BL表現を含みますので、苦手な方はスルーでお願い致しますm(_ _)m

 

 

 

 

 

 

 

 

「...え、今何て言ったの?」

 

 

チャンミンの滑らかな背中を指先でなぞりながら俺が言った言葉に、チャンミンは驚いて体を起こした

弾みで体にかけていた毛布が肌を滑り落ちた

 

 

「ユノ....聞き間違いじゃないよね?

今、エッチを控えようって言った?」

 

「うん」

 

「それは...したくないって事?」

 

「ううん、違う」

 

「じゃあなんでそんな事言うの?

本当は僕とのエッチ、気持ち良くないんだ...」

 

「違うって」

 

 

チャンミンは完全に体を起こしてベッドの上に座った

下着も何も身に着けていないけれど、下半身だけは毛布で隠してある

 

俺は横で寝そべったまま、頭の後ろで手を組んだ

 

 

「チャンミンとエッチがしたくないんじゃないし、気持ち良くない訳でもない

本当は全部その逆だよ

いっぱいエッチしたいし、気持ち良過ぎて困るくらい」

 

「じゃあなんで?

なんでそんな寂しい事言うの?」

 

 

俺は体を横に向けてチャンミンを見た

下から見上げる妖艶な姿にこのまま上から覆い被さりたくなる

 

 

「俺たち、まだ高校生なんだよ

これから大学受験も控えてて、学校の勉強だって今まで以上に重要になって来る」

 

「そんなの...

僕とユノは成績だっていいし、先生だって今のまま頑張れば大丈夫だって」

 

「それはあくまで仮定の話だろ?

チャンミンは分からないけど、俺は最近チャンミンの事ばかり考えちゃうんだ

おばさんが結婚してハンさんがお父さんになるって聞いた時から、俺とチャンミンのこれからについて凄く考えるようになった」

 

「うん」

 

「でさ

これからは今までみたいにチャンミンの家でエッチとかしにくくなるだろうし、だからと言って俺の家でって言うのも、母さんが色々と勘付いてるからしにくいし...って、チャンミンとエッチする事ばっかり考えてる自分に気付いたんだよ」

 

 

チャンミンを見ると、今の言葉に動揺したのか耳が真っ赤だ

 

 

「別に...エッチする事ばっかり考えてたっていいじゃん

僕だってユノとエッチしてる時の事、しょっちゅう思い出すし考えるよ

だってユノが好きだし、ユノに触れて欲しいし、ユノに触れたいし...」

 

「うん

好きなんだから当たり前なんだよね

でもそのせいで勉強がおろそかになるとか、親がいい顔しないとか、そういうのは嫌なんだ

 

恋も勉強も、全部ちゃんとしたい」

 

「だから、エッチを控えるの?」

 

「そ

でも今まで通りデートとかはするよ

カラオケ行ったり買い物行ったり、家でゲームしたりとかさ

でも、どちらかの家に行く度にエッチするのはやめようって思うんだ

キスくらいならいいけど、それ以上は...」

 

 

チャンミンは不満そうに口を尖らせて俯いた 

 

その気持ちが分からない訳じゃない

 

本当は俺だって会う度にチャンミンと触れ合いたいし、それも大事な愛情表現だと思っている

でも大学受験は失敗できないし、それ次第では交際自体が禁止されるかもしれない

せっかくお互いの母親に認めてもらえたのに、それでは振り出しに戻ってしまう

いや、それよりもっと悪い

 

 

「全くしないって言ってる訳じゃないんだから、そんな顔しないでよ」

 

「....今日は?」

 

「え?」

 

「今日も、もうこれで終わりなの?」

 

「それはさ...

また別の話だよ」

 

 

俺も体を起こすと、まだほんのり赤いチャンミンの頬を撫でた

 

 

「これからの話をしただけで、今日はまた別だよ」

 

 

それからその手を首筋、肩へと這わせて、平らな胸の上を滑らせた

ほんの少し背中を反らせて、俺の指先がどこに向かうかをじっと見ている

 

 

「あ...」

 

 

胸の中心、ツンと尖った部分に触れたら掠れた吐息が漏れた

その声で一気に頭に血が上って、急かされるようにその小さな突起を弄った

 

 

 

....本当はいつまでもこうして触れていたい

俺にだけ見せてくれるこの愛らしい姿をずっと独り占めしていたい

 

でも、そればかりになってしまうのが嫌だった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

翌朝、一緒に作った朝ご飯を食べていると、突然チャンミンの箸が止まった

お皿の上の目玉焼きは半分残っているし、ベーコンは丸々2本手付かずのまま、トーストだけは残り3分の1まで食べていた

 

 

「どうしたの?美味しくなかった?」

 

 

俺の問い掛けにチャンミンはぷるぷると頭を横に振った

 

 

「違う

 

ゆうべユノが言った事を考えてた」

 

「あぁ..」

 

「確かに僕も、エッチしてばっかりは良くないかなって思ってたんだ

だってまだ高校生だし、ユノのお母さんが言ってたようにもしどちらかが女の子だった場合、こんなにエッチしてたらとっくに赤ちゃんできてたかもしれない」

 

「まぁ...そうだね」

 

 

朝からずっしり重い話題になりそうな予感がしたけれど、ここはチャンミンの胸の内をしっかり聞いてあげようと思った

 

 

「それでね、思ったの

ここはとにかく受験目掛けてひたすら頑張って、合格したら二人暮ししてもいいって事にしたらどうかな...って」

 

「...ん?

二人暮らししちゃうって事?

でもそれって、俺たちだけで決めたらマズイんじゃない?」 

 

「そうだけど...

 

そうだけど、そうでもしないと無理だよ僕

受験勉強の合間にユノとこうして二人っきりの時間を持てないなら、受験以外の目標も欲しい」

 

「う〜ん...」

 

「目標にするだけなら別にいいでしょ?

実現できるかどうかはとりあえず置いといて、合格したらユノと一緒に暮らせるかもしれないって、そう思わないと頑張れない」

 

 

この感じのチャンミンは、俺が折れない限り頑として意志を曲げないだろう

今までの付き合いの中で学んだチャンミンの傾向だ

 

 

「じゃあ....

叶う叶わないに関係なく目標にするだけだよ、いい?

間違っても親の前で口にしたらダメだからね」

 

「分かってるよ、そんな事

ユノはいつもそうやって僕を子供扱いするよね」

 

「だって子供だろ?

 

俺もだけど」

 

 

チャンミンはふふっと笑うと、急に色っぽい目付きになった

子供なのに、俺を誘うような視線や仕草は大人びていて、一瞬で俺の気持ちを煽る

 

 

「朝ご飯食べたら、またユノとイチャイチャしたいな

いいでしょ?」

 

「...いいけど、おばさんが戻って来るまでにはここを出たいな

何か....顔を合わせるの気まずいし」

 

「そうだね

いっぱいエッチしちゃったからね」

 

 

チャンミンはあっけらかんとそう言うと、再びお箸を手に取って残りの目玉焼きを一口で頬張った

 

 

弱気になったり強気になったり、この可愛い恋人はコロコロと表情を変える

そして俺はそれに振り回されっぱなしで、付き合い始めた頃からずっと変わらない

 

 

自分のお皿に残った最後のベーコンをお箸でくるっと丸めると、ポイと口の中に放り込んだ

こんな風にチャンミンと一緒に朝ご飯を食べられるのも、もしかしたら暫くはないかもしれない

そう思ったら口の中のベーコンが格別に美味しく思えて、同時に寂しくもなった

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

 

 

※画像お借りしました※