなかった
 
 
 
 
ディナーの時に
 
長女が段ボールを使って手作りした
母へのプレゼントを渡そう
 
との約束すらも
 
 
 
 
家を抜け出し
プレゼントを無事に回収してくる計画で
頭がいっぱいで
 
 
守ることが出来なかった
 
 
 
 
 
 
自分の不甲斐無さに
泣けてきます

 
 
 
 
 
それでも
 
 
何も言わずに
 
家族で囲む至って普通の食事を
楽しそうに食べてくれる
長女。

 
 
 
 
そして
 
 
何度も何度も私に
 
 
 
「サンタさんって本当にいるのかな?」
 
「ママはサンタさんって信じていた?」
 
 
と聞いて来るのです。
 
 
 
 
 
更には
 
 
「サンタさん、
ハムスターは見付けられないかもね」と。
 
 
 
 
 
 
 
「この子には
全て分かっている」
 
 
そう思ったら
 
 
 
また目に涙が溢れそうになりましたが
 
 
 
 
それを必死で堪えます。
 
 
 
 
 
 
 
「サンタさんに会いたい」
 
と眠い目をこすりながらも
 
 
3人娘の中で
最後まで耐えていた長女が
 
 
耐え切れず寝てしまった後
 
 
 
 
「長女は
これがサンタさんからだと
信じてくれるだろうか...」

 
 
 
そう思いながら
 
 
ツリーの下にプレゼントをセットします。
 
 
 
 
 
 
 
そうして迎えた
 
今日
 
 
クリスマスの朝。
 
 
 
 
 
娘たちが起きるのを
 
 
目を閉じ
寝たふりをして待ちます。
 
 
 
 
 
次女が一番に目を覚まし
 
「プレゼントがある!」と。
 
 
 
 
 
 
その声を聞いて
 
長女も起き出します。
 
 
 
 
 
 
「ハムスターだった!」と
 
 
寝室にいた私に
叫んで教えてくれる長女。
 
 
 
 
 
 
果たして
本当に信じてくれたのかどうか
 
 
半信半疑ではありますが
 
 
 
 
 
「ハム子(現ハムスター)にそっくり!
かわいい~」
 
 
と喜ぶ笑顔に
 
 
 
ようやく安心することが出来ました。
 
 
 
 
 
 
 
新しく家族に加わったハムスターは
ハム美と名付けられ
 
 
長女はハム美のお世話に大忙し。
 
 
 
 
 
 
 
厳密には
 
 
プレゼントをソリに乗って運んで来てくれる
サンタさんは
 
 
いないかもしれない。
 
 
 
 
 
 
けれども
 
 
長女が大きくなった時に
もしこのブログを読んでくれたのなら
 
 
 
 
あの凄惨な事件が
私たち家族に降りかかったことを知って
 

私たちに心を配ってくださった方たちや
 
 
 
 
プレゼントを手に入れるために助けてくれた
母や店員さんたちといった
 
 
たくさんの「サンタ」が
 
 
 
 
彼女の周りにいたことを
知ってもらえたら嬉しく思います。
 
 
 
 
 
 
 
普段は人に頼るのが
非常に苦手な私ですが
 
 
ここまで読んでくださった
親切なあなたに
 
 
私へのクリスマスプレゼントを
お願いしても良いでしょうか。
 
 
 
 
 
 
ブログのコメントに
 

長女のために
 
「メリークリスマス」と
 
 
メッセージを残しては
いただけないでしょうか
 
 
 
 
 
 
今の長女は
 
私が受け取っているたくさんの愛の存在を
知りません。
 
 
 
 
 
それを未来の長女へ
目に見える形で
残してあげたいのです。
 
 
 
 
 
 
彼女がこの事件によって
心に受けた傷が
 
 
彼女の未来に
どのような影響を及ぼすのか
 
 
今の私には分かりません。
 
 
 
 
 
しかしもし将来
 
 
生き辛さを感じるようなことが
あった時に
 
 
 
 
彼女が一人ではないことを
 
 
世の中には愛が溢れていることを
 
 
 
伝えたいのです。
 
 
 
 
 
 
メリークリスマス
 
私の大切な子どもたち。
 
 
 
そして
 
 
みなさんが素敵な日を過ごせることを
お祈りして。
 
 
ママサンタの下に届いた長女からのクリスマスプレゼント
 
 
 
 

最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。