「ナスカの地上絵」-3(ナスカ地上の物質的特徴を解明)
 
「問題はこの地上絵をどうやって作ったかだ。」
「地理的条件が関係あるんですかね。」
「数学的技術は?。」
「好奇心は謎を解くカンフル剤だからね。」
 
今でも多くの謎に包まれたナスカの地上絵。この地上絵はどのように描かれたのか。
その謎を解明するには、ナスカの地上の地質的特徴を見てみる必要があります。
この砂漠は、砂と粘土と方解石からなる黄色の大地の上に、赤褐色の岩石のかけらがおおっています。
従って5センチほど掘れば明るい地面が現れます。
つまり砂漠の表面をひっかくことで違う地面を露出させ、絵を描くことが簡単にできるのです。
さらに気候的特徴はというと、ナスカ平原では1万年もの間、ほとんど雨らしい雨が降っていないとされています。
極度に乾燥していて1年に1度、30分ほどの雨しか降らないのです。
しかもその雨は80キロ西の太平洋から水蒸気が運ばれ、その水蒸気には大量の塩分が含まれており、
その塩分が地表を酸化させ、大地を固めるのに役立っているのです。
そのため2000年以上前の地上絵は、そのままの姿で残されているのです。
 
それでは2000年前の古代ナスカ人たちは、いかなるテクノロジーを使って、この絵を描いたのでしょうか。
そこで日本図学会の第一人者、東京芸術大学の小山教授に話をうかがいました。

 

「ナスカの地上絵」-2(2000年前に描かれたもの)
 
中でも興味深いのは動物の絵です。
サルやトリなどの動物の絵やトカゲやサカナなどに形作られた絵は、
大きいものでは300メートルにまで及ぶものもあります。
例えばコンドルを描いたと思われる絵は、全長120メートル、ちょうどサッカー場くらいの大きさです。
そしてクシグモと呼ばれる地上絵には、驚異的としか言いようのない描写力がありました。
「リキヌレイ」と呼ばれるクモで、全長1センチにも満たないクモをモデルにしているのです。
注目はこのクモの右側の足で、図には右足の一本から水平に伸びたものが見て取れます。
これは一体何なのでしょうか。実は「リキヌレイ」の足を顕微鏡で拡大して見てみると、
絵と同じような突起物があることが分かるのです。それは生殖器だったのです。
つまり、この右足に突き出たものは生殖器です。
現在でも顕微鏡でしか見られない、この1センチにも満たないクモの生殖器を
どのように知ったのでしょうか。
しかもこのクモは、ナスカ平原から1000キロも離れたアマゾンの奥地にしか生息していない
種類なのです。このようにナスカの地上絵には、驚愕的な謎が秘められているのです。
 
では一体このような地上絵は、いつ作られたのでしょうか。
アメリカ人でペルー史研究家のダンカンストロングが、
1952年に地上絵上に残された木片を放射性炭素測定機にかけて測定したところ、
今から2000年前のものだと明らかになりました。
従ってこの地上絵は2000年前に作られたと想定されています。
2000年前、この付近の墓から土器やミイラが出土し、ナスカ文明が栄えたとされています。
ナスカ文明は色彩が施された土器と、色彩豊かな美しい織物、
そして優れた灌漑設備が残されているのが特徴としてあげられています。
これらを編み出したのも古代ナスカ人であり、
地上絵を描いたのもナスカ人であることは間違いないといいます。
 
しかし、大きな謎が残されています。
優れた文明を残したとはいえ、2000年前にどのようにこの地上絵を描き、
何の目的で描いたよいうのでしょうか。
この巨大な地上絵は地上からは見られないので、その全体像は分かりません。
しかも周りには、地上絵を見渡せるという建造物の痕跡もないのです。
何もない壮大な砂漠の上に彼らは一体どのようにして巨大な地上絵を描いたのでしょうか。
そして、その目的とは一体何だったのでしょうか。

 

「ナスカの地上絵」-1(地上絵の発見)
 
1936年、アメリカ・ロングアイランド大学で古代農業歴史学部で研究していたコソック教授は、
ペルーの灌漑農業を調査するため、ペルー南部の砂漠の上を飛んでいました。
そして彼は信じがたい光景を目の当たりにしたのです。
それは広大な砂漠に描かれた巨大な多数の図柄でした。
そこには700本もの直線や渦巻、三角形や円形などの幾何学模様と共に、鳥やクモなどの動物模様、
そして人間までもの多様な絵が描かれていたのです。
世界の文化遺産を知り尽くしていたコソック教授は、それが世紀の大発見であることを確信します。
彼は直ちに報告書をまとめ、文献を世界中に発信しました。
20世紀に入るまで、そのほとんどが知られていなかった地上の不思議な古代図は、
砂漠の町ナスカにちなみ、いつしか「ナスカの地上絵」と呼ばれるようになりました。
 
しかしこの巨大な地上絵は、我々人間が地上で見たのでは、とてもわからない。
中には高度300メートル以上でなければ、その全体を見ることができないものもあります。
果たしてこの巨大な図柄は、いつだれがどのようにして作ったのか。
そして一体何を意味するものなのでしょうか。
この不思議なナスカの地上絵は、ペルー南部の太平洋とアンデス山脈の間に挟まれた、
520平方キロにわたる広大な砂漠の中にあります。
そしてこの地上絵には、いくつかの謎があります。直線、幾何学模様。
直線は700本以上もあり、数メートルから長いものでは65キロ以上もあります。
65キロといえば東京駅から平塚駅までの距離。
しかしこの線は、砂漠とはいっても地上にはかなりの高低差があるにもかかわらず、
驚くまでに正確に直線を描いているのです。
 
さらに渦巻やジグザグ模様も10メートルから300メートルまで、
実に精密に間隔を保って描かれています。それは巨大なコンパスで描いたようにです。