最近ブログの更新をしなくて申し訳ない気持ちで一杯なのですが、例年通り著名なアニメブロガー(申し訳ない)と思っていただいたおちゃつさんからお誘いがありまして、2013年アニメアウォーズ!の記事を通じて2013年を振り返ってみたいと思います。まず全体的な感想ですが、正直言って面白い作品、観ても詰まらなくて観るのを止めた作品、全く興味の無かった作品とかなり分かれました。



 特に残念だったのが2期作品ですね。1期がヒットしたから2期が制作されたわけなのですが、どうしてもライフサイクルが早くなって他の作品に飲み込まれてしまい興味が向かなかった事。1期以上になる事無く同じレールを走っている結果、1期以上のインパクトが無くなってしまった事が原因だと思います。2期が1期以上にヒットするのは至難の業で、2期の方がヒットするのは、1期以上のクオリティを実現した時だけですね。



 来年はコラムを中心に少しずつ記事を書いていこうと思っております。また更新して欲しいなあっていう読者の方もいらっしゃるかもしれませんが、いい作品があればドンドン紹介して行こうと思っておりますので、すずめの涙程度でも期待していただけれると嬉しい限りなので、今後とも応援していただければ幸いです。ではアニメアウォーズ2013について発表します。



最優秀作品 ラブライブ

 正直この作品を選ぶことになるとは思っても居ませんでした。どうせ萌え系のアイドルアニメだろうと思って、1月からの本放送はスルーしたのです。まあコンテンツとしても余り人気も無かったですし、盛り上がる事もないと考えていた事が大きな理由です。しかし、ラブライバーと呼ばれるファンの方が増えてライブは超盛り上がってチケットはプラチナ状態になりました。



 10月から再放送がある事を知った私は、そんなに人気が爆発しているなら観てみるかと思って第1話を視聴したら、キャラクターのひたむきさときちんと喜怒哀楽を掘り下げた丁寧なつくりに共感しました。すぐに全話視聴してCDやマンガを買ってとどんどんとラブライブの世界にはまりました。食わず嫌いならぬ観らざる嫌いというのは駄目だなと再認識しました。




特別賞 はらたく魔王さま!

 ライトノベル原作は出来の良し悪しの差が非常に大きく、放送された時間が木曜日の22時と観やすかったので、観てみようかと思いました。ファンタジー要素満点の魔王と人類の対決だと思いきや魔王が、ファーストフードショップでアルバイト。ヒロインがテレフォンアポインターという立場になって、現代社会の荒波の中生きて行く姿がリアリティあって非常によかったと思います。一見違和感がありそうなファンタジーと現代社会の組み合わせですが、これは本当にギャップを上手く表現してよかったですね。




・男性キャラクター部門 エレン・イェーガー

 巨人の圧倒的な力に屈する人類の中で、母が殺された瞬間「一匹残らず駆逐してやる。」と宣言した進撃の巨人のエレンは、本当にインパクトがありました。調査兵団に入隊して巨人と戦う中で、彼もまた巨人となって立ち向かう姿は非常に格好良かった。そんな中で私が印象に残ったのは、女型の巨人となったアニと戦わなければならない状況での苦悩です。あれは本当に悩んだ様子が本当に印象に残り、巨人と戦う力と人間らしさの同居がよかったですね。





・女性キャラクター部門   高坂穂乃果

 学校が廃校になる決定が下され、自分の母校が消滅する状況を改善しようとスクールアイドルになろうするポジティブな態度と一生懸命でひたむきな様子が非常に好感が持てました。最近のアニメ作品らしい主人公らしくない主人公ですが、やるときにはやると姿勢とファイトだよの言葉通りの元気をもらえるキャラクター性が良かったです。本当はアイドルグループμ’sを選びたかったのですが、キャラクターは1人なので穂乃果にしました。




・OP部門 紅蓮の弓矢(進撃の巨人)

・ED部門 該当無し

 紅白出場まで果たした進撃の巨人のOP紅蓮の弓矢が文句なしですね。最近はアニソンらしいアニソンが多い中で、進撃の世界感をきちんと描いたLEVOさんの手腕が光る作品だったと思います。EDに関しては正直いい曲が無かったので、該当無しとさせていただきました。




 毎年、3月に行われていた東京国際アニメフェア(TAF)が、東京都青少年健全育成条例改正案に反対した角川書店などのコミック10社会の参加拒否によって、アニメコンテンツエキスポ(ACE)との事実上の分裂状態になってから3年。東京都主導だったTAFと民間主導だったACEが1つになり誕生したのが、Anime Japan2014です。その情報は既に明らかになっていましたが、果たしてどんな内容なのか詳細が明らかになりました。




詳細

会期:2014年3月22日(土)・23日(日) 9:00~17:00(最終入場16:30)
会場:東京ビッグサイト 東展示棟 東1~6ホール
出展社数:133社609小間(12月18日現在)(当初想定400小間)
目標来場者数:10万人(2日間合計/有料入場者数)



■ ステージイベント・チケット
ステージはRED(2,000名)、GREEN(1,000名)、BLUE(500名)、オープンステージ(200名)の4つがあり、オープンステージのみ無料観覧可能になっています。
RGBステージは2日間で延べ55プログラム実施、プログラムは1月21日(火)に発表予定です。


入場券

1月25日(土)~2月16日(日) ステージ観覧抽選応募権付き入場券販売(各日1,500円)
2月20日(木)11時~3月2日(日)23時 ステージ観覧事前応募受付
 ※入場券1枚で異なる5プログラムまで応募可能です。
3月7日(金) ステージ観覧抽選結果通知/発券開始
3月8日(土)11時~3月13日(木) ファストチケット申し込み受付(各日3,000円)
3月17日(月) ファストチケット抽選結果通知/発券開始

2月17日(月)~3月23日(日) 通常入場券販売(各日中学生以上1,500円/小学生以下800円)



■ フロアマップ
東1 GREENステージ、BLUEステージ
東4 REDステージ

東2・3・5・6 展示エリア
東2 オープンステージ
東3 オープンシアター、オフィシャルショップ、コスプレイヤーズワールド(会場外でも実施)
東5 チャリティオークション、ファミリーパーク、AnisongJapan
東6 アニメコラボレーションショーケース、AnimeWorks

