いつもわかりやすくて勉強になる本を出版される池上先生の本。各国の情勢や思惑を、歴史を交えて解説している。
触れられている国は、インド、中国、ロシア、イギリス、アメリカ、フランス、ドイツ、ブラジル、そして新興国グローバルサウス。3割くらいは知っている内容だったので流れも掴みやすく、世界史が苦手だった私には改めて勉強にもなった。ロシアや中国の歴史は面白かったので、別で勉強したい。
一部気になったところをメモ。
インド:中国の脅威があり、ロシアと武器輸入をして仲良し。アフガニスタンはソ連に侵攻された際、パキスタンとアメリカが支援し、アメリカ対ソ連の代理戦争となった。その際パキスタンが武器を配ったのでタリバンが発足。
中国:毛沢東は1949年に中華人民共和国を建国したが、実際に日本と戦ったのは国民党であり、共産党ではなかった。習近平は台湾統一を悲願とし、第二の毛沢東を狙っている。
ロシア:元々はキエフ公国を起源とする農業大国。ロシア帝国を築いたピョートル大帝にプーチンは憧れを抱いている。1917年の第二次ロシア革命内戦の際、白軍に欧米諸国が干渉して支援したため、ロシアは欧米に疑心を常に抱いている。
イギリス:かつて世界を支配したイギリスは、英連邦王国15カ国(チャールズが王)と英連邦(コモンウェルス)56カ国との関係性を持っている。地政学的にシーパワーが強い。ファイブアイズという機密情報を取り扱う機関を持っている。
インドのロシアとの関係性やインドパキスタン問題はさすがに知ってはいたけれど、タリバン発足に対するアメリカの功罪なども出てくると、どの国も国益のために好き勝手だなあ…というのが見えてくる。世の中には正しさなんて存在しない。これも概念なのだ、と思い知らされる。ちなみに本の中に出て来た、司馬遼太郎さんの「ロシアについて」という本があるようなので、今度読んでみたい。