新宿625第7回公演『栗原課長の秘密基地』
年に一回ベースの公演を続けている演劇ユニット新宿625の最新作。
今作は土屋理敬の脚本、新宿625の沢海陽子が演出に専念する。
開場後、ロビー案内に沢海陽子さん。
来年2月の『ヘンリー五世』も観に行きますと伝えた。
訳あって児童書籍課に左遷された栗原さんが、初仕事の「第十八回きつつき文学大賞」の授賞式を滞りなく終えるため、度重なり起こる問題やハプニングに対応する話。
いつもの新宿625の面々に加え、豪華ゲストを配し、賑やかに展開するワンシチュエーション・コメディ。
20代から60代まで幅広く厚いキャスト層だが、皆さん芝居が上手くて巧妙で安定。
絶妙の間合いや息のあった掛け合い、時に白熱するやり取りや言い争いが、まるでホントのライブ感覚。固唾をのんで見守り、共鳴したり反発したりと、大いに揺り動かされた。
今回は受け身の芝居が多い課長役のてらそままさき。スーツ姿も勇ましく声も凛々しいが、後半は汗を滴らせ顔を真っ赤にさせ土下座までして、必死の仲裁役に徹する。あんなに熱い芝居を続けたら血圧がグンと跳ね上がるし、あんなに大きな声を張り上げ続けたら喉に負担がかかり掠れてしまうだろう。それぐらい、魂を削った芝居で引き込まれた。
楠見尚己と野村須磨子が、味わい深くも時にコミカルで心地よい。
三石琴乃が明るいオタク主婦から、正義と誠を貫く読者の鏡へと変貌、説得力のある熱い芝居で共鳴させていく。
おおらいやすこの弱々しさと、佐々木絵里奈の強さの対照的なメリハリが面白い。絵里奈さんはどこかで見た顔だと思ったら、劇団AUNの人だった。
ふくまつ進紗と小形満があまりに芝居が上手いので、進行するにつれどんどん憎たらしくなってくる。
キャストの熱演は素晴らしいが、話の内容としては、モヤモヤとイライラが募ってあまり面白くはなかった。
ヒビ割れが起きる度に簡易修復、真実を隠して嘘を重ねて誤魔化し、ついにはでっち上げの犯罪。これでは「秘密基地」というより、不正を企む「秘密結社」だな。
時事ネタも出てきたが、流行りの医学部不正入学の事件を思い出した。
どれもこれも「保身」のため。女はともかく、男って生き物は「保身」で生きているんだな。
結局、彼女が本当の不正をしていなかったことを、審査員の二人は知らないまま終わってしまった。彼女に汚点を残したままだったら、彼女がきつつき賞を取ることは永遠にないんだろうな。誤解されたままで切ないな。
「きつつき賞」自体、こうなれば無くなったほうがいい。
ラストの「看板」が逆を向いて建てられていたのが比喩的。上から読んでも下から読んでも「きつつき」だった。
アフタートークは、てらそままさき司会に、小形満、おおらいやすこ、古川玲、楠見尚己が参加。
劇中では途中から登場する小形さんや古川さんの話、最後に長台詞がある楠見さんの話、ファジーな内容だったと言うてらそまさんの話など。
次の観劇は土曜日マチネ公演。
今度は終演後てらそまさんにご挨拶できればいいな。
先行予約特典
写真(5種類のうち好きなもの)とオリジナルグッズ(バッジとチョコ)



