出展社・出展作品、各企画詳細はソース参照で。
※戦車は来ません。




AnimeJapan 2014
http://www.anime-japan.jp/




 基本的には東京ビッグサイトで開催されていたTAFと同じ日程ですね。それでコンセプトとしては、アニメを多くの人に楽しんで欲しいという事だと思います。家族連れからガチヲタまで楽しめるとなっていますが、私はきついと思います。何故かというとヲタ層と一般層はビジネスターゲットとして根本的に異なります。紹介アニメの中に赤毛のアンがありましたが、これはファミリー層なら興味があるでしょうけど、ヲタク層には多分見向きも去れないと思います。逆にラブライブはヲタク層には圧倒的な支持を集めるでしょうが、ファミリー層や一般層からは気持ち悪いと思われるかもしれません。




 そう考えると、ACEとTAFのままの方が良かったと思うのですけど、1つになったからには、TAF時代のヲタ暴走で子どもや家族連れが怖い思いをした事などが無いようにしてもらいたいと思います。だから、ステージイベントなどはしっかりヲタ用と一般・ファミリー用で分けないと駄目でしょう。それだけアニメ作品によって完全に分裂したわけですし、合体した事での弊害もあるでしょうね。来年1月21日には、再びニコ生で情報が伝えられると思うので要チェックです。









 


  深夜アニメが始まって17年、様々な作品が登場しました。しかし、歴史に残る作品は本当にごくわずか。ずっとファンで居続けられる作品も少なくなりました。そんなライフサイクルが早いアニメ業界の中で、深夜アニメによってメジャーになった制作会社といえば、京都アニメーションではないでしょうか。京アニ作品ならヒット間違いなし!ジブリと並ぶ日本を代表する制作会社と思った事もありました。それが最近はどうもパッとしない。売上の低下や注目度が格段に下がった事は否定出来ないと思います。では、何故そうなったのか歴史を振り返りつつ分析したいと思います。



①京都アニメーションの歴史

 京都アニメーションの創業は1981年、初期は他のアニメ作品の下請けがメインでした。シンエイ動画作品であるクレヨンしんちゃんの下請けを担当していた事は有名です。そんな京アニが元請け作品を最初に手がけたのが2003年「フルメタル・パニック? ふもっふ」でした。10年前の水準ではレベルが違う作画と丁寧な作品作りで注目を集め、2005年に制作されたAIRで一気にブレイクしました。



 AIRは2000年に発売された泣きゲーの代名詞な作品で、圧倒的な京アニの作画力と美しい描写が相まって本当に凄いと思いました。そして、京アニがアニメ界において不動の地位を確立したのが2006年の涼宮ハルヒの憂鬱でした。難解なラノベ作品を見事にトレースしながら、物語の話数をバラバラにして作品を放送する斬新な手法で多くのアニメヲタクが誕生しました。アニヲタになった理由はハルヒからという人も多かったですね。



 その後もAIRと同じKey作品であるKanonとCLANNADが制作され、作品の世界感に付加価値を加えた素晴らしい作品は、私の心を動かし多くの涙を流しました。特にCLANNADは私の最も好きな作品の1つで、今でもずっと心の中に残っています。そして、21世紀の深夜アニメの歴史の中で、日常モノというジャンルを確立した2作品を生み出したのも京アニでした。



 2007年に放送されたらき☆すたと2009年・10年に放送されたけいおん!です。女子高生の何気ない日常をヲタク視点と部活視点で描いた作品は、ファンのハートを掴みました。特にけいおん!は、殺伐とした社会とはかけ離れた理想的な日常を描いている事と女の子同士がキャピキャぴしている様子が、アニヲタだけではなく女性ファンを獲得し、2011年には劇場公開され大ヒットしました。



 一方のらき☆すたは、主題歌の今までに無いスタイルの曲が大ヒットしオリコン初登場2位を記録し、忠実に再現された鷲宮神社には「聖地巡礼」と称し多くの観光客が訪れ、社会現象を巻き起こしました。1年間に1本か2本というペースで丁寧に作られた京アニ作品は、ブランド化してファンの支持を集めました。しかし、現在では徐々にブランド力の低下が感じられるようになったのです。




②京アニブランド衰退は必然

 けいおん!でピークを迎えた京都アニメーションですが、徐々に路線を変更していきました。まずはギャグアニメとして制作された日常。今考えればこれは本当に駄目だった。京アニのよさが全く出す事が出来ずに中途半端のまま終了しました。その後は京都アニメーション大賞選ばれ、KAエスマ文庫から発売された作品がアニメ化されました。これは完全に京アニ視点で選ばれた作品で、ファンのニーズがあったわけではありません。




 第1弾として発表された中二病でも恋がしたいは、久々に京アニらしい作品が完成したと思いましたが、以前の勢いはありません。その後に登場したたまこまーけっとと境界の彼方は、はっきり言ってキャラクターの描き方が薄いしストーリーもあまり面白くない。オリジナル作品としてヒットしなかったムントと同じ方向で失敗していると感じました。京アニはトレースは得意であっても、ファンの視点を持っていなかったので自分達が作りたい作品に走った感がありました。1度築いたブランドをあっさり手放してしまったのです。



 京アニは自滅した感がありますが、他にも衰退した理由があるのです。1つ目は作画レベルが他のアニメスタジオでも可能になったのでアドバンテージが無くなった事が原因ではないでしょうか。「ufotable」や「WIT STADIO」は、ここ数年で台頭したアニメ制作会社です。どちらも京アニ以上にクオリティの高い作品を世に送り出しています。こうなってしまうと京アニのアドバンテージは無くなってしまいます。



 2つ目はオリジナル作品の大ヒットです。2011年以降、オリジナル作品が多く発表されヒットしました。まどマギを筆頭にタイバニやガルパンやラブライブなど、ファンのニーズを汲み取り非常にキャラクターを掘り下げた共感を呼んだ作品ばかりです。失速した京アニに取って代わってアニメ界のオリジナル作品ブームを巻き起こしたと思います。ヒットしていた間に他社に抜かれてしまった京アニが一気に衰退したのは必然だったと思います。




 アニメ界において絶大なブランド力があった京アニですが、このまま衰退していくのではないかと思いましたが、女性向けに特化した作品Freeの登場は今後のヒントになるかもしれません。今までの萌え一辺倒からの腐女子狙い撃ちの作画と声優陣のチョイスは、わかっていても女性ファンのハートを掴みました。今後はよりニッチな作品の方が受けると判断するかもしれません。




 しかし私は今までにない京アニのチャレンジが活路を見出すと思っています。例えば、ロボット作品などの新ジャンルの開拓や劇場版に特化した戦略を取れば良いのではないでしょうか。いずれにしても、京アニ復活への道は現状ではかなり厳しいのは事実です。以前の京アニブランドがまた輝いて欲しいと願っています。



  


