フランス  「黄色いベスト運動」に続く農家の反乱 グローバリズム・EUへの反感 政局は若手対決 | 碧空

フランス  「黄色いベスト運動」に続く農家の反乱 グローバリズム・EUへの反感 政局は若手対決

(フランス全土で29日、インフレや安価な輸入品、生活支援への対応を求めて政府に圧力をかけるため農家が高速道路をトラクターの長い列で封鎖し、猛烈な怒りを表明した。写真はフランスのボーベで撮影【130日 ロイター】)

 

【長期化した「黄色いベスト運動」 “地方のグローバル化の敗者が首都に住むエリート層に対して起こした反乱”】

お上(かみ)に従順な日本と異なり、政府への抗議行動は日常茶飯事とも言える自己主張の強いフランスで、2018年の年末から2019年前半にかけてガソリン代の値上げへの抗議に端を発した「黄色いベスト運動」と呼ばれた抗議行動が異例の長さで続きました。指導者や組織もないという点でもユニークなものでした。

 

“農民一揆の現代版”“地方のグローバル化の敗者が首都に住むエリート層に対して起こした反乱”とも評されるこの抵抗運動は、フランス以外の各地で見られる社会・政治状況にも通じるものがあるように思えます。

 

****消えたのか黄色いベスト運動?****

昨年(2018年)12月から1月にかけて、毎土曜日、フラ ンス各地で黄色いベストを着用した集団が、大都 市の中心部を練り歩き、その一部が過激化し、警 察と市街戦模様の乱闘を繰り返した。(中略)

 

指導者もなく、自然発生的に生まれた不思議な黄色いベスト集団は、何だったのか?なぜ、ガソリン価格の値上げ反対運動がマクロン政権を揺るがすまでの政治的の混乱を引き起こしたのだろうか?その経過を簡単に振り返って みたい。 

 

黄色いベスト運動の起点 

黄色いベスト運動を引き起こす直接の原因は 昨年(2018年)の秋口に、政府がガソリン価格に加算される環境税の引き上げを決定したことにある。当時ガソリン代が高騰した中でのこの決定に怒った人たちが、Facebookなどのソーシャルメディアを使い、連絡しあい、町や村の入口の交差路を占拠し、ガソリン代の値上げに抗議した。

 

とくに、自動車抜きでは、仕事に行くことも買い物に行くこともできない地方都市に住む人たちが数多くこの抗議 活動に参加した。

 

誰が発案したのか、自動車の中に設置が義務化されている発光性の黄色いベスト作業服をまとうことを運動の旗じるしとすることで、この運動はあっという間に全国に波及した。 

 

ガソリン代の高騰と地方に住む中産階層の生活の苦しさがマスコミに報道され、黄色いベスト運動は、多くの国民の支持を得る。当時の世論調査によると、約8割近くの国民が黄色いベスト運動に共鳴したと言われる。

 

その後、静観を続ける政府への抗議として、政治の中心であるパリや地方の大都市の目抜き通りでのデモが呼びかけられ、これに多くの市民が参加する。

 

はじめは、ガソリン税反対だったが、すぐにさまざまな生活上の不満が抗議活動の対象となる。購買力の低下、地方の公共サービスの貧困、富裕税復活、直接民主主義の実現そしてマクロン政権退陣要求と限りなく拡大していった。

 

初めは平和的なプラカードを掲げるデモだったものが、その後、一部が過激化し、各地で毎週のように、暴動騒ぎを繰り返すことに なった。

 

最初の頃には、楽観視していたマクロン政権も、この抗議活動の反響に驚き、環境税の値上げ中止を発表するが、黄色いベスト運動の激震は収まらない。そこで、マクロン政権は、12月に入ると、3兆ユーロに及ぶ購買力の引き上げ政策や減税を約束するとともに、国民との対話集会を 行うと発表して、この運動の沈静化を図った。

 

実際に、黄色いベスト運動が沈静するのははじまってから約半年後の3月末なので、ストやデモ慣れしているフランスでも、例外的な長さだった。

 

