レンズの焦点距離の話から、イメージセンサーの大きさについてお話ししましたが、イメージセンサーの大きさは本体価格に直結するところでもあります。


カメラはお金かければ車並みのお値段になるのですが、用途を限定するとかなり予算を抑えられる物でもあります。

商売道具とはいえ、無駄な機能にお金を払っていては、ポストカードのような格安商品の販売は難しいはず。


スタジオ撮影に特化するとしたら、どの機能にお金をかけたいかな……という面で見ていきます。




1.イメージセンサーサイズ


カメラのイメージセンサーが大きいと、それに合わせてレンズも大きくなります。

レンズが大きくなれば、そちらもまたお値段がお高くなります。

センサーやレンズが大きいと、それを保護する筐体も大きくなりますし、重量が出るので強度設計も重要になってきます。


センサーサイズが大きいと光の受光面積が大きくなるため、白飛びや黒ツブレに強くなります。

レンズ交換式カメラや、高級コンパクトに分類されるような、フォーサーズ規格以上のカメラなら、明るいところで撮影した写真の画質はそれほど変わりません。

誤解を恐れず言えば1型でも十分綺麗(あまりボケないけど)。SONYのRX100M7欲しいです。


スタジオ照明はかなり明るいですし、「近い距離で広く写したい」「背景を思い切りぼかしたい」という要件がなければ、APS-Cかフルサイズかはそれほど重要ではありません。


アリスの場合は子供がターゲットということもあり、撮影スタジオの広さもあって、画角の問題はなし。

撮影用の小道具は比較的小型で人の背丈より低い位置にあるものが多く、部屋全体を写し切る必要もありません。


小道具いっぱい並べてぼかすようなセットもありませんが、合成背景も使うことで単調になるのを回避してるのかなと思います。




2. オートフォーカス(AF)の性能


これは結構重要になりそうです……が、撮影シーンとしては、あまり性能を求められない方ではないかなと思います。


A. AF速度

早いに越したことはないのですが、スタジオ撮影はその場に止まって撮影することが多いです。

野鳥やプロスポーツなどの「素早い」「方向が予測できない」「移動距離が大きい」撮影にも対応するスペックはやや過剰といえます。


B. 測距点数

画面上の距離計測の点の数。経験上、あまり多くしておくと、狙ってないところを拾ったりします。

写真の構図的にも中央付近や三分割法のラインが抑えられれば良いので、それほど数は重要ではありません。

なお被写体が多いごちゃついたシーンには向いてません。スタジオ撮影なので背景は問題なさそうですが。



3.防塵・防水・耐寒・耐衝撃


撮影シーンによってはしばしば堅牢性が求められるということで、防塵・防水性能を担保したモデルもあります。

それだけで比べたことはないのですが、防水ハードケースなどのアクセサリーだけでも2万円くらいしますので、そのへんでお察しください。


とはいえ、スタジオ撮影なのでここらへんの機能は不要ですね。


耐衝撃だけは、何かありそうな気がしなくもないですが……そう簡単に倒れるカメラスタンドでもありませんし、子供がカメラにおもちゃなどを投げつけるシーンは、それほど多くないでしょう。




4.動画撮影機能


VLOG向けをうたった機種も増えています。

動画撮影を細かく設定できたり、長時間撮影できたり、音声の解像度が高かったりします。

しかしこれは詳細を言うまでもなく、アリスには関係ありません。




5.連写性能


1秒に7枚連写で驚いてたのも昔の話、いまでは1秒20コマという世界です。

連写すると現像や保存などに時間がかかるため、画像処理エンジン(カメラの頭脳にあたるもの)を2つ搭載するという、なんとも力技。

しかしそれだけにお高いです。


しかしスタジオアリスの場合、自然光よりもストロボ光での撮影がメイン。

そしてこのストロボ、ある程度チャージされてないと使えませんので、毎秒何枚も撮るような撮影をするのは結構難しいのです。

発光量を抑えれば連写できなくもないようですが。


とはいえ、今時の機種はどれを選んでも毎秒5コマ程度は撮れるので、ストロボ発光撮影を前提とすれば、それほど連写機能は重視しなくても十分と言えます。

(書きながらアリスのストロボが気になって仕方なくなりました)





こうして挙げてみると、カメラ本体は、報道カメラマンが持つようなフラッグシップモデルまでは不要そうです。


そしてここまで考えて、私あることに気付いたのでした。

次回、アリスのアレをチェックします。