「食虫植物ウツボカズラ」-2(甘い誘惑の死のワナ)
 
そんなボルネオ島に期待を持ってやってきたのは、自然写真家の山口さんです。
山口さんは、ノート・ジャポニカ学習帳の表紙の写真など、
40年にわたって自然の写真を撮り続けてきました。
世界中で不思議な植物を追い続けてきた山口さんですが、今関心を持っているのが食虫植物です。
ボルネオには、ひときわ特徴的に食虫植物があるといいます。
 
「ウツボカズラをじっくり見たいと思っています。ずっと楽しみにしてきましたから…。
  面白いウツボカズラに出会えることを期待しています。」
 
ヤブをかき分けて探すと、ここにも、そしてここにも…。
早速発見、ぷっくらとした可愛いウツボカズラです。大きさといい形といい、まるでカップみたいです。
足元にも見つけました。大きさ5センチほどの小さなウツボカズラです。少し歩くだけで次々に見つかります。
 
「これは大きい、超特大ですね。」
 
大きいものから小さいものまで、この森はウツボカズラの宝庫です。
山口さんが見つけたウツボカズラは、フラレシアナと呼ばれています。
どうやって虫をつかまえるのか、ウツボカズラでじっくり観察してみましょう。
よく見るとツボの底からフチの方まで、トゲのついたフリルのようなものが延びています。
そこを使ってアリが昇ってきました。そのままフチを歩き始め、ツボの中に落ちてしまいました。
中には水のようなものが溜まっています。アリはすぐにおぼれて死んでしまいます。
ウツボカズラの中に入っていたのは、ウツボカズラが分泌した消化材です。
この液でツボの中に落ちた獲物を消化して、栄養として取り込みます。次々に落ちていくアリ。
フチの部分がつるつるに滑りやすくなっています。さらにフチが立ち上がった部分はテカテカ。
ここから甘いミツが出ます。アリはこのミツにおびき寄せられて、さらに奥へと進みます。
そして、傾斜が1番きついところに来ると絶え切れず落ちてしまうのです。
虫をおびき寄せる仕掛けと滑りやすい構造を組み合わせた周到な作戦です。
虫たちに取ってウツボカズラは、甘い誘惑の死のワナなのです。

 

「食虫植物ウツボカズラ」-1(ユニークな生き物が暮らすボルネオ島)
 
食虫植物の宝庫といわれているのが東南アジアのボルネオ島です。
特にツボ型の袋をつけるウツボカズラの種類は世界一です。
ツボの周りを滑るようにして昆虫を落とし、中に溜めてある消化液で溶かして食べてしまうのです。
ところがアリが液体の中をすいすいと泳いでいます。実はそれこそがウツボカズラの作戦なのです。
ウツボカズラとアリがなぜか助け合う秘密のツボの中で繰り広げられるコラボとは、
一体どうなものでしょうか。追って見ることにいたします。
 
ボルネオ島には、不思議な生き物がたくさんいます。
鬱蒼としたジャングルの中に響く声は、ボルネオ島の人気者オランウータンです。
木の上で生活する動物の中で最大の霊長類です。足の2倍もある長い手で、枝から枝にわたっていきます。
 
変わり者は他にもいます。空飛ぶトカゲです。その名も「トビトカゲ」。
高い木の上で暮らすうちに、空が飛べるようになりました。
また大きな目の珍獣ヒヨケザル。名前にサルとついていますが、サルの仲間ではありません。
別名コウモリザルの名があるようですが、ヒヨケザル科に属します。
何とも奇妙な姿をしていますが、体長33~42cm、翼開 長65~75cm。
100メートル以上飛ぶことがあるといいます。ユニークな生き物の多いボルネオ島です。

 

「失われたアフリカの歴史」-18(終)(今も生き続ける白人文化の神話)
 
現在でも大企業が繁栄したり没落したりしています。ここでは互いに裕福さを競い合う財産が、
代々目減りしていったのかもしれません。
またこの地に悪い疫病が大流行して、この地の商品が激減したのかもしれません。
それは大ジンバブエ王国、スワヒリ地域の栄光の終焉でした。
16世紀の終わりには、建造物は打ち捨てられたままになりました。
それだけではなく彼らの文化、伝統は、最もむごい運命に苦しめられるようになるのです。
 
「全ての社会は、自分たちは何を記憶したいかを選び取ります。しかし、アフリカ人たちは長い間、
  彼らの歴史は完全に否定され続けてきたのです。思い出してみてください。
  人類が最初に出現したのはアフリカであり、人類が最初に足跡を残した大地はアフリカであったことを…。
  であれば人類最初の住人が正当の評価を受けることは当然です。
  私たちはこのことが理解されていないために、そんな代償を払い続けているのです。」
 
初めてアフリカ大陸を訪れたヨーロッパ人たち入植者は、
素晴らしい財宝と美に彩られた失われた白人の文化を発見することを追い求めてきました。
驚くべきことに、こうした神話が今もなお生き延びていることです。
 
ここは南アフリカ共和国にある失われた町、伝説の白人種族をイメージして造られた、
生きたモニュメントです。そこは南アフリカのサンシティーのリゾート地の一部です。
世界で最も贅沢なテーマパークで、人工的に造られたビーチは、
休息を楽しむ南アフリカの白人たちで賑わっています。
数千人の南アフリカの黒人たちが提供している労働力は、失われた白人がここでということを、
現実のものとして保たたせているのです。毎日夜になると仕事から解放された彼らは、
リゾート施設とは全く関係のない、丘に隠された貧民街に戻ります。
 
もしかすると何世紀か後、考古学者は、これを廃墟として発掘し、
そしてこれぞ白人の遺物であると判断するに違いありません。
 
(おわり)