10歳の女の子が虐待死した事件がありました。
教育委員会が子供のアンケートを父親に引き渡したことが引き金で、虐待がエスカレートしたとのこと。
私は塾のホームページブログに、あまり社会的なことや思想的なことを書きません。
こちらのブログでは、書こうと思います。
いじめにしろ虐待死にしろ、毎回児童相談所や教育委員会は再発防止再発防止と言うけれど、死んだ子は生き返らないんだよ。
1人の子どもの死に自分の責任が少しでもあるとすれば、俺は子どもに関わる仕事を辞めてしまうと思う。
無責任と言われようが続けることは出来ないと思います。
うちの塾生は私と距離感が近いので、いじめについてやDVについて相談してくれます。
その事を解決するために、塾とは無関係のいじめの中心的生徒の保護者と大喧嘩になったことがあります。
相手が普通の職業ではない方で、学校側がおよび腰になり、いじめは放置されていました。
うちの生徒は耐えていたのですが周囲の塾生が我慢できずに私に伝えてくれました。
人間、相手が誰だろうと子供に頼られれば、逃げる大人になってはいけない。
私は常にそう思ってやってきました。
私と相手方の保護者が大喧嘩の末に学校で話し合いが持たれ、いじめを加害生徒が認めて解決しましたが、少しだけ嫌がらせのような噂を流されました。
生徒が不良に絡まれた事もあります。
助けを求めに生徒が必死に逃げてきて塾生がまだ絡まれていると聞いて車で駆けつけました。
相手が四人おり、金髪にピアスの中学生。
身長は四人中二人が180をこえるぐらい。
体格も良く、本来どうにか出来る状況ではありませんでしたが必死に怒鳴り散らし、不良を怯ませて生徒を助け出しました。
その後もやはり悪い噂を近隣の塾や生徒に絡んでいた不良の保護者から流されました。
それでも逃げる大人にならなかった自分を恥じずに生きてこれました。
しかし、DVの問題は一番難しいんです。
保護者と話し合いは出来ても、塾は保護者からお金をいただく立場ですから。
辞めると言われたら助けようがなくなります。
しつけだと言われる場合がほとんどで、塾にそこまで立ち入られたら困ると言い放たれます。
今までは幸運にも第三者に仲介してもらい解決出来てきました。
保護者様も冷静な時はきちんと話をきいてくださる方々だったので。
ですが、今回の事件の父親のような人間に出会った場合は子供を守りきれるのか?
悩んでしまいました。
話し合いにも来ないで塾を辞めてしまうと思います。
うちの生徒で数名相談を受けた子の保護者様は本当に子供を愛していて、塾の話し合いには必ず来てくださいました。
普通はそういった場を設け、祖父母様やご両親を交えて話をすれば解決の糸口になり、その後はその生徒に毎回暴力はもうないか確認して観察してあげればほぼ解決します。
引かない大人は、大人からみても厄介な存在に見えると思います。
祖父母様が入ってくれることにより、もし保護者様が塾費用を出さないと言っても代わりに出すと言ってくだされば、保護者様も冷静になってくださり、塾を続けてくれます。
ですが、今回の事件の父親のような人間に出会った場合。
塾の経営者ごときが家に押し掛けることが許されるのでしょうか・・・
押し掛けたとして、子供を保護できるのか。
児童相談所に塾経営者が電話をして、それで結果塾を辞めることになった後、児童相談所や教育委員会は子供を守ってくれるのか。
このような事件のたびに悩みます。
『責任を痛感しております』って言葉。
死んでしまった子には届かないよ。
亡くなったお子さんは逃げる大人達の犠牲者です。もちろん一番悪いのは父親です。
この父親が一番逃げる大人ですから。言い訳すら見苦しい。
でも、いつか自分が逃げる大人になる日が来たら私は私でいられない。
塾はたたむと思います。
それすら逃げる事だとわかっていても、子供の目を見て話せなくなると思います。
自分でもおこがましい考え方だとは思うのですが、小学生の時に私が体験したことに必死で守ってくれた大人がいましたから。
その人とは、守ってもらったお礼と感謝を告げられないまま離れることになりましたが、血の繋がりがない大人が私を必死で守りきると言ってくれた時の安心感と暖かさを忘れてはいません。
私はあの人と同じように、自分が損をしようが悪く言われようが誰かを守っていける大人になれているのか疑問です。
悪く言われたら落ち込みます。
やっぱり、正しい事をして悪く言われたとしても、こころは傷つきます。
そんな自分に恥じ入りながらも、やはり落ち込むものです。
今回の事件で、色々な人の立場になって考えてみましたが、私が当事者になっていたらどうだったのでしょう。
わかりません。
私も守るべき物が昔より大きくなった分、傍観者になってしまわないか。
そんな事すら迷わずに、ならないと断言できなくなった自分に少し失望した夜です。