現在でも、黄色いベスト運動の後遺症は、政界、国の財政面に強く残っている。 

 

多くの点で、この黄色いベスト集団は異例なものだった。まず、この運動には、指導者がなく、まったく組織もなかった。数百に及ぶソーシャル メディアのグループの呼びかけで、デモの拠点が決まるので、警察の警備はいつも遅れ気味であった。

 

この集団は、政党や労働組合あるいはアソシエーションといった既成の組織に対する不信感が 強く、運動が政党などによって乗っ取られるのを嫌い、運動を組織化することはなかった。ある批評家が、農民一揆の現代版と形容したのは、この 運動の一面を表現している。

 

二つ目の特徴は、運動の中心が、これまで政治・社会運動の経験のない地方のサラリーマン、自営業者、年金生活者、女性だった。ある意味、経済のグローバル化についてゆけず、国から見放されていると感じた地方の庶民が立ちあがったと言える。この人たちが、マクロンのようなエリート政治家は、自分たちの生活を知らないと強く反発したのだった。 

 

では、本当に、黄色いベスト運動は消えたのだ ろうか?この春のEU議会選挙の結果をみると、とてもそうは思えない。マクロン政権に反対する 極右の候補が、最大の得票を得た上に、極左の政党もかなりの得票をしたので、たとえ、EU議会選挙だったとはいえ、マクロン政権批判票は4割 以上を占めたとみることができる。

 

この運動は、表面的には休火山の状態に入ったが、いつマグマが爆発するのか分からない。 

 

黄色いベスト運動が投げかけた問題 

黄色いベスト運動は、これまで類例のない大きな社会運動だったので、実にさまざまな政治的な問題を投げかけた。

 

CO2の削減は誰もが認める 重要な政策だが、具体的にその負担を誰がするのか(環境税の引き上げと自動車ユーザーの対 立)?

 

操作されたニュースが横行し、人を扇動するのに適してはいるが、冷静な議論の場にならないソーシャルメディアのあり方も心配である。

 

最後に、日本にも参考になる問題をもう一つだけ紹 介してみたい。政治経済の中心である首都圏と地方の格差問題である。

 

フランスでも日本でも、優秀で、野心満々な若者は、大企業の本社や官僚機 構がある首都圏に集中する。その一方、農村地帯 や地方都市は過疎化し、活力を失っている。経済 のグローバル化の勝者は、首都圏に住み、グローバル化の恩恵にあずかれない敗者が地方に残る。 

 

黄色いベスト運動をグローバル化の敗者が首都に住むエリート層に対して起こした反乱とみると、問題の深刻さがよく分かる【鈴木宏昌氏 早稲田大学名誉教授 労働調査協議会】

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【再び農家の反乱  規制をくぐり抜ける安価な輸入品や理念優先のEU規制への怒り

そして今、フランスでは再び生活苦に喘ぐ農家による抗議行動が起こり、トラクターで高速道路を封鎖する事態になっています。抗議デモは118日、南西部トゥールーズ近郊で始まり、日を追って拡大しています。

 

トラクターをゆっくり走らせ道路の通行を妨げるデモ「エスカルゴ作戦」とか、スーパーマーケットに向け泥を噴射したり、行政庁舎の前にゴミを投棄するなども。

 

****仏全土で高速道路を抗議封鎖、インフレや安価な輸入品で農家が怒り****

フランス全土で29日、インフレや安価な輸入品、生活支援への対応を求めて政府に圧力をかけるため農家が高速道路をトラクターの長い列で封鎖し、猛烈な怒りを表明した。

 

農家の抗議行動は既にドイツやポーランドなど他の欧州諸国で発生。フランスにも連鎖した形だ。6月の欧州議会選挙を控え、極右勢力は農家の支持を一段と集めて議席を拡大する情勢とみられている。

