夏期講習2日目。
 

中3生の男子。

怒りました。

 

模試も420、定期も420というタイプ。

このタイプの場合、意識的な物が低いケースが多い。

 

320~350点の生徒が上がってこの点数ならば良し。

 

ですが全く変わらない場合は手ごわい。

いわゆる上位私立高校には手が届くが、上位公立高校には難しいタイプ。

 

全体的にやる気が無く見えるので評定も低い。

順位の割には大分低い。

 

 

意思表示をしない、表現力が足りない。

言語化できない。

 

何を考えているのか分かりずらいタイプ。

 

夏期講習に入り、徐々に中3生の雰囲気が変わって行く中、この生徒は平常運転。

 

 

ここぞと思ったので怒りました。

言葉を投げかけて質問しても自分の言葉が無い。

 

「何も意見を言えないならば一番下のクラスに落とす」と宣言しても何も言えず、最後には頷く始末。

 

本当に落としてやろうかとも思いましたが再度確認。

 

 

教室の後方に呼び出して、目を見て自分の思っている事を他人の目関係なしに言えと伝え

「下に落としていいんだな?」と聞くと首は振る。

 

声はしない。

 

目を見て教室の全員に聞こえるように気持ちを言ってみろと伝えると待つこと10分

 

かぼそい声で

 

「嫌です・・・」

 

「誰も聞こえていないもう1度」

 

「嫌です・・・」

 

「聞こえていないもう1度」

 

言っては待つ言っては待つの繰り返し。

腰をすえて待つ!

 

このやり取りが何度かあって

 

「自分の意志は他人にしっかり伝えないと伝わらないし、認めてもらえない。」

「この行動で人生の何かが変わるかも知れないと思って言ってみろ!」

 

と私が言いたい事をここでしっかり伝える。

そうすると

 

「嫌です!」と言えました。

 

教室の後ろでやり取りしていましたが、最初は最後尾の生徒にすら聞こえない声。

それが強い言葉でしっかりと本人に言葉を投げかけると最前列の生徒にも聞こえる声が出ました。

 

この生徒。

意思表示が苦手。

目標も言えない。

そもそも何もないようにしか見えない。

 

 

それでは何も伝わりません。

誰かの前で宣言させる。

 

声にして何かを伝えさせる。

 

それが自分自身への宣言となり、変わって行った生徒を何人も見て来ました。

 

 

保護者様も、怒る時や諭すとき。

子どもが黙り込む時があると思います。

 

誘導すれば首を振り、誘導すれば頷く。

本当にそう思っていないのでは?と疑問に思う時がありませんか?

 

 

そう言う場合。

 

「私はここについてだけ聞きたい。ここについてだけでいい。それをきちんと声にしなさい」

 

そして声が出るまでひたすら待つ。

目を見て待つ。

 

「私がどう思うか。人がどう思うかは関係ない。自分がどう思うかだけを言えば良い」

 

言い易いようにこんな言葉を付け加えながら待つ。

イライラしても待つ。

 

小さな声が出たら更に

「聞こえない。もう1度言って」と確認。

 

きちんと本人が宣言を声に出したと認識できるように。

兎に角待つ。

宣言してもらう事は簡潔に1つで良いんです。

 

 

自分の声で宣言させる事が大切なんです。

たった1つの声を出した宣言。

 

それだけで人間は変わろうと努力し始めますから。

 

 

声に出せるまで怒るでもなく、語り掛ける訳でもなく待つ!

ひたすら待ってあげる。

 

そして少しでも声が出たら、熱い言葉を投げかけてみる。

 

言葉が心に響けば、必ず大きな声で気持ちを言ってくれる物です。

 

他人の言葉に頷くのと声に出して伝える事。

両者は同じに見えて全く違います。

 

 

聞きたい事を簡潔に。

できるだけ1つ。

あとは声に出来るまで待つ。

小さな声が出たならば、自分の想いも載せて言葉をかける。

そして待つ。

 

子どもはそのぐらい待たないと本音を言わない子もいるし、投げやりになる子もいますから。

 

しっかり目を見て待つ!

 
それだけで劇的に変わる子供も沢山いましたよ。