「かぐやが月に空洞を発見」
 
2017年10月18日、JAXAは月に複数の巨大な空洞を発見したと発表しました。
月周回衛星かぐやは、2007年に打ち上げられ、およそ10年にわたって月のデータを集め、
解析されてきました。日本の月探査衛星かぐやのデータを詳しく調べた結果分かったものです。
JAXAは、かぐやに搭載された電波レーダーによって取得したデータから、
月火山周辺の地下数百メートルの深さに、複数の空洞があることを発表したものでした。
確認された地下空洞には、長さ数十キロにも達するものがあるといいます。
 
月の地下には溶岩が流れた溶岩チューブが存在すると考えられていました。
こうした地下空洞は、水などの揮発性物質が見つかる可能性があるほか、
宇宙の厳しい環境から守られ、温度も安定していることから、
将来の月面基地建設候補としても有用されています。
 
今回地下空洞が見つかったのは、月面のマリウス丘で、2009年にはかぐやの地形カメラによる
画像データによって、マリウス丘に通常のクレータとは違う、直径50メートルの縦穴を発見し、
さらに調査すると縦穴の底に数十メートル以上の空間が広がっていることが確認されました。
地下空間は直径50メートルほどの縦穴で月面とつながっているとみられ、
外部の昼間気温は300℃あるとされ、昼と夜の温度差や宇宙から降り注ぐ宇宙線の影響も受けにくく、
水を含む鉱物の存在の可能性もあるというのです。
 
月では約10億年前までは大規模な火山活動があったと考えられています。
火山活動で溶岩が流れると、表面は冷えて固まりますが、内部は熱いまま流れ続け、
その結果、空洞として残ったとみられています。
将来月の有人探査でこの空洞を基地に利用できれば、宇宙線や激しい温度差環境の影響も和らげられ、
氷も水も燃料などに活用できると期待されており、縦穴も他にもあって、
将来的に基地を作るにも、絶好の適地だと話しています。
 
JAXAは、地下空洞が存在する可能性が確実になったことで、月の地下空洞の研究をさらに進め、
空洞の探査や月面基地建設に役立つ情報を得ていきたいと話しています。

 

 

「ハチクマとミツバチ」-5(終)(おとなしくなったスズメバチ)
 
翌日再びハチクマがやってきました。オオミツバチはまたしても巨大化作戦で対抗。
ハチクマは攻めあぐんでいます。よっぽど怖いのでしょうか。
ようやく50センチまで近づきますが、あと一歩が踏み出せません。
この緊迫したにらみ合いは、1時間以上も続きました。
そしてハチクマは、結局巣を襲うことができなかったのです。こんな状態で…。
しかし、ハチクマは確かにオオミツバチを食べているという証拠を見つけたのです。
この巣を見ると、ところどころ凹んでいます。これはハチクマが巣を突いたものと考えられます。
そしてハチクマがやってきました。状況から襲ったのは最近だったようです。
もう少しのとこで撮影はできませんでした。でも他の巣を襲った映像があります。
 
ハチクマがミツたっぷりの巣を食べ始めました。
「しかし、オオミツバチがハチクマを襲っていなじゃないですか。」
 
これには以前に撮影した映像にヒントがあります。これは台湾のハチクマです。
相手は巨大な巣をつくるアマアカスズメバチで、ハチクマはハチの攻撃を受けながらも、
巣への攻撃を繰り返しました。
するとやがてハチが攻撃しなくなったんです。この時スズメバチは魔法にかかったように動けなくなりました。
先ほどのオオミツバチに似ているとは思いませんか?。
詳しいことは分かっていませんが、ハチクマがハチの反撃を抑える何かの物質を体から出し、
それに触れるとハチは次第におとなしくなる。
あるいは、ハチクマの攻撃を受け続けると巣をあきらめて抵抗しなくなるのではないかと考えられます。
 
長い間、ハチとの攻防を繰り返してきたハチクマには、私たちの知らない能力があるのかもしれません。
4月下旬、タイ南部の森で、たっぷり栄養を蓄えたハチクマは旅立っていきます。
そして5月中ごろ、再び日本に戻ってきます。この時オスは独特な飛び方を見せます。
恋の季節がやってきたのです。
 
(おわり)

 

「ハチクマとミツバチ」-4(ハニーハンターのハチミツ取り)
 
世界で1番高いヒマラヤ山脈。ここにもオオミツバチの仲間がいます。
巣があるのは断崖絶壁。このヒマラヤオオミツバチのハチミツを取る人がいます。
一体どうやって取るのでしょう。葉っぱを集めて燃やし始めました。
するとたくさんの煙で崖がおおわれます。白っぽい巣が見えてきました。
煙で混乱したオオミツバチが巣を離れ始めたのです。さらに煙にはハチたちの活動を鈍らせる効果があります。
ナワバシゴを使い巣に近づいていくハニーハンター。ハチの攻撃が緩んでいる間に巣を切り取ります。
ハチミツが垂れています。ハチが攻撃力を取り戻したら大変で、作業を急ぎます。
しかし、巣を全部とるのではないのです。必ず半分は残します。
こうすることでまたハチが戻ってくるからです。カゴが下りてきました。取るのは危険ですが、味は絶品です。
生き物の性質をよく知り、恵みを分けてもらう。これが大自然のご馳走です。
 
タイ南部のハチクマとオオミツバチの戦いに密着して1ヶ月。願ってもない情報が飛び込んできました。
山間の村に多くのハチクマが来ているというのです。現場に向かい観察すると20羽を超えるハチクマを目撃。
これなら決定的な瞬間が撮影できるかもしれません。早速オオミツバチの巣を探していると、
村人が有望な巣を教えてくれました。なんと先ほどまでハチクマがいたというのです。
 
「この時期は多くのハチクマをよく見かけます。今朝もこのヤシのてっぺんでじっと止まっていましたよ。」
 
これまでにない絶好の条件。取材班は撮影準備を整え待つことにしました。
ある朝、ハチクマが現れました。しかも2羽です。さらにもう1羽。
するとオオミツバチは音を立てて威嚇を始めました。ハチクマの気配に気づいたようです。
その時です。ミツバチに異変が起こりました。
 
巣がどんどん大きくなっていくのが分かります。一体何が起こっているのでしょうか。
下の方を見るとオオミツバチの群れが透けて見えます。
オオミツバチが密集していたのを緩め、広がっていたのです。
よく見るとミツバチの群れが下へ下へと移動しているのが分かります。
まるでカーテンのように広がっています。元の大きさの3倍にもなりました。
オオミツバチはこうして巣を大きく見せることで、ハチクマを威嚇しているのです。
 
対するハチクマは、巣の横にやってきました。巣をじっと見つめています。
ついに攻撃と思いきや逃げ出しました。するとオオミツバチは一気に反撃に転じます。
ハチクマは遠くに退散するしかありません。そしてこの日は巣に戻ってはきませんでした。