パリ南部の高速道路A10号線の封鎖場所で演説したジェラルディン・グリヨンさん(46)が槍玉に挙げたのは、多くの農業規則や補助金を決める欧州連合(EU)と、マクロン大統領。「(マクロン大統領は)農家のことなどどうでもいいんだろう」と不満をぶちまけた。横断幕には「マクロン、(要求に)応えよ」と書かれていた。

こうしたスローガンにフランス政府は揺さぶられた。欧州議会選を念頭に抗議活動の激化を警戒する政府は、農業用軽油の補助金を段階的に削減する案を撤回し、環境規制の緩和も約束した。さらに、休耕地の規制緩和についてEU諸国に同意を働きかけると表明した。

また、安価な輸入品に対する農家の怒りを受け、大統領府は29日、南米の関税同盟メルコスル(南部共同市場)との通商協定交渉の妥結は不可能とEU欧州委員会に強調し、EUが交渉を打ち切ったと理解していると発表した。

ただ、この交渉に反対してきた複数の農業団体は依然納得しておらず、必要な限り道路を封鎖する方針を表明した。有力団体の幹部はラジオで「危機打開の解決策を迅速に得られるように、われわれは政府に圧力をかける」と語った。

2月1日にはEU首脳会議が開かれる。フランスのフェノ農業・食料相によると、大統領は、従来よりも農家寄りの複数の政策を前面に押し出す方針だ。また、大統領府関係者の話では、大統領はフォンデアライエン欧州委員長とこの件で会談を行う予定という。

休耕地と補助金を巡る問題も欧州委員会の議論で俎上に上がる可能性がある。農家がEUの補助金を受けるには諸条件を満たす必要があり、その中には農地の4%を自然の生態系回復を図る「非生産的」地域に充てるという要件がある。これは休耕地とすることで可能となる。

EU当局者2人はロイターに対し、欧州委員会はフランスの要請に応じて休耕地に関する規則の変更を検討していると明らかにした。これは農家の懸念に応えるための選択肢の一つという。【130日 ロイター

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“フランスの抗議行動に触発されたベルギーでは、農家がゼーブルージュのコンテナ港へのアクセス道路を封鎖した。スペインの農家は、2月に抗議活動を行うと表明している。”【131日 ロイター】と、抗議は国境を超えて広がる勢いです。

 

自分たちは厳しい規制を強いられているのに、規制をくぐり抜けた安価な輸入品が市場に溢れ、EUは“休耕地”などと理念先行の政策を押し付けてくる・・・という農家の怒りです。

 

下記は報道記事ではなく、フランス在住の日本人女性のブログ記事ですが、そのあたりの農家の心情を伝えていますので引用します。

 

****フランスの農民たちの悲痛な叫びに見える社会のバランス****

(中略)この騒動がもう2週間以上も経つのに、一向におさまりを見せない中、新聞に報道されたり、テレビなどでも大討論会などが行われたりして、農民たちの訴えが世間に浮き彫りにされていくなか、なるほど、世界情勢や環境問題に対応しながら、変化していった社会の歪のようなものが、農民たちを苦しめていたこと、また、フランスやヨーロッパがとってきた政策には、抜け道や矛盾のようなものが存在し、弱い立場の農民たちがその煽りを受け続けてきたのだということが見えてきました。

 

環境保護問題、戦争、インフレ・・あらゆるものが農民を苦しめる結果に・・

「真面目に誠実に働いているのに生活は苦しくなり続け、このままでは、廃業するしかない!」という農民たちの訴えから、原因は一つではなく、いくつもの原因が複合的に重なり続けた結果であるということが見えてきています。(中略)

 

まず、その一つに挙げられるのは、地球環境問題で、(中略)この地球環境問題への対応として、ディーゼルエンジンの撤廃に向かう動きで、フランス政府は、2030年までにこれを廃止させていくために、ディーゼルエンジンの増税を発表していました。

 

これまでに耐えに耐えて苦しい思いをしてきた農家にとっては、特にこの(非道路用にまで及ぶ)ディーゼルエンジンへの増税は、大変な痛手を被る結果になっていたのです。

 

