『女海賊ビアンカ』。
美内すずえの漫画『ガラスの仮面』の劇中劇「女海賊ビアンカ」が、新たなキャストを迎えて再演。
大貴族の一員ビアンカ・カスターニが、とある謀略によって国を追われ、海賊の一味となる、激動と運命の半生を描く。
初演よりもパワーアップされ、曲目もダンスシーンも増えた。
アンサンブルによる感情表現が豊か。中でも、暗闇の中に浮かび上がるダンサーによる白手袋の舞は、鳥の飛翔のようで美しい。
ストーリーは初演よりちょこちょこと変更され、新たなシーンも追加。
今回は恋愛よりも情愛に重点を置いたのだろうか。広い意味での「愛」のある生き方が問われ、ビアンカの果てなき生き様が映し出される。
『デスノート』ミサミサ以来に観る唯月ふうかさんは、本日は台詞カミカミ。流されるままのビアンカとしてより、小柄な男性ニコロとしての二幕からが、水を得た魚の如く活き活きしている。
伸びのある歌い方は気持ちよく、歌の比重が大きくなっている。
根本正勝さんのシルバーは、キレのいい台詞回しで、クールで人望があり情に溢れた兄貴目線の存在。キャプテンから譲り受けた帽子が思いのほか似合う。根本さんのダンスやハーモニーも新鮮味。
アルベルトの原嶋元久くんは前回より芝居が上手くなって、感情表現にも深みが出ている。ビアンカに抱かれたアルベルトの告白シーンは、今回は観やすい席だったので、尚更感情移入して涙ぐんでしまった。実にいいヤマ場だ。
ソロで歌うかと思いきや、キレのあるダンスのみなのが惜しい。
他メインは殆ど新キャスト。
最近は悪役が目立つ藤田玲くんだが、ビセンテの非情で凶悪な存在感に凄み。
ロレンツォの神永圭佑くんは品のある王子様ぶりで、大柄に見える。カテコでは慌てて髭を押さえててキュート。
小西成弥くんのジュリオは出番が少ないが、爽やかで熱っぽい少年らしさ。
レオノーラの大沢逸美さんのねちっこい怪演ぶりが目立つ。
初演でも思ったが、ジェノバの大使の扱い方が雑なこと。
ロレンツォ姉が襲われた時、彼はどこにいたのだろう。シルバー達に一度は救われたくせに忘れたのか、数年後にシルバーを縛り首にしようとする恩知らず。そしていつの間にか語り部老人として登場。
吉岡佑くんが長身なためか、あまり善人にも見えなかった。
ストーリー的にはアラが目立ち、高揚感や爽快感が足りないのが残念。
もうひと工夫しての再演を望みたい。
お花スタンド。










