ええかげんな奴じゃけん
ほっといてくれんさい
あんたと一緒に
泣きとうはありません

どこへ行くんね
何かええことあったんね
住む気になったら
手紙でも出しんさいや

季節もいくつか
訪ねてきたろうが
時が行くのも
わからんくらいに
目まぐるしかったんじゃ

人が好きじゃけね
人が好きじゃけね

裁くも裁かんも
空に任したんよ

人がおるんよね
人がそこにおるんよね

何故だかわからん
足りんものがあったけん
生きてみたんも
赦されることじゃろう

自分の明日さえ
目に写りもせんけれど
おせっかいな奴やと
笑わんといてくれ

理屈で愛など
手に出来るもんならば
この身をかけても
全てを捨てても

幸せになってやる

人が泣くんよね
人が泣くんよね

選ぶも選ばれんも
風に任したんよ

人がおるんよね
人がそこにおるんよね

心が寒すぎて
旅にも出れなんだ
あんたは行きんさい
遠くへ行きんさい

何もなかったんじゃけん

人が呼びよるね
人が呼びよるね
行くんも
留まるも
それぞれの道なんよ

人が生きとるね
人がそこに生きとるね

人がおるんよね
人がそこにおるんよね


吉田拓郎
唇をかみしめてより。

塾の仕事を歌に例えると、俺はこの曲のイメージになります。
吉田拓郎は全く世代じゃないけれど、この曲は受験の後に必ず聴きたくなる。

俺の仕事はお金を扱う仕事じゃなくて、人の人生を左右しかねない仕事。
全ては人なんですよね。

受験に落ちたら生徒は泣くんです。
泣かせたくないから厳しくする。
結果、選ぶも選ばれないも、行くも留まるもそれぞれ生徒の人生。

合格した生徒はみんな手を離れて遠くに行ってしまうのも宿命。
生徒達は次の誰かに委ねます。

何かがあるならいつでも塾にいるし、どうしてるかぐらいは報告に来て下さいね。

人が好きだから。
この仕事を辞められない。
だから俺は塾に留まるしかないんだな。