 CSって書きましたが、CSとは何かわからない方もいらっしゃるはずです。CSってクライマックスシリーズ?CSってスカパーって思うかもしれませんが違います。CSとは顧客満足度(Customer satisfaction)の略語です。企業はCSを念頭においてビジネスを展開するわけですが、一番大切なのはいかに顧客である人々の立場に立って、ニーズに応える事だと思っています。



 これは当たり前の事だと思うのですが、コミックマーケットの企業ブースでは顧客満足度が高いかといえば私は不満に思っている人の方が多いと思います。理由は夏は炎天下・冬は極寒の中長時間並ばされる事。ちゃんと並んでいると思っていたら、他の列に紛れ込んで状況がめちゃくちゃになる事。レジ対応が遅くてスムーズな会計が出来ない事などいろいろあると思いますが、一番不満に思う事はちゃんと並んでも商品が買え無い事ではないでしょうか。



 コミケの企業ブースは需要と供給のバランスが著しく悪い。圧倒的に需要が多く供給量が少ない事が問題なのです。こういうケースは現代日本ではレアで、ヲタク産業の凄さを物語っています。出展側も参加回数を重ねている訳ですから、対応方法は認識していると思っていましたがトラブルが絶えません。前回のコミケでも商品が買えなかった人達が怒り、責任者に詰め寄る光景が見られたそうです。



 

 原因を考えてみると、1つはタイムリーな情報が無い事です。並んでいる人達が一番気にしているのは、欲しい商品が残っているかどうか。コミケに参加された事がある人はご存知だと思いますが、ネット使用環境が著しく低下します。だから、ツイッターなどの情報が共有し難いのです。あても無く並ぶってもの凄いつらいと思うのです。私も2007年冬のコミックマーケット73で、京アニブースに朝から並んだのですが午後2時まで情報が無く、売り切れを知ったのはブースに近づいて表示を見た時でした。



 その時は自分がバカだったと思いましたが、よくよく考えてみると並んでいる人に対しての配慮に欠けていると感じました。そういう風に思われてしまうと、この企業は対応が駄目だとレッテルが貼られてしまいます。そういう事が無いようにするには、並んでいる人達の生の声を拾って、次のコミケなどに参加する際に改善する事です。そんな中で非常に良い対応をしていたのはアニプレックスブースでした。



 黒いジャンパーを着ている人が非常に多く、多くの社員が列整理を担当していました。また電話が繋がり難いのでトランシーバーを使って、ブースと列の社員同士が情報を共有し並んでいる人達にタイムリーな商品残数などを伝えていました。本当は列整理のプラカードがあるのですが、そこに数字を見せてくれたら一番良いのですけど、情報が無いよりはマシです。こういうきめ細かい対応は、並んでいる人の立場に立っているからこその対応で、今回のコミケでも続けて欲しいと思います。




 もう1つは通販などでの販売の増加です。何故多くの人が並ぶかという理由について考えてみると、やはりコミケでしか買えない希少性が考えられます。そこでしか買えないとなるとやっぱり列が出来るのは当然です。しかも、小さな企業ですと列を整理する人がいないので、グダグダになってしまう可能性が出て来ます。実際にそういう事になってクレームが殺到したという話を聞きました。



 しかし、ネット通販で対応する情報を前もって紹介していれば、並ぶのに時間を労する事が少なくなります。最近ではラブライブの4thイベントのグッズを先行販売しています。さいたまスーパーアリーナには2日間で7万人近いラブライバーが訪れます。物販は朝から始まりますが、長蛇の列が出来るのは誰が考えても明らかです。もし、販売に手間取って公演に間に合わないなんて事になったら、ラブライバーの皆さんは怒り心頭になるはず。



 多くの人が集まる事を見越して、先にグッズを販売するシステムは来場する人を考えた非常に良い事だと思いますし、こういう小さな事が主催企業であるランティスの評価を高めると思うのです。だから、小さな企業はネット通販の情報を予め発表しておけば、列を形成する事なくスムーズな販売が可能になるはずです。それでも現地で購入したいと思う人に対しては、イベントの参加券などをつける等の付加価値賀あれば良いと思います。



 上記の例はあくまでも個人的な主観ですが、小さな配慮というのがCSの達成に近づくと思いますよ。コミケは過酷な時期に行われるわけですから、前回のような熱中症で倒れた人が続出するとかトイレに行けなくてトラブルになったとか。そういう事を少しずつ無くなって行けば、きっと3日間楽しかったと感じる人が増えるはずです。私はそういう観点でも今回のコミケを見たいと思います。



 先日、劇場版魔法少女まどか☆マギカ叛逆の物語を観て来ました。今回は1か月程期間を開けて観たのですが、内容は流石に4回目ともなると完全に理解して、最初とは見方がかなり異なっていました。しかし、異なっていなかったのが客層が全員成人しているであろう人しかいなかったのです。蒼樹うめ先生の作画は非常に可愛らしいですし、子どもや家族連れがいてもおかしくないはずなのですが、昨年の上映でまどマギはちょっと子どもには見せたくないと思った保護者の方いらっしゃった情報がネットに上がりました。



 ネガティブな情報が流れた結果、映画館という多くの人が来場可能な場所であっても元来からのファンしか来ない。つまり、ビジネス的作品の延長戦であるという結論になる訳です。だから、劇場上映巻数を絞り観て欲しいだけに観てもらって、後々ソフトとして販売するスタイルが完成したのです。私は、劇場版を上映するのは多くの人に作品を知ってもらい、新たなファンを獲得してアニメの知名度が上がり、以前のような共有知識として観て貰いたい狙いがあるのではないかと考えていました。



 しかし、実際はそうではありませんでした。深夜アニメから劇場版作品として制作された作品は、新作であれ総集編であれ既存ファンに向けての作品であって、決して新規ファンを取り込もうという意図はありません。理由は簡単です。新たなファン獲得には、今支持している人以外に向けたアピールが必要だからです。アピールにはCMや知名度のあるタレントやベテラン声優の登場などコストがかかるわけです。



 しかも、そういう事をやってしまうと「擦り寄ってきた」「またゴリ押しタレントを使うのかよ。」など今までの視聴者層から反感を食らうのは必定。お金はかかるし今まで応援してくれた(買ってくれた)ファンを失ってしまう。企業側にはメリットが全く無いのが実情なのです。それでも、今のビジネススタイルは続けていかなければ、アニメ業界はどんどん小さい業かになっていくという現実があるのです。



 では、現在のアニメ業界のビジネススタイルを改めて考えてみると同時に、今後小さくなると予想されるアニメ業界の未来について考えてみたいと思います。まずは改めて現在のアニメビジネスについての図式について紹介します。現在のスタイルが確立したきっかけになったのは、1995年に放送された新世紀エヴァンゲリオンです。それまでのアニメは子どもが観るものという認識があったのですが、エヴァの登場によってガンダムやOVA作品が好きだったファンが一気になだれ込みました。