また、政府は、国民に安全な食品を提供するためにEU全体としても、この農業生産に対して、厳しい規制を加えており、それがこのインフレも相まって、生産過程に非常なコストが必用となります。

 

なかでもフランスは他の欧州諸国よりも一層厳しい規格を課しています。それだけ安全なものを提供してくれるということは、消費者にとってはありがたいことではありますが、価格に反映されるべきところなのですが、ここに割って入ってくるのが輸入品の問題です。

 

特に南米からの輸入品に関しては、通商交渉に最大限の圧力をかけると言いながら、実際にはザル状態のようです。

大手スーパーマーケットなどは、インフレに対応すべく、少しでも安価なものを仕入れて価格の上昇を抑えようとするなか、多くの農産物も海外から輸入しているわけですが、おかしなことにこの輸入品に対しては、フランス国内に課しているほどの厳しい規制(遺伝子組み換え農産物や使用禁止の農薬など)やチェックが充分ではなく、当然、それらの農産物と同じ舞台にたつフランスの農産物も買い叩かれる図式に組み込まれてしまうわけです。

 

それに加えて、特にウクライナからの輸入に関しては、フランスは、現在のウクライナの状況を考慮し、援助の一部として、ウクライナからの農産物や畜産物に関しては、関税を免除するという措置がとられており、このためにウクライナ産の農産物・畜産物が市場に出回る価格が大幅に安くなっているために、厳しい規制のもとに農業生産、畜産を行っているフランスの農業・畜産農家には太刀打ちできずに苦しめられている結果になっているという窮状に繋がっています。(中略)

 

きれいごとの犠牲者

フランス(EU)には、EGAlim(エガリム)法という「健康と環境への危険性」を理由に欧州連合で禁止されている物質を含む農産物の流通を厳しく規制する法律が存在します。この法律が制定されたのは、2018年のことで、その後、2021年には、このEGAlim法には、農業報酬を保護・改善することを目的とした「農業および食品分野における商業関係のバランス」についての項目が追加されています。

 

にもかかわらず、大手流通業者や加工業者が口先では農民を尊重していると言いながら、食料を原価以下の値段に買い叩いていていたり、国外に購買センターをおいて、エガリム法を回避していたりするのが現状だったのです。

 

フランスの農産物は、多くの規制を守らなければならないが外国の農産物にはフランスで禁止されている農薬や添加物が使用されていることが不問に付されているのが現実のようです。

 

地球環境問題や戦争対応、インフレ対応のために政府が行ってきたことの歪の数々を受け続け苦しんできた農民たちの悲痛な叫びを多くの国民は支持しています。

 

結局は、きれいごとを並べて社会をよりよくしているようなことを言っても、その歪は最も弱い立場の者たちにしわ寄せがいく、正直者がバカを見る世の中にフランス国民が黙っているはずはありません。(中略)

 

フランス政府は、先週の段階ですでに新しくその責についた首相が農民たちのもとに自ら出向いて、「私たちは、今後、農業に関する課題を優先することに決めました!」と宣言し、「非道路用のディーゼルエンジンの増税を撤廃」、「農家への規制や手続きにを簡素化する10件についてのパッケージを策定」、「農場へのチェック管理は年1回に削減」、「動物流行性出血症に対する補償金を90%に増額して獣医費用をカバー」、「危機に瀕している有機農家に対して5,000万ユーロの緊急基金を設立」などの回答を示しました。

 

これで、一部の農民は撤退したかに見えたのですが、まだまだ納得しきれず怒りが憤懣している多くの農民たちの抗議運動は続き、FNSEA(全国農業経営組合連合会)は、無期限の首都包囲を発表しています。(中略)

 

また、世界中で色々な出来事が起こる中でのそれぞれの事象への対応や環境問題と資本主義のバランス、簡単に言えば、きれいごとと現実のギャップをこの農民たちの抗議行動から、あらためて考えさせられることになりました。【131日 RIKAママさん Newsweek

