「失われたアフリカの歴史」-11(東アフリカ沿岸のスワヒリ商人たち)
 
「最初にこの地に訪れたビクトリア時代の調査官は、このトウモロコシの穂の形をした塔は、
  性的なシンボルと解釈しました。つまり男の象徴だというのです。
  この解釈は折に触れてよみがえりましたが、形にしても装飾にしても、確かな証拠は何一つありません。
  しかし、断片的な言い伝えから、食糧を蓄える大きな塔ではないかともいわれています。
  それによって民衆に糧を与えていた絶対的な権力を誇示した王の姿が浮かび上がってきます。」
 
西暦1300年頃に、このような巨大な建造物を建てるには、活発な経済力を必要としました。
そしてその力の源となったのは牛です。首長のチームは、彼らが飼っている家畜の数に基づきました。
財産の有る男は家畜をたくさん飼っていました。妻も何人も養い、子供も大勢育てられます。
より多くの畑を耕すために、多くの労働力がまかなえるというわけです。
あまり仕事のない乾季の間は、黄金を掘る工夫となります。
狭い坑道を掘るのは危険な仕事です。それでも男たちは進んで地下へ降りていきました。
最も好まれたのが砂金拾いです。黄金は王の専有物でした。
王は黄金を掘るものには、家畜で給料を払い、黄金は自分たちのために確保されました。
 
王たちは、東アフリカ沿岸のスワヒリ商人たちが扱っている商品と交換したり、買ったりするためです。
最盛期には大ジンバブエに流れ込む黄金や象牙の量を調節していました。
そして、この交易は、最も素晴らしい交易をうながしたのです。
 
14世紀、東アフリカのスワヒリ沿岸地帯は、エキゾチックな場所でした。
アラブ人の船乗りたちは、この地帯が最も活気があって、裕福で世界で最も美しい都市であると称賛したのです。
この地が伝説的なシンドバットの冒険やアラビアンナイトの舞台になったのです。
ペルシャジュータンがアフリカの象牙と交換され、陶器が黄金と交換されました。
インドやアラブ、さらに極東からの商人たちは、スワヒリ商人の仲介業者と取引をしなければなりませんでした。
彼ら中世の仲買人たちがアフリカ内陸部の商品と異国の商人たちと結び付ける唯一の商人たちでした。
スワヒリ人はダウといわれる沿岸貿易用の帆船を作り、
油断すると危険な地域をめぐって各地の貿易港へ向かいました。
海を支配することによって彼らは、その商業圏をしっかりと掌握したのです。

 

「失われたアフリカの歴史」-10(大ジンバブエ遺跡は民衆が記念碑として建てた?)
 
この石の大きな鳥は、王の力のシンボルでした。聖地から発見された数少ない偶像の例です。
 
「これはアフリカのこの地に住んでいたバトゥ語の一種を話す人々が、
  どれほど高い文化に達していたかを表しています。
  彼らは富を蓄え、ジンバブエに建てたような構造物を建てました。
  これらを見ると彼らの傲慢さや存在感が想像できます。
  それはルイ14世がベルサイユ宮殿を作らせたと同じ大きな狂気です。
  ベルサイユは一人の男が住む宮殿ではなく、彼の持つ富を誇示するもので、国家とは何か、
  彼は何を考えていたのか、こういうものの象徴でした。
  そしてここに住む人々も同じ狂気にとらえられ、こうした巨大な美しい構造物を造らせたのです。」
 
大ジンバブエの遺跡は、何世紀もかかって献身的な民衆の手によって築き上げられたのです。
外側の石だけで100万個の石が使われています。
住民の1人1人が支配者のために、毎月7日間の労働が奉仕されました。奴隷労働ではありません。
彼らは自分たちの存在を支え守るためのものを称えるために、この記念碑を建てたのです。
 
最初にこれらの壁を建てた人々は、花崗岩が露出したところへやってきました。
何世紀もそうしてきたように、先祖が築いた壁を修復するために、石を切り出しています。
花崗岩を火で熱し、水を流すと割れて厚い板のようになります。
それから時間をかけて割り、形を整えて石の壁として積み上げていきます。
彼らはどのように壁を築き上げたかは理解できても、なぜ築いたかは議論の的となっています。
 
巨大な壁は要塞か、あるいは王宮だったのでしょうか。
そびえ立つ壁の間の細い道は、議論を呼びました。中には一人前の女になる祝いの儀式で、
男がのぞき見することを防ぐためのものだとするものまでありました。
この大きなトウモロコシの穂の形をした塔は、いまだに謎のままです。

 

「失われたアフリカの歴史」-9(霊媒師による国の統率)
 
この地方に住むショナ族の人々は、大ジンバブエを建てた人々の子孫だと考えています。
現代のショナ文化において、霊媒師が行う儀式において霊は人々と接触しています。
アクロポリスの下の洞穴で、その儀式が行われるのです。
 
「ショナ族は信心深い人々で、祖先は永遠に去ってしまったのではなく、
  本当は生きているのだと固く信じています。霊媒師を通じて罪人を罰したり祝福したり、
  また子孫のために祈ったりすることができると信じていて、祖先の言いつけに従わないものがいたら
  悪運に見舞われるというのです。」
 
スタンムデンゲは、ジンバブエ政府の大臣で、ショナ族について研究を行っています。
 
「ショナ族の間では、支配者の霊というものが、最も強力なものだとされています。
  その支配者が霊媒者の霊に乗り移ることによって、その霊媒者が支配者に相当するものとして、
  人々から崇められているのです。」
 
城砦の上、王国が見渡せる高いところに聖なる囲いがあります。
そこでむかし何が行われていたか想像できます。
困ったことが起きると王はそこに来て、祖先に供え物をして、霊媒師を通して助言を聞きます。
霊媒師が自らトランス状態に入ると、遠い昔に死んだ祖先の霊が乗り移ります。
現世の王と建国の父たちの超自然的な結びつきが、ショナ族の基盤となっていました。
自分の霊媒師を通して、自分より下にいる支配者に、霊媒師を通して影響力を及ぼします。
王は自分に挑戦してくるものに対して、軍事力だけでなく、強力な霊的な力を振るうのです。
 
「国を統率するからといって、大きな軍事力は必要としませんでした。
  霊的に支配していたので、人心を安定させ、私に向かってついて来い、従えといってきました。」