 成人男性を中心にアニメヲタクが増加し、新たな視聴者として認知されたのです。不特定多数が観るアニメ作品ではない、もう1つのアニメ作品である深夜アニメの本格的な放送が開始されたのが96年です。最初に中心となったのがテレビ東京で、いわば最も多に目に力を入れていた局がメインでした。そして、映画制作で用いられた制作委員会方式が用いられたのも深夜アニメの特徴です。




 アニメ制作に参加する企業(テレビ局・プロダクション・広告代理店・出版社・レコード会社・ソフト販売会社)が、それぞれ出資してアニメを制作します。そうなると、CMはその制作委員会の企業だけとなり、通常のテレビ放映システムとは逸脱した形の放送となる訳です。つまり、民間のテレビ番組はCMスポンサーを募り不特定多数の皆さんに放送することで、企業の商品や名前を認知してもらう事に大きな意味を持ちます。だから、視聴率というのが大きな指標としてクローズアップされるのです。




 一方、深夜アニメに代表される昨今のアニメには、視聴率という概念は関係ありません。それはなぜかというと、資金を回収するのはBlu-Ray・DVDの売上によるからであり、別に関係のない企業のCMを流す必要も無く、特定多数のアニメヲタクの支持が集められればそれでいいのです。私はそれでは駄目だとずっと思っていました。このブログを始めたのも、もっと深夜アニメに興味を持ってもらって、アニメが好きな人が増えて欲しいという気持ちがあったからです。



 

 しかし、それはビジネスを知らなかった私の無知さを浮き彫りにしただけでした。最近勉強した事なのですが、マイケル・ポーターというアメリカの経営学者の著書「競争の戦略」において、ビジネスにおける競争戦略が3つあると指摘しています。コスト・リーダーシップ戦略・差別化戦略・集中化戦略です。この中でアニメ業界がとった戦略が集中化戦略に非常に近いと思います。つまり、ビジネスターゲットを絞り込み彼らに向けた作品を作る事で、コストを抑えて事業展開し競争する戦略です。




 最初は非常に多様な作品が出て来て深夜アニメも面白かった。子どものアニメとは異なる大人でも楽しめるアニメが多かった。ある意味集中化戦略をどの企業も取っていたので、横並びで成功していたと思います。それが徐々に資本力の差もあるのでしょうけど差が出て来ました。そして、現在のトップカンパニーになったのがソニーミュージックの子会社であるアニプレックスです。



 2010年ぐらいになってから、それまでは作品ごとに売上が変わっている程度で横並びだったアニメ業界の中で頭1つ抜け出したわけですが、それには理由があると考えました。私もそうだったのですが、どうしても成功した作品のオマージュ的な作品が多くなんか観たことあるからつまらないと思った事がないでしょうか?小さなビジネスですから損益を考えると無難にいくのは仕方ないですね。しかも、声優事務所からは若手を使って欲しいとプッシュされる訳ですし、認知度が高まってもコスト的に安いアイドル声優を使うのもしょうがないと思っていました。




 似たようなキャスティングにテンプレの美少女動物園イケメン男子のパラダイス。こういう作品は、本当にファンのために作っているのかと首をひねります。ところがアニプレックスは違いました。彼らはきちんとマーケティングを行い、アニメヲタクが求めている作品はどんな作品なのか調べたと思います。以前の記事で書いたヒット要因が主体性であると分析したはずで、オリジナルアニメを失敗してでも作り続けました。その結果が、魔法少女まどか☆マギカの大成功に繋がりました。



 キャラクターの声優は誰が良いのか?どういうキャラクターコンセプトなのかを決めてキャスティングする。まあ賛否両論あったとは思いますが、私はキャラクターの魅力を引き出す力は声優のキャスティングと演技力であると思っていますし、オーディションなどで選定するのも作品コンセプトが影響しているはずです。コンセプトが無ければ、使い易い声優をキャスティングする可能性が高い。結局これが反発を招く事をわかっていないのが、大多数のアニメ業界の現状じゃないですか?適材適所という言葉がありますけど、どの世界でもありますね。




 成功している作品は、キャラクターに感情移入可能であり尚且つ先の見えないドキドキするストーリーである。これが必要不可欠だと思います。そういう作品を少ないながらも作ってきたアニプレックスと最近、久しぶりに良い作品を作り出して来たバンダイビジュアルの2社が好調だと言えるのは当然です。但し、どうしても今後は市場が小さくなってしまう可能性が高くなるのは否定できません。しかも、もうメジャーになる道は限りなくゼロに近いと思います。




 では、どうすればいいかと言えば、私は更なるビジネスターゲットの区分によって新たなニーズを作り出す事だと考えました。そこに新たなビジネスチャンスがあると言えるのではないでしょうか。具体的に言えばこれから高齢化するであろうアニメヲタク向けの作品とニコニコ動画の放送によって深夜アニメを知ったティーンエージャー向けの作品です。硬派で大人向きな作品とライトな作品作り。男女だけに分かれているターゲットを更に細分化する事が一番良いと思いますし、アニプレックスやバンダイビジュアルは一歩抜けている訳ですから、チャレンジして欲しいと願っています。



 



 昨日、来年2月8日・9日にさいたまスーパーアリーナで開催されるμ’s4thライブのチケット申し込みの当落がメールが送られて来ました。結果は当然のようにはずれでした。しかし、当然のようにという表現を使ったのには理由があります。ライブに足を運びたい人が、さいたまスーパーアリーナのキャパシティをはるかに超えているからです。ここまでのコンテンツに成長したのには理由があるはずと思った私は、歴史を振り返りつつ要因について探ってみようと思います。



 ラブライブ!の企画が発表されたのは2010年7月でした。電撃G’sマガジンに掲載されたサンライズ・ランティス・電撃G’sマガジンの合同企画。ファン参加型というのが大きな特徴で、担当する声優もほとんどが新人か異業種からの参入者でした。キャラクターもいきなり登場して知名度はゼロ。声優も当時活躍していたといえば、fripSideのヴォーカルを務めていた南條愛乃さんと角川作品に出演してた内田彩さんぐらい。今をときめく三森すずこさんや徳井青空さんも当時は全くの新人声優でした。




 殆ど情報が出ない中で、コミックマーケット78でファーストシングル「僕らのLIVE君とのLIFE」が発売されましたが、注目されることはありませんでした。実際店頭に並びましたが、購入した人は数えるほど。順位もオリコンで最高位167位というアニソンが売れている状況では考えられない売上でした。2010年はけいおん!・Angel Beats!という2大作品があったわけですから、売れる土壌があった中での数百枚単位の売上に終わった惨敗ですから、駄目だと思うのも仕方ありません。



