「シワと老化現象」-8(終)(夢のテロメア治療)
 
なぜ生殖細胞やガン細胞は、永遠に細胞分裂ができるのでしょうか。
 
「テロメラーゼという酵素があるんです。この酵素が働いているために、細胞が分裂を繰り返していても
  テロメアは短くならないのです。」
 
つまりテロメラーゼという酵素がテロメアを短くさせない働きをしているのです。
アメリカのベンチャー企業の研究チームが実験に使った酵素もやはり、
テロメアを修復する力があるテロメラーゼだったのです。
 
「我々はテロメラーゼを体細胞の中に入れ、テロメラーゼを発現することに成功したのです。
  すると通常50回ほどで終わる分裂が20回以上も多く細胞分裂しました。」
 
ではこの研究の成果は、人類にいかなる希望を持たせるのでしょうか。
 
「この成果を生かし、テロメア治療が確立されれば、細胞の老化を止めることができ、心臓病や皮膚の老化など、
  さまざまな老化に伴う病気に応用できる可能性があります。」
 
この夢の治療法が実現すれば、皮膚は若いことの弾力性を保ち、いつまでもシワとは無縁でいられます。
体も健康な状態が保たれ高齢出産する人も増加します。
病気を心配することなく、いつまでも健康で仕事ができ、80歳定年時代も到来するかもしれません。
正に社会自体が大きく変わる時代が来るかもしれないといいます。
 
では夢のテロメア治療がいつ事実現するのでしょうか。
 
「テロメア治療は将来的に実現可能だと思います。しかし、具体的にいつになるという時期については未定です。
  あくまでも夢の治療法なんです。」
 
誰しも受け入れてきた老い。老化の時計を将来止められる日が来るのかもしれません。
 
「な~んだ、それってまだ先の話~?。それじゃ~私たちシワクチャなおばあちゃんになってしまう
  じゃないですか~。そのためにも毎日のお肌の手入れを欠かしちゃだめなのよね~。」
 
(おわり)

 

「シワと老化現象」-7(テロメアとは老化を進めるタイマー)
 
なぜコピーしたDNAが短くなってしまうのでしょうか。
その原因について、アメリカで話題となったフロー革命の著者ホッセル博士は次のように語ります。
 
「それはDNAの末端部分であるテロメアが短くなってしまうからだと考えられます。」
 
「テロメア」とはDNAの末端部分のことです。
DNAを靴のヒモに例えると、テロメアとは先端部分にかぶせるキャップのようなものです。
テロメアはDNAの情報を保護するほかにも、靴のヒモはそうであるように、DNAがほぐれてバラバラになり、
他のDNAと絡まないような役目を果たしているといわれています。
しかし、遺伝子情報が載っているDNAの先端にあるテロメアは、
細胞分裂を繰り返すたびに短くなってしまいます。
そして、テロメアが一定以上に短くなってしまうと、以降は分裂をしなくなってしまいます。
この限界の分裂回数は、生物の種類によって異なりますが、人間の細胞の場合、
50~60回程度と言われています。
つまりテロメアとは、細胞の老化を進めるためのタイマーのようなものだったのです。
だからこのタイマーが進まないようにすれば、つまりテロメアが短くならなければ、
細胞分裂を半永久的に繰り返すことが可能になります。
ところが先のアメリカのベンチャー企業が、細胞を長生きさせる実験に成功した以前から、
不死化した細胞は知られていました。
その細胞とは…。
 
「いくら分裂を繰り返してもテロメアが短くならない、そういう細胞があるんです。その一つは生殖細胞、
  もう一つはガン細胞なんです。」

 

「シワと老化現象」-6(細胞分裂はおよそ50~60回まで)
 
「とにかく予防するしかないんですね。毎日の心がけかぁ。」
 
人の体は60兆個の細胞で構成されています。
これらは分裂を繰り返していますが、やがて細胞分裂をやめてしまうために、
我々は老化現象から逃れることはできません。
細胞分裂は、およそ50~60回繰り返した後、分裂をやめてしまいます。
老齢化すると細胞分裂が衰えるため、細胞が減少してしまいます。
皮膚も細胞の数が減少するため、シワができる老化現象から逃れることはできません。
 
しかしここにきて、アメリカからビッグニュースが飛び込んできました。
アメリカテキサス州のベンチャー企業が、細胞の寿命を延ばすことに初めてで成功したというのです。
実験は1997年春、実験に使われた細胞は、すでに40回ほど分裂を繰り返した細胞でしたが、
1年たった細胞は、1年に180回分裂したにもかかわらず、いまだに分裂しているというのです。
 
では一体どのようにして細胞の寿命を延ばすことに成功したのでしょうか。
まずは人間の細胞を見てみましょう。細胞には必ず核があり、その中には23対46本の染色体が納まっています。
その中に人間の設計図ともいわれるDNAが入っています。
細胞分裂の際、DNAがほどけて情報をコピーし、まったく同じ情報をコピーしたDNAが作られ、
細胞が新たに誕生します。しかし、このコピーの際に、ちょっとした問題が起こっているというのです。
それは、遺伝子情報が載っている遺伝子をコピーするたびに、少しずつ短くなるというのです。
これがやがて細胞分裂をしなくなる原因だと考えられています。
ではなぜコピーしたDNAが短くなってしまうのでしょうか。
その原因について、アメリカで話題となったフロー革命の著者ホッセル博士は次のように語ります。