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【不人気・少数与党のマクロン大統領 最年少首相(34歳)任命の勝負手 対する「国民連合」党首は28歳】

「黄色いベスト運動」や今回の農家の抗議行動に見えるグローバリズム、EU、エリートの主張する“きれいごと”などへの政治的に無視されてきた人々の(上記ブログにあるような)反感が、政治的にはルペン氏率いる極右政党の台頭の背景にあるように見えます。

 

一方、マクロン大統領は少数与党で苦戦していますが、フランス最年少首相任命と言う思い切った勝負手に出ています。

(34歳のガブリエル・アタル新首相【110日 日経】)

 

****マクロンのフランス最年少首相任命は起死回生となるか 人気と実力を備えるも立ちはだかる壁****

2024年1月9日付の英Economistの記事の要旨

マクロン大統領が、就任から1年半余りのエリザベト・ボルヌ首相を退任させ、その後任に34歳のガブリエル・アタル教育相をあてたことは驚くべきことであった。彼は、現代フランスで最も若い首相となる。

 

アタルの場合、若さは経験不足を意味しない。短期間予算相も務め、公開討論会での手際の良さで有名になったのは、内閣広報官の時であった。2022年には下院議員に再選された。

 

アタルはまた、同性愛者であることを18年に公表している。アタルは政治的にはミニ・マクロンで、穏健な社会民主主義左派の出身で、フランソワ・オランド元大統領の保健相時代に顧問を務めたこともある。また、アタルは、右派へのアピールも兼ね備え、教育相としてフランスの世俗的なルールに基づき、イスラム教徒の長い衣であるアバヤの学校での着用を禁止したことで称賛を得た。

 

とりわけアタルは、マクロン政権に欠けている国民の人気をもたらす。アタルの首相指名直後に行われた世論調査で、彼の支持率は56%に跳ね上がった。大統領は、欧州議会選挙を前にして活を入れ、現在世論調査でかなりリードされている「国民連合」に対する巻き返しの一助となることを期待するであろう。選挙戦は、次世代の政治家を代表するアタルとバルデラの一騎打ちになるかもしれない。

 

しかし、マクロンにとって厄介なのは、いくら若いエネルギーと大衆に魅力あふれた人物であっても、根本的な問題、すなわち、少数政権を運営しながらいかにしてフランスの改革を続け、難しい決断を下すかという状況を変えることはできないということだ。アタルが指名されたからといって、野党との連立の可能性が高まるわけでもない。

 

手に負えない野党に直面し、勤勉なボルヌ前首相はできる限りのことをした。しかし大統領は、抗議デモや夏の暴動、移民法案をめぐる議会の混乱に見舞われた困難な1年を転換したいと考えている。

 

憲法上、27年の3期目出馬が禁じられているマクロンは、初めて後継者について考えているようだ。中道派の政治運動の将来を確保するために、新しい世代を登用しようとしているのだ。アタルが大統領候補としての脚光を浴びる可能性がある以上、これは賭けである。(後略)【131日 WEDGE

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202211月には、マクロン大統領の政敵・ルペン氏率いる極右政党「国民連合(RN)」の党首に、ジョルダン・バルデラ氏(当時 27)が選出されています。ルペン氏の後任となります。(ルペン氏は、大統領選出馬のため2021年に退任)

(ルペン氏(左)と並ぶバルデラ新党首(右)【2022115 日経】)

 

“移民問題が焦点となる欧州政治において、中道派が移民対策強化をせざるを得ず、結局極右派の主張に歩み寄ってしまうことはオランダ等でも見られた現象である。ルペンは、これを「国民連合」のイデオロギー的勝利と主張し、世論調査では、6月の欧州議会選挙で極右派の圧勝が予想されている。”【同上】という状況で、34歳のアタル首相と28歳のバルデラ「国民連合」党首の論戦が注目されます。

 

もちろん若ければいいというものではありませんが・・・・日本や高齢者対決になりそうなアメリカに比べると活力を感じるのも事実です。