ミュージカル『しゃばけ参』~ねこのばば~
畠中恵の同名時代小説のミュージカル化。
昨年1月、同年9月に続き、3作目となる。
体は弱いが頭は切れる大店の長崎屋の若だんな・一太郎と、仁吉たち妖(あやかし)が、今回は広徳寺で起こる難事件の真相に迫る。
1作目と同じく、一太郎(若だんな)の植田圭輔と仁吉の中村誠治郎が復活、屏風のぞきの藤原祐規や守狐の福井将太も続投で、万全の体制のしゃばけチーム。それなのになぜこの場に佐助がいない。
佐助は若だんなのために長期でお出かけ中。長崎屋のみんなの言葉の端々から佐助の名前が出て、佐助の存在を確認する。
でも「なんでこんな時に佐助がいないんだ!」「佐助の居場所はここだけだ」と、佐助の相棒・仁吉の言葉には、さすがにグッときて胸がきしんだ。
2作目は独りで長崎屋を守ってくれていた佐助。今度は長崎屋のみんなと一緒に、帰りを待っているから。滝川英治さんの帰りをずっとず〜っと待っているから。
今作のゲストは、秋英の法月康平、寛朝の石坂勇。二人とも寺の僧の役で、短髪もスッキリの坊さんスタイルだ。
長崎屋がコミカル調に比べて、広徳寺サイドはシリアス。ほんわかムードに、ピリリと山椒テイストを挿入し、物語を丁寧に締める役割の二人だ。
法月くんのよく通る伸びやかな歌声は、世界観に深みを与え、ミュージカルらしい厚みをもたらす。石坂さんの柔らかでミステリアスな芝居と怖そうな顔立ちが引き込む。
法月くんと石坂さんの共演作といえば、7〜8年前のロックミュージカルBLEACH。下手で唄う法月くんの成長した歌声を、上手で見守る石坂さんの表情がとろけるようで素敵だった。
壱に比べて、歌やダンスが圧倒的に増えて、法月くんや誠治郎さんのおかげでレベルの底上げ感もある。
客席降りでの芝居や歌唱もあり、近さの旨味や臨場感も出てきた。
ただ、お客さんとの一体感を出したいがために、客席降りしての手拍子の強要にはウンザリする。それも話の流れからのタイミングがワルイこと。
1回目は若だんながいなくなって、仁吉が血相を変えた後で、そんな状況下で手拍子してはしゃぐなんてできやしない。仁吉も深刻な顔で参加していた。
2回目は事件の真犯人が分かってからだが、事情があるとはいえ人殺しになんの咎めもないままの解決策で、モヤモヤしながら手拍子なんてできない。罪を犯したら反省させ贖罪させる、というのが真っ当ではないか。
劇中で登場する「ねこまた」は日替わりゲスト。
廣野凌大がキュートに参加し、バック転まで披露したりと、場を盛り上げてくれた。カテコでは、ちょうど自分の二十歳の誕生日なのだといい、今後の意気込みも語った。
今作は初めて大阪公演もあり。
これからもみんなで全力で、しゃばけムードを持続していっていただきたい。
紀伊國屋書店しゃばけフェアで、ブックカバーを頂いてきた。
アンソロジー「佐助の巻」は、萩尾望都さんや雲田はるこさんの描く佐助が男前。