アニメフレッシュエクスプレス



                  うーん、コレどうなのと思ってしまいますね



アニメフレッシュエクスプレス


               流石に最初は見向きもされないか



 しかし、裏を返せば売り方を変えればまだまだ伸びシロがあったわけです。それがファンになってくれた人と声優さんやラブライブ!の企画自体にいい意味での近い距離感を与えました。セカンドシングル「Snow halation」が発売された時には、グループ名をファンから募集しようと制作サイドから投げかけられ、AKB48でも使われているセンターを誰にするかファン投票で決めようという企画も始まりました。




 自分たちが主体的に携わることが出来るし、新人が殆どの声優ばかりですからプロモーションも皆揃って出来る可能性が高い。少しずつ芽が花になっていくかのように成長していく企画は、声優の成長や活躍を追いかける一面もありました。完成されている声優ばかりだと、出来が良い作品は出来る可能性はありますが、感情移入はしにくい。しかし、新人ばかりだと企画の成長とともに声優の技量やトークの向上を目の当たりにして、「あの子は上手くなったなあ。他の作品に出たら応援しよう。」という気持ちが湧き上がる人が多かったように思えます。




 そうした成果が徐々に形となって現れ始めたのが2011年からです。ニコニコ生放送で毎月放送され始めた「ラブライ部課外活動ことほのうみ」(第9回からことほのまきに変更)とネットラジオにこりんぱなのスタートです。ネットコンテンツを生かして、まだ知名度が低かった作品のプロモーションが始まりました。それでどちらも面白いと思ったのが、キャラクターについて知ってもらおうとするコーナーと声優の魅力を伝えるコーナーがそれぞれ存在した事です。



 ラブライブ!も声優も発展途上で、これからドンドン伸びていく可能性がある。今となっては、そうとしか考えられないのですが、当時は若手のゴリ押しとか始まってないコンテンツとかアイマスのパクリとか思っていた人も多かったですね。事実私もそうでした。少しずつ着実にファンが増え始め、2011年9月のイベントではファーストライブ開催が発表されました。このときのイベントは、公開打ち上げパーティという名目で古参のラブライバーの皆さんが多く集まりました。




 露出が徐々に増え始めファンも増加していく中で、コンテンツの成長と声優の成長が重なり始めるラブライブ!2012年2月には、今は閉鎖された横浜BLITZにてファーストライブが開催されました。ライブハウスですからお客さんもそれほど多くありませんでしたが、1年半分の盛り上がりがあり、ファーストライブは大成功に終わりました。そして、このライブで2013年1月よりテレビアニメ化が決定したと発表されました。



アニメフレッシュエクスプレス


                ファーストライブの名残ですね


 アニメ化のタイミングは、私は非常に良かったと思います。それはなぜかというとアニメ化ありきで放送すると、新人ばかりですから稚拙な面が目立ってしまいます。アニヲタはそういうところを徹底して叩きますから、中々最初からアニメ化するわけにはいかなかった。また内容がオリジナルアニメなので、時間がかかったことも要因です。更にシングルを購入するとCDドラマが収録されているのですが、ようやく9人の立ち位置や声優の演技が追いついてきたというのも2013年1月放送スタートという時期に設定されたと思いました。コンテンツと声優の成長を待ってのアニメ化ですね。




 アニメ化はサンライズがプロジェクトに参加する事が決まっていたので規定路線なのですが、今までのCDドラマとは違った視点で描かれていました。第1話から第8話までは、主人公穂乃香を中心に廃校を阻止すべくμ’sが結成されるまでの姿が描かれました。特にターニングポイントになったのが第3話です。ファーストライブを新入生歓迎会の日に開催しようと1か月以上もの間、自分達の歌や踊りを必死に練習して披露しようと思ったら、会場にはお客さんが1人も来なかった。



 努力が水の泡になるところにたった1人だけ現れた小泉花陽の存在。否定しているかのように思えた絢瀬絵里も、本当は彼女達を見守りつつ自分のステージを探していた。キャラクター1人1人にアイドルへの思いがあって、非常に丁寧にキャラクターが掘り下げられていました。その中での新曲ありファーストシングルありですから、視聴者が共感しない人が少なく、共感しファンになる人が多くなるのは当たり前です。



 全く、知られていなかった当初から人気アニメに成長し、多くのファンを獲得した作品は3月に終了しました。アニメが終わってこれで一段落という感じにならなかったのが、成長する余地があるコンテンツの証拠です。3rdライブはパシフィコ横浜で開催され、チケットが入手できなかった人が続出。全国51会場でライブビューイングが行われました。アプリゲームのスクールアイドルパラダイスは、100万ダウンロードを突破。そして、来年には4thライブがさいたまスーパーアリーナで開催決定と、まさに小さな芽から大きな花が咲いた瞬間でした。



 簡単ですが3年間の歩みを振り返ってみると、ファンがいてまだ未完成なコンテンツがあって、これからが楽しみな声優が揃っていたラブライブは、ファンをちょっとづつ増やしながら、アニメ化をきっかけに大ブレイクしたわけです。そう考えてみると、マーケティングの力は大きいですね。ファンのニーズを汲み取り、どうしたら一番アニメの力を引き出しファンを獲得できるかよくわかっています。短絡的に作品をつくるのではなく、しっかりと耳を傾けどうしたら喜んでもらえるのか?ラブライブはそれを体現した作品と言えるのかもしれませんね。




 大晦日に放送されるNHK紅白歌合戦の出場歌手が発表されました。2009年に初出場を果たした水樹奈々さんが5年連続5回目の出場を果たした事は、もはや当たり前の事となり声優・アニソン枠は奈々さんだけかと思っていました。しかし、今年はそれだけではなかったのです。進撃の巨人のオープニングソング「紅蓮の弓矢」を歌ったLinked Horizonが出場を果たしたのです。



 この情報を聞いたとき「本当なのか?ついにこんな時代が来たのか。」とびっくりするだけではなく、アニソン中心で活躍しているグループでも選ばれた事に時代の流れを感じました。Revoさんは紅白の初出場記者会見には出席しませんでしたが、次のようなコメントを残しています。「このたびは紅白歌合戦出場というありがたいお話をいただき、大変うれしく思っています。また、テレビで初めてとなるパフォーマンスが紅白歌合戦であることを大変光栄に思っております。大みそか当日は紅白歌合戦スペシャルバージョンでの演奏を用意しておりますので、ぜひ楽しみにしていてください。2013年の締めくくりとして、皆さんと一緒に年越しをさせていただけることをとても楽しみにしております。」



