舞台『あずみ』戦国編
小山ゆう原作コミックの舞台化。
昨年の『AZUMI 幕末編』の前作、パート1にあたる。
2度映画化、舞台化され、今回10年ぶりに岡村俊一の構成・演出で「戦国編」をリメイク。「幕末編」の川栄李奈が新たな「あずみ」に挑戦する。
今年は大河ドラマもあり、戦国時代ブームに乗っかっての「戦国編」だろうか。
あずみが徳川の刺客で、大坂夏の陣の中、豊臣秀頼がいる大坂城へ向かうところから始まる。
今回も殺陣や立ち回りが盛りだくさん。すべてが速くてめまぐるしくて激しくて、アクション面では見どころも多い。
あずみ役の川栄李奈は前作より芝居も殺陣も安定し、しっかりした成長が見てとれる。小柄なため、色気より子供っぽさがまだ強いが、メンスの関係で13歳の設定だろうか。
うきは役の鈴木拡樹は32歳だと冒頭で名乗っていたが、あずみとの恋模様は兄と妹、叔父と姪の関係に見えてしまう。今回はフライングを披露する拡樹が見どころのひとつか。
どんな役でも真摯に誠実に全うする拡樹は好ましいが、たまには役を選んでくれよと思うほど、あずみ一筋のあっけない役所だった。
とにかく前半からみんなフラグ立ち過ぎw。
斉藤秀翼に至っては、個性も発揮せぬままで咬ませ犬の犬死に状態。
三村和敬も大声を張り上げて頑張っていたがゴミ捨て扱い。
若手の小園凌央は前半は棒読みでヒドかったが、後半で何とか盛り返す。
早乙女友貴はあまりにベタな凶暴下劣な刺客ぶりで、美しい殺陣が霞んでしまいそう。
山本亨、星田英利は、舞台の牽引役として目立つが、コミカル調は時にくどい。
有森也美のゴージャス衣装は動き辛そう。
久保田創の人情味溢れる加藤清正と、吉田智則の厳しくも武士道を貫く井上勘兵衛が、美味しい役どころ。
この2人との出会いと別れが、子供だったあずみの心に一喝を与え成長させるが、時既に遅し。あずみはすべてを喪っていく。
豊臣方の最大の敵で、あずみの運命をも狂わせるのが徳川家康だが、残念にも舞台に登場しないので、どうしても内容や結末が消化しきれない。
仕方ないのでビジュアルとして、舞台『真田十勇士』の松平健を思い浮かべてみたw。
ストーリー的には身も蓋もなく、救いも希望もなく、後味も悪く感動も湧き上がってこない、極めて疲れる作品だった。
前作の『幕末編』のほうがまだよかったなと、口惜しさが募る舞台だった。
チケットもあまり売れてないのか、後方は空席も多く、SNSでも話題にならない。
ただ先月の『おそ松さん』と違って男性客も多く、お手洗いの混雑は緩和されていた。






