少年社中公演 MAPS | アクエリアス

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少年社中20周年記念第二弾  少年社中第34回公演『MAPS』


20周年記念公演第二弾は、少年社中の過去・現在・未来の地図を描く物語。
今回も社中の仲間たちと、外部から豪華ゲストを呼んで作り上げる。


漫画家と冒険家と伊能忠敬。三人が其々の地図を手に、時空を超えて交差して、楽園や目的や物語作りのために邁進する話。

前から2番目ど真ん中という良席でありながら、殆ど作品世界に入っていけず、何度も眠気に襲われる退屈な物語であった。
メインは南圭介、多和田秀弥、岩田有民と、実力経験もある魅力的なキャスト陣なのに、脚本次第でこうもつまらない俳優に見えてしまうのか。

冒険チームのメンバーはみんな10代後半から20歳位の設定なのだろうか。とにかく青くて、熱くて、ウザい。
多和田秀弥がものすごく幼く見える。山川ありそが、たまに細貝圭に見えてきたり。オカマ風の小野健斗は長身が目立つが、やたら剣を振り回して実力行使するアブナイ輩。

漫画家チームは、下克上が起きたりと夢と現実がごっちゃな世界で付いていけん。南圭介の和民は何かのネタか?柏木佑介が素人ぽく見えて合っていない。第一、話を考えるのはいいが、ペン入れやトーンなど漫画を描くシーンが殆ど無い。

一番わけが分からないのが、快楽や怖れや哀しみの化身のような魔人たち三者。彼らは人間関係に混沌と闘いを生み出すものなのだろうか。
井俣太良と中村誠治郎の激しいバトルシーンを拝めたのは貴重だが、彼らがいるから余計話がごった返すし、正直いなくてもいい存在に思える。熱演する誠治郎にはワルイけど。

伊能忠敬を登場させたのはいいが、女房との夫婦ものかと思いきや、息子が現れ止めようとしたりと、話の根幹が見えてこない。伊勢大貴の使われ方が適当で勿体無いこと。

伊能忠敬というと、2011年に観たBQMAPの20周年記念公演『大図』が、エゾの地図を作ろうと歩く堅実な男を描いて面白かったな。
あれこそMAPSならぬMAPの話。話も分かりやすく飲み込めたし、伊能忠敬の人となりもテーマもあった。

三枚の地図とか三人の旅立ちとか、わけのわからないMAPSにするより、一人に絞ってじっくり描くMAPにしてくれたなら、ちゃんと共鳴できただろうと思う。
たぶん、あれこれ盛り込んで賑やかでバラエティー感ある記念公演にしたかったのだろうが、盛り込み過ぎて独りよがりになっちゃったのかもな。
私も若い時だったら、こういう話もストレートに解釈できたかもしれないが、この歳でこういう青臭い話は疲れて敬遠したくなる。

少年社中20周年記念公演第三弾は『機械城奇譚』。
中野ザ・ポケットなので、少しは縮小し分かりやすくしてくれるかな。

少年社中特典のビジュアルチケット
竹内尚文さん

終演後、紀伊國屋書店で、ずっと探していたMAPがやっと見つかった。
時間がかかったが、金銭も消費税もかかった。無料ではどんなMAPも手には入らん。