2024年花組御園座公演 ドンジュアン 

中継を映画館で観ました


2016年初演の雪組DVDを見直しました

ラファエル役で永久輝せあさんが出演


雪組版の感想です


可愛い花組生達とは違い、

雪組版は大人のお芝居でした


当時二番手の望海風斗さんのお芝居に合わせ、

全体的に台詞の言い回しが強いです


望海さんの安定した演技

振り切った悪さ、余裕


雪組生達の存在感が強いです



騎士団長/亡霊 

ビジュアル、表情、動きが怖いです


ラファエルがマリアと婚約するくだり


ラファエルはマリアの彫刻の仕事を面白く思ってないようです

「これで最後の仕事にするんだぞ」

「石のどこがいいんだ」

ラファエルは嫌そうな顔をしてました

結婚後は仕事を止めて、

自分だけを見てほしいと考えています


マリアは

結婚後に仕事を辞めなければいけない理由に

納得していません


「愛されているのよ」

周りの女性達が言います

愛される事が愛なのだろうか?

マリアは疑問に思っています


「彫刻は私の全てなのに」


亡霊はドンジュアンを

彫刻の仕事をしているマリアの元に引き合わせます



騎士団長の彫像を作っているマリア


騎士団長を殺したドンジュアン本人


ドンジュアン「彫刻をしているお前は美しかった」


マリア「私とあなたとは住む世界が違うのよ」


マリアが居るのは彫像を作る世界

そこにはドンジュアンが居ない



石像のお披露目式典にドンジュアンが現れます

マリアの住む世界に来ます


騎士団長殺しの罪人と詰られ、

謝罪を求められます


ドンジュアンは石像に跪き、

自分の罪を謝罪します


「彼女が作った彫像なら神と同じだ。

彼女に会わせてくれ」


マリアが現れますが、

ドンジュアンは立ち退きを求められます


マリアはドンジュアンが去らなければいけない理由が石像にあるのならばと、

石像を破壊します



自分の全てである石像より、

ドンジュアンが大切である


この辺で、

マリアはドンジュアンを愛していると気づきます


自分(マリア)の誇りより、

相手(ドンジュアン)の誇りが大事である


マリアの為に

ドンジュアンはプライドを捨てて謝罪をします


自分(ドンジュアン)のプライドを捨て、

相手(マリア)に敬意を払います


お互い、自分が折れて譲歩します

自分より相手を想います


石像お披露目式典と破壊の場面が、

騎士団長が導いた【真実の愛との巡り合わせ】

だと思います


初演の雪組版以降、

外部公演や花組版では石像破壊場面は

無くなりました


今回雪組版を見直して、

ドンジュアンとマリアは一目惚れではない

自分より相手を大切にしたい気持ちと行動があったと考えました



マリアと出会いが真実の愛だと分かり始めた

ドンジュアン


目つきが穏やかになっています


ドンジュアンが捨てたエルヴィラが

マリアの婚約者ラファエルに会い、

「あなたが愛したマリアはもう居ない

今マリアがが愛しているのはドンジュアン」

と告げます


ラファエル「戦場でさえ

こんなにも心を引き裂く毒蛇は居なかった」


ラファエル、エルヴィラは悩みます

「愛した人に憎しみや苦しみを与えれば、

憎しみや苦しみが消えるのだろうか?」


悩みながらも相手の心変わりに傷つき、

ラファエルはドンジュアンとマリアの所へ向かいます


ラファエル「君を失うなら、アイツを殺す。」



ラファエル「さあ言え、恋人だって」



ラファエル「今でもお前を愛している」


ドンジュアン「決闘だラファエル。

これほどまでの侮辱を許さないぞ」


マリア「決闘なんてやめて。ドンジュアン。

昔の恋なのよ、

今愛してるのはあなた1人なのよ」


ドンジュアン、ラファエル、

2人とも心がズタズタになる場面でした


ドンジュアン

「聞いてないぞ、愛が嫉妬を生むなんて

もう2度と話しかけるな、お願いだ

ただ1つの太陽で居たいんだ」


ラファエル

「1人の女を愛しただけなのに

愛は争いの歯となり憎しみを取りつかれる

人は何故愛を奪い合う?」


ラファエル、セビリアの女達

「誰を愛していればいい?

目の前には二つの道だけ。

罰を選ぶか罪を選ぶか。」


ドンカルロ

「見逃してやれば戦わずとも勝つのは君だ」


ドンルイテノリオ

「偉大な王のように

傷付けず見逃したやれば勝つのはお前だ」


相手(ラファエル)を許し、

自分(ドンジュアン」が譲れば、

ラファエルを殺す必要は無くなる


周りの忠告としては


ラファエルに許しを請い、

ラファエルにはマリアを諦めてもらい、

マリアの心を得る事を勧めているのでしょう



ドンジュアンとして


男性はプライド、

自尊心の生き物だといいますから、

自分が折れたり頭を下げて負ける事が

屈辱的なのでしょう


相手を打ち負かして消して、

自分が勝つ事が愛だと思い、

決闘する


人は感情的になると、

譲歩する事は難しいですよね



亡霊

「愛を知らず、罪を背負って生き続けるのだ」


目の前にはふたつの道

罪人になるか

(相手に勝つ、自分のプライドを守る)

罰を受けるか

(自分が負ける、相手に譲り立てる

自分のプライドを捨てる)


ドンジュアンは罰を受ける事を選びます


決闘に負け、死ぬ事が愛だと気づきます


物語なので、

現実で決闘したり死んだりしたらいけませんね


【自分が折れ、譲り、人として生きる事で

ドンジュアンはマリアの心の中で

永遠に生き続ける】


ドンジュアンが辿り着いた心境でした




【相手を立てる、自分が譲る】


社会を生きていく中で、

人間関係を円滑に築く為に大切な事ですよね


実際に行動に移すとなると

とても難しいです


宝塚雪組初演 ドンジュアン

ラファエル役でこの舞台に立っていた

永久輝せあさんが、

ラファエル役の情熱を引き継ぐように

2024年花組版のドンジュアンを演じきった


私はそう受け止めました


読んで下さってありがとうございました