 NHK紅白歌合戦の山田プロデューサーもアニソンを1つの音楽ジャンルとして認めたうえでリンホラを選んだ理由を次のように述べています。「アニメソングの中で、最も売れた楽曲。アニメソングという一つのジャンルを代表して、出ていただくことになりました。」この言葉を聞いて私は本当に嬉しかった。アニメは子供のころからずっと好きだったですが、どうしても邦楽・演歌などよりも下に見られていたからです。20年前、西田ひかる・森口博子・坂本冬美の3人がセーラームーンのコスプレをしてムーンライト伝説を歌っていた頃から考えると本当凄い事です。



 テレビマンガの時代のころは、アニメソングはテーマに沿ってアニメを盛り上げる為に作られていました。タイトルを連呼したり、水木一郎アニキのようなシャウトがあるなど、アニメソングは一般の曲とは一線を画していました。それが80年代になってちょっと変わってきました。声優ブームが到来し、マクロスのリン・ミンメイの声優を担当した飯島真理さんが、オリコン7位にランクインするなど、アニメソングの価値が上昇しました。



 当時、アイドルや歌謡曲が全盛だった時代にオリコン7位というのは、現在オリコン1位を獲得するよりも難しかったと思います。90年代に入るとおどるポンポコリンが大ヒットし、第二次声優ブームが到来しました。タイアップ曲のヒットと同時に林原めぐみさんが歌った曲がアニメファンの心を掴みました。それでもまだアニメソングと通常の曲とは大きな溝が存在していました。残酷な天使のテーゼが発表されても、アニメソングはどうしても色物扱いされていた事を悔しいと思っていた人が多かったです。




 2000年代に入るとインターネットの普及によって情報の共有と発信が出来るようになった事とヲタク向けにターゲットを絞った深夜アニメが、アニメのメインステージとなった事が重なり、アニソンのシングルが多く売れるようになりました。これはマーケティングの成功と言えるのでしょうけど、アニソンの地位向上を目指してハッピーマテリアルオリコン1位運動やもってけ!セーラーふくオリコン1位運動が発生しました。



 これはアニソンを愛する人がアニソンもいいんだぞと訴えるのには非常に効果があったのですが、アニソンに批判的な人達にとってはあの声が嫌いとか気持ち悪いとかネガティブな意見も出て、まだまだ難しいと思いました。それでも、アニソンが全く取り上げなかったMステに取り上げられるなど、徐々に流れが変わったことも事実です。08年にはマクロスFがヒットして、歌の出来のよさが本当に目立ちました。



 また、05年からはアニメロサマーライブが始まり、アニソンの夏祭り的な位置づけのイベントとして定着し、NHKでも新世紀アニソンスペシャルが始まり、アニソンが1つのジャンルとして認められた結果、09年に水樹奈々さんが紅白に初出場したのです。この年には西武ドームでライブを開催するなど、まさに声優アーティスト・アニソンの代表として選ばれたのです。そして、2010年にはけいおん!!のOP・EDがオリコン1・2位を独占する快挙を達成。



 いくら他の曲が売れていないとはいえ、これは本当に快挙だと思いました。小さな市場であってもしっかりとした曲が出来れば売れる。ファンのニーズを汲み取り成功した一例だと思います。その後、新たな時代のアニソンシンガーが次々とデビューし、声優ユニットもドンドン誕生しました。未だにアニソンに否定的な人もいるでしょうけど、これはしょうがないと思います。元々、ファン向けに作っているのですから。誰もが良いなと思うのは、中々難しいかもしれません。民放は不特定多数の人向けに番組を作成している訳ですから、マーケティングの側面から深夜アニメの曲をメインに扱う音楽番組は作りづらい。ニーズが少ないわけですから。



 しかしNHKはビジネスの側面で考えると、広告を打たないのでターゲットを絞る必要がありません。だからアニメソングを認めて来た過去があるからリンホラの出場も頷けると思います。アニメソングは既に色物ではなく、しっかりとしたジャンルに含まれています。これからもどんどん私達の耳に残る素晴らしい曲が沢山誕生するはずです。今回の2組の出場と水樹奈々さんとTMレボリューションの西川さんのユニットも期待出来そうですし、アニソン新時代と言っても良いかもしれませんね。






 全く内容がわからないオリジナルアニメについて、ファンに考えさせる余地を与えたり舞台となった地域を訪れるように思わせるなどの主体性が、ヒットしたアニメの共通点だと指摘しました。では、原作をアニメ化した作品がヒットする要因もあるのではないかと考えた所、共通点を発見しました。キーワードは「付加価値」です。つまり、原作のあるアニメ作品がヒットするには、原作+アニメ化された時の付加価値が必要になるのです。



 では、最近のヒットした作品で検証してみましょう。まずマンガ原作でヒットした作品ですが、やはり進撃の巨人だと思います。月刊少年マガジン連載の作品で、原作もある程度人気はありましたが、やはり人気が爆発した理由はアニメ化です。作品として面白いのは当たり前なのですが、アニメ化したタイミングがよかった。まだ、物語がどうなるか判らない中で、原作ファンも楽しめると同時にアニメから進撃を見始めた人にも満足させることが可能となっていました。



 また、進撃の一番のポイントである巨人の存在を人間の敵、恐怖の存在と印象付ける為にエレン役の梶さんは、非常に怒りを表現していました。これで巨人は敵であると認知されると同時に100年の安寧を一瞬の内に破壊する巨人の恐ろしさをアニメで表現する。漫画では表せない感情が出てくるわけです。更に女性ファンのニーズに応えるキャスティングも絶妙でした。主人公ではなく兵長のリヴァイに人気No.1の神谷浩史さんを起用し、あくの強いキャラを演じ女性ファンを獲得しました。



 グロテスクな巨人はマンガよりもアニメの方がより恐怖が増し、くせのアルキャラクターが多かった作品では、声優の力量が問われます。今回は適材適所に名前だけではく実力のある声優を起用しました。だから、キャラクターの存在も際立ちますし、声優本来の力量ではなくビジュアルで売ろうとして、棒読みだとファンから駄目だしされる人はいませんでした。そして、主題歌は最近では珍しい世界観に沿ったアニソンらしいアニソンでありつつ、サンホラのREVOさんが作り出した曲はインパクトがありました。インパクトといえばBGMも同様で、面白い作品の裏には効果的なBGMの存在は不可欠なのです。




