「ただいま。」
「あら、おかえりなさい。あなた」
『父さま!おかえりなさい!』
「あぁ、ただいま。アリー。いい子にしてたか?」
『はい!』
「そうかそうか笑!じゃあそんなアリーにご褒美だ。」
そう言ってくれたものは"サックス"という楽器だった
『父さま、これなぁに?』
「これはサックスといってな、お父さんが始めて聞いた時に音色が綺麗だったから買ってきたんだ」
「まぁ、あなたったら…笑」
「いいじゃないか。さぁ、アリー、この楽器をやってみる気はないか?」
その時私は、不安な気持ちでいっぱいだった
でも、父が喜ぶのであればと思い…
『ふふ!是非やらせてくださいな!』
「そうか!期待してるぞ!父さんにアリーの音楽を聞かせてくれ。」
「私も楽しみにしてるわ。」
『はい!頑張ります!』
私は毎日練習した
父さまと母さまに喜んでもらえるよう
どんな時間も無駄にせず
でも……ある日
夢に妖怪のような…魔女のような
えたいの知れないなにかが私に問いかける
「お前は、世界を変えたいとは思わないか?」
低い声で囁くそれは私にとって恐怖の塊だった
『…ど、どういう…意味…?』
「はははっ、考えといてくれ。」
と言って去ってしまう
『まって、ねえ!どういう意味?』
『ねえ!』
自分の声に目が覚める
気づくと天井の方向に手を伸ばしていた
『はぁ、なんだったんだろ…。まあ、いっか…』
その時はまだ、気づかなかった夢が世界をガラリと変えてしまうことを…