舞台『ガラスの仮面』
美内すずえによる長期連載原作を、G2脚本・演出で舞台化。
2014年8月の初演と同じメインキャスト・スタッフでの上演である。
初演の青山劇場から、今回は新橋演舞場へと会場を移し、2.5次元舞台としても注目される。
恒例の紫のバラ
舞台劇「ふたりの王女」のエピソードを中心に、演劇界伝説の名作「紅天女」の主役の座をめぐって、北島マヤと姫川亜弓が競い合う。
チケットを購入する前は、てっきり初演の続編なのかと思ってた。
今回は初演に新たなエピソードを加えた新演出のリプート版。おそらく今メンバーでの最後のガラかめとなりそう。
大胆緻密な舞台セットに驚かされた。
表は「Next to Normal」の時のような3段階のパイプ構造、裏は船の帆のようなワイプ型で、盆を駆使して流れるように様々な景色を見せる。
演舞場の花道は頻度は少なく、スッポンはあるシーンで効果的。
場面や劇中劇によって衣装も色とりどり。アンサンブルのストップモーションや照明が活かされ、テーマ曲が華やかに彩る。
初演はマヤと亜弓に焦点が当てられたが、今回は恋愛要素が強い。
特にマヤと真澄による、心のすれ違いと重なりのラブラブストーリーになってて、感情移入しやすい。
同時に、ヒロインは月影千草ではないかと思うほど、回想シーンでは思わず涙目になった。
貫地谷しほりは、コミカルとシリアスのメリハリがいっそう引き立ち、愛らしさに色気が加わった感。
マイコは演技力がアップ、立ち姿や台詞にも端正な威厳が漂う。
小西遼生の速水真澄は出番も増え、しほりマヤとの絡みも多く、軽やかでスマートなやり取り。真澄の壁ドンや、想いを吐露する目力にときめき。今回は冷酷な企業人と葛藤する男を細やかに表現、演技の厚みが増した感。
屋敷に火が付いたシーンで、遼生さんの少年声を聞くと、夏の『ブラメリ』が浮かんじゃう。
『ブラメリ』でも遼生さんと共演した一路真輝の月影先生は、言葉や表情から厳しさの中に慈愛が宿る。
若かりし頃の千草は可憐で、紅天女を舞う月影千草からは美しさが匂い立つ。一路真輝さんの当り役には違いない。
東風万智子の水城冴子はクール&ホットで安心感、物語を明確に繋ぐ。
小林大介の尾崎一連は要所要所で凛とした存在感。
浜中文一の桜小路優は、見せ場はあれどイマイチ。滑舌が不安定で、初演と殆ど成長が見られない大根ぶり。桜小路くんには、真澄と対峙しても負けないほどの背の高さと勇ましさがほしい。
台詞で何度も出てくるのが「魂のかたわれ」。舞台「ベターハーフ」を思い出す。マヤにとっての魂のかたわれは果たして真澄なのか。
「紅天女を永遠に」と語り残した尾崎一連の思いが、いまは私にも理解できる。
「ふたりの王女」初日は台風直撃で、劇場の前の道も封鎖の中、たった一人現れた客。
本日はまさに、リアル嵐の日の観劇だった。
2階には撮影用パネル、グッズ販売中。
次は千秋楽を観劇。
遼生さんの「紫のバラの人」も、これが見納めかもしれないからね。
ちなみに2014年版「紫のバラ」