 BGMの効果によって作品の世界観は変わりますし、ファンの頭の中に残ります。最近はサントラを別に販売するのではなく、Blu-Rayに同梱されていることがあります。売り方としてはあざといのですが、ファンはBGMに価値を見出した場合は購入します。印象深いBGMはいろいろな場面でも使用されますし、作品の優劣を決める上で重要なファクターとなるわけです。巨人が存在する世界感、キャラクターの魅力を引き出す声優の力量、主題歌やBGMの素晴らしさ。マンガでは表せないアニメならではの付加価値が生まれた訳で、後はツイッターなどで情報が拡散する訳ですから、口コミでどんどん面白さが広がり大ヒットしたのは言うまでもありません。




 続いてライトノベル原作でヒットした作品もアニメ化した事で付加価値が付き、人気を集めた作品がありました。今年は残念ながらなかったですが、最近放送された作品の中では、Fate/Zeroがラノベ原作の中では最もヒットした作品と言えるでしょう。勿論、Typemoon作品であるFate/stay nightのスピンオフという位置づけがあったので、既にブランドイメージが構築されていました。しかし、元来の男性ファンだけではなく女性ファンを多く取り込んだ事が更なるヒットに繋がりました。




 アニメ化前にはCDドラマが制作されており、非常にベテランの声優が起用されていました。いわば旬の人が多くなかったわけです。逆に言えば安定感がありますし、演技にケチをつける人はそれほど多くなかったはず。事実、人生経験を積んだ方でなければキャラクターの魅力を引き出し、人物に感情移入させる事は出来なかった内容でした。アニメ化が決定した後のプロモーションでは、聖杯を狙う7つの陣営ごとにCMを制作し、特定の主人公はいるけれども、どの陣営でも感情移入出来る余地を残したのも非常に上手かったと思います。


 小説では主人公衛宮切嗣を中心に描いていた訳ですが、CMによってあれちょっとアニメは違うのかなとファンに思わせるのには十分でしたし、キャスト陣がCDドラマと同様である事がわかったわけです。チェンジする事が当たり前なのですが、これはお金もかかっていて非常に期待出来ると思った人も多かったはずです。そして一番のポイントは制作を担当されたufotableさんです。




 空の境界で実績を残していた事もあり、アニメ化されたらどんなに美しい映像で戦闘シーンが見られるのかわくわく感を抱きました。実際、セイバーとランサーが戦ったシーンは、これは本当にテレビアニメなのかと思わせるほどの大迫力とスピード感があり、他の作品ではお目にかかれないと感じました。近藤社長の講演を聞いたのですが、1クールの期間をあけなければ、社員が倒れてしまうし改善点もある。しかし、必ず良いものを届けますからと仰っていました。




 その話を聞いて、続きをすぐ見たかったけど良いものが出来るなら待っても良いかなと思っていたら、第2シーズンも第1シーズンと同様アニメ化した事が本当に素晴らしかったなあと感じました。素晴らしい作品が出来上がった結果、2シリーズのBOXにまとめられたFate/Zeroは、Blu-RayBOX史上最高の売上を記録しました。BGMもBOXを買わなければ聞けませんでしたし、オリジナルのCDドラマもありました。高くてもこの作品ならずっと残しておきたい。そういう付加価値がある作品だったがFate/Zeroでした。



 

 最近はマンガであれラノベであれ安直にアニメ化される作品が増えています。ただ、原作に沿った内容でアニメ化しても中々ヒットしません。私はファンを始めとする消費者が求めているのは、アニメ化した場合のメリットつまり付加価値がどれだけあるかどうかがヒットの鍵であり、そのためには何をしなければならないのか?ファンが一番楽しめるにはどうしたら良いのかという事を考える必要があるはずです。アニメによって存在を知り好きになったら原作を購入する。そして、その世界感に触れて更に好きになる。オリジナルアニメと原作アニメではアプローチは異なりますが、一番大切なのはファンにとってこの作品が、エンターテイメントコンテンツとして楽しめるかどうかではないでしょうか。




 劇場版魔法少女まどか☆マギカ新編叛逆の物語は、上映4週目になっても勢いが衰えず、今週も興行収入第4位をキープし、来場者100万人興行収入は15億円を突破しました。また、来年には映画化が決定しているガールズ&パンツァーの舞台となった茨城県大洗町で開催されたアンコウ祭りには、約10万人が来場しました。ガルパン放送前には3万人だったのが倍以上の来場者となりました。



 この2作品の共通点はオリジナルアニメである事はご存知だと思います。では、オリジナルアニメは今期もキルキラルが放送されていますが、ネットでは殆ど話題になっておらず、完全にまどマギの劇場版に話題を奪われています。そこで私はオリジナルアニメがヒットする要因と原作のあるアニメがヒットする要因を自分なりに発見しました。アニヲタ層中心の特定多数のファンの心をひきつける為に必要なことです。



 オリジナルアニメにおけるヒットする作品の共通点をキーワードであらわすと「主体性」であると思います。言い換えれば、放送された作品において視聴者が独自に考察したり、二次創作したり、聖地巡礼するなど、自らが行動し楽しめる余地があるかどうか。これがポイントだと思いました。勿論、ストーリーやキャラクターも大切ですが、これらはあくまでも前提条件です。まず作品が面白くなければ、興味も何もありません。実はここが一番難しいのですが・・・



 作品に興味を持ち、自分ならこうしたい!キャラクターについて自分ならこう考える!様々な考察や意見などをブログやツイッターなどで語る。今はネットによる情報伝達が当たり前ですから、多ければ多いほど「この作品は注目されている、面白そうだじゃあ見てみよう。」そう思う人が増えると思います。しかし、物語が完結してこれで終わりと思わせえては駄目で、今後どうなるのだろうか?続きが早く観たいなどとファンに考えさせたり興味を持ち続けてもらうような「余地」を作る必要があります。アニヲタは興味を持てば持つほど、どんどん深くなっていく、オリジナルアニメの魅力を活かしています。



 特定の地域を舞台にした作品では、いかにディテールにこだわるかが重要なポイントだと思いました。地元の人なら、ああここ知ってるよ。いつもここ使っているなあと思わせたり、知らない人ならここどこだろうと調べたりする事で興味を持ってもらえる。そうなれば、そこを訪れてみたい。キャラクターと同じものを食べてみたいと主体的に動く人が増えるのは自然の流れです。そして、ここで大切なのは地元の人も一緒に楽しめる空間を作る事。行政がアピールと思って出て来たら、鴨川のように反感だけが残ってしまうだけ。



