数学は、やみくもに単元を回す教科ではない。

受験で「必ず出題され」「しかも配点が高い」単元を、常に解き続けること。
これが最短で結果を出す唯一の方法だ。

1次関数、図形の合同・相似、確率、規則性、連立方程式。
そして計算力。
受験数学は、実は毎年ほぼ同じ骨格で構成されている。

では、それらを一度の勉強でまとめて演習できる問題集はあるのか。
答えは、ほとんど存在しない。

問題集は基本的に単元別。
1次関数をやろうとすれば中2のテキスト。
しかし中2のテキストは1冊に全単元が詰め込まれているため、1次関数の演習量は明らかに不足する。

中3になると、どの塾も中3のテキストを使う。
そこには連立方程式も、合同証明も、1次関数もない。
復習は夏期講習や冬期講習の講習テキストで「少しやる」程度。
そして最後の追い込みで、ようやく受験問題に触れる。

これでは、受験数学が安定するはずがない。

では、麻布学院はどうか。
麻布学院は超先取り。
上位層は中1の終わりには全単元を終了する。

その後はどうするか。
自学演習の時間も、授業時間も、扱うのは受験問題だ。

受験問題には、計算、連立方程式、確率、規則性、1次関数、図形。
受験で必要な全てが、最初から入っている。
単元をまたぎ、考えさせ、点数を取るために作られている。

それを毎日解く。
自学でも、授業でも、ひたすら解き続ける。

だから麻布学院の生徒は、数学に強い。
理由は単純だ。
受験に出る形で、受験に出る単元を、受験が終わるまで解き続けているからである。

数学は才能ではない。
やっている「問題の質」と「量」が、そのまま結果になる教科だ。

それをこなせる状態に早く持って行く。
そこからは受験問題そのものがテキストである。

難関私立高校受験問題も含めて、麻布学院生が解く問題量は相当な物なのだ。