 ファンの主体的な行動を地域が応援し、一緒になって盛り上がる。大洗はそういう形で知名度が上がり、ネットを通じたコミュニケーションによって輪が広がる。イベントにはファンが見たいであろう声優陣をゲストとして招き、世界観を壊さないように盛り上げる。熱心な人は勿論、アニメを知らない地元の人も理解すれば、町全体が活気付く。そして、マスコミが取り上げて更に知名度が上がる。いいサイクルが完成している。ガルパンブームが去った後どうなるかが課題ですが、知名度アップに大きく貢献したはずです。



 

 また、最初はコンテンツとして注目度が低かったですが、オリジナルアニメが制作されて人気が爆発したラブライブも、ファンに主体性を持たせる意味では成功した作品と言えるでしょう。2010年8月にデビューしましたが、当時はアイドルマスターの方が圧倒的に人気があり、キャラクターを演じる声優も新人が殆ど。CDを発売しても殆ど売れなかった。しかし、ファン投票でのセンターポジション決定やニコ生を通じたプロモーションの成果で、徐々にファンが増えて行きました。



 そして、今年1月から放送されたアニメによってラブライバーが激増したのです。理由は視聴者に感情移入させるストーリーだった事。キャラクターの喜怒哀楽を巧みに表現した内容と完成していくグループの流れを追って行く事で、今までキャラクターに興味を持たなかった人も興味を持つようになる。一方で、アニメ放送前から応援してきたファンにとっては、声優達の成長を感じ更に応援したくなる。マーケティングのやり方を工夫する事で、更なるファン獲得に成功した訳です。



 このように作品が放送されても、その作品を好きになった人が主体的に行動できる余地を残したオリジナルアニメは成功する確率が高くなると私は思います。勿論、一番大切なのは、視聴者に興味を持ってもらいずっと愛してもらえるような作品作りです。それが根底に無ければ、いい作品が出来る事はありません。オリジナルアニメ作りは時間もお金もかかりますが、成功したら大きな財産となるはずです。次回は原作の作品についての成功した理由をキーワードから考えてみたいと思います。



 予想はしていましたが、現実になると本当に凄い事だと思います。先週公開された劇場映画興行収入ランキングにおいて、劇場版魔法少女まどか☆マギカ新編叛逆の物語が、129スクリーンという普通のアニメ映画の3分の1程の上映規模だったのですが、興行収入約4億円入場者数約27万1300人という驚異的な数字を記録して、深夜アニメでは史上初の1位を獲得しました。



・主なアニメ作品の初動・累計興行収入

累計  初動  比率 (初動順)
52.6億 11.31億 4.6倍 ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q
40.0億 5.12億 7.8倍 ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破
12.1億 4.56億 2.6倍 劇場版 HUNTER×HUNTER 緋色の幻影
**.*億 4.00億 ?.?倍 劇場版 魔法少女まどか☆マギカ -叛逆の物語-
19.0億 3.16億 6.0倍 映画 けいおん!
16.8億 2.81億 5.9倍 劇場版 銀魂 完結篇 万事屋よ永遠なれ
20.0億 2.80億 7.1倍 ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序
10.0億 1.98億 5.0倍 劇場版 あの日見た花の名前を僕たちはまだ知らない。
*5.6億 1.72億 3.3倍 劇場版 魔法少女まどか☆マギカ 永遠の物語
*5.9億 1.39億 4.2倍 劇場版 魔法少女まどか☆マギカ 始まりの物語
*7.0億 1.18億 5.9倍 劇場版 マクロスF 恋離飛翼
*6.0億 1.18億 5.1倍 劇場版 TIGER & BUNNY -The Beginning-
*5.0億 1.00億 5.0倍 劇場版 とある魔術の禁書目録-エンデュミオンの奇蹟-
*8.5億 0.89億 9.6倍 涼宮ハルヒの消失
*6.5億 0.88億 7.4倍 劇場版 マクロスF 虚空歌姫
*5.6億 0.86億 6.5倍 劇場版 シュタインズ・ゲート 負荷領域のデジャヴ




 ヱヴァンゲリヲン新劇場版は別格ですが、深夜アニメ限定で見てみると一番比較しやすいのはけいおん!ですね。けいおん!は、132スクリーンで興行収入が3億1600万円でした。これも深夜アニメということを考えれば、桁外れの数字なのです。それをあっさり塗り替えたまどかはどれだけ多くの人が注目していたか良くわかります。ストーリーも正直言うと2度3度観ないと完全に理解できない内容だと思うので、私はリピーターも増えると思います。ただ、新規のお客さんは望めないでしょう。それは前作を観た人がメインなので、入り難いからです。今後は累計でけいおん!を超えるかどうかに注目しましょう。




 一方でドキドキプリキュアの劇場版が2位に入りました。全国199スクリーンで上映され観客動員数約19万1900人、興行収入約2億1340万円でした。これは昨年よりも10%以上数字が上がっている大ヒットなのです。親子ファンを中心にアニメファンも取り込んだプリキュアは、来年で放送開始から10年となります。本当に人気コンテンツに成長したシリーズになった事で、来年も3月にオールスターシリーズのファイナルが公開される事が決定しています。今回はまどかが凄すぎましたが、昨年以上の結果を残しそうです。




今週のランキング
1位(-)劇場版 魔法少女まどか☆マギカ[新編]叛逆の物語 1週目
2位(-)映画 ドキドキ!プリキュア マナ結婚!!? 未来につなぐ希望のドレス1週目
3位 ↓(1)陽だまりの彼女 3週目
4位 ↓(3)謝罪の王様 5週目
5位(-)グランド・イリュージョン 1週目
6位 ↓(2)そして父になる 5週目
7位(-)潔く柔く 1週目
8位 ↓(5)怪盗グルーのミニオン危機一発 6週目
9位 ↓(4)人類資金 2週目
10位↓(6)ダイアナ 2週目



・深夜アニメ限定興行収入

初動       動員   館数 累計  タイトル
400,003,600円 271,279人 129館 **.*億 まどか新編 

316,310,450円 237,817人 137館 19.0億 けいおん!
198,177,700円 161,225人 *64館 **.*億 あの花
171,622,400円 117,413人 *43館 *5.6億 まどか後編
138,563,400円 *91,957人 *43館 *5.9億 まどか前編
122,889,700円 *84,402人 *50館 *5.5億 なのはA's
117,803,100円 *81,772人 *38館 *7.0億 マクF後編
117,654,900円 *73,413人 *70館 *6.0億 タイバニ(LV113館込)
100,757,700円 *69,117人 *30館 *5.0億 禁書目録
*89,010,100円 *60,306人 *24館 *8.5億 ハルヒ消失
*88,154,771円 ***,***人 *30館 *6.5億 マクF前編
*86,822,800円 *57,634人 *18館 *5.5億